特集 ラグビー南アフリカ代表 ファフ・デクラーク 横浜キヤノンイーグルス躍進の立役者

ラグビーのリーグワンは上位4チームで争うプレーオフの出場チームが出そろいました。その中で唯一初出場となるのが横浜キヤノンイーグルス。トップリーグ時代を含めてリーグ戦過去最高の4位と躍進しました。その立役者は、今シーズン加入した南アフリカのファフ・デクラーク選手です。前回のワールドカップ日本大会では、大男たちに交じってひときわ目立っていた身長171センチの“小さな巨人”。美しい金髪がトレードマークです。ベスト4をかけて戦った準々決勝で日本の前に立ちはだかったのも、デクラーク選手でした。大会を経て日本のラグビーに興味を抱き来日。闘志あふれるプレーでチームの躍進を支えるスーパースターに、中川安奈キャスターが迫りました。(サンデースポーツ 2023年4月23日放送)
日本のラグビーは思いのほか楽ではなかった
中川キャスター:日本でプレーするようになって、日本のレベルをどう考えていますか?
デクラーク選手:開幕当初はもっと自分が思うままにプレーができると思っていたよ。みんなは日本のラグビーは速くたくさん走ると思っているが、体の当たりが強くなっていて思いのほか楽ではなかった。
ここまで全試合に出場してきたデクラーク選手。想像以上にフィジカルが強烈だったというリーグワンでもアグレッシブなプレーを続けています。中でもチームに大きな貢献をもたらしているのが攻撃面です。時には自ら走り、時には味方を生かし。チームの得点力は去年より1試合平均で7点近くアップ。プレーオフ進出の大きな原動力となりました。
中川キャスター:自分の強みはどんなところですか?
デクラーク選手:私の強みは”闘志”だよ。決して諦めず、戦い続けようとする気持ちだね。
中川キャスター:子供の頃から闘志があったのですか?
デクラーク選手:ほとんどの選手より体が小さいので、常に自分の実力を証明しなければならなかった。それが私の中に根づいているんだ。激しさは自然に発揮できるものではない。だが激しさを1度出せるとうまくいくんだ。
一方で共にプレーする日本の選手についてはー。
デクラーク選手:激しさがちょっと足りないと感じる時がある。日本人はとても親切でフレンドリーな人が多く、特に僕のチームには、もう少したきつける必要がある選手が何人かいる。
中川キャスター:多くの日本のファンが長い金髪が特徴だと考えています。
デクラーク選手:間違いなく今ではトレードマークだね。妻も気に入っているんだ。
中川キャスター:奥さんは気に入っているんですね?
デクラーク選手:そう言っているけどもう1回確認したほうがいいかな。どこまで伸ばせるかやってみるよ。
オフはチームメートとリラックス
プレーオフに向けて、この日はチームメートとお気に入りのカフェへ。プレー中とは違って穏やかな表情のデクラーク選手。ここではラグビーの話は一切なし。チーム力を上げるために大事にしているのが、オンとオフのメリハリです。
荒井康植選手:スーパースターです。(まねしたい部分は)ヘアスタイル&ヘアカラー。
川村慎選手:楽しむのがすごく上手なんで、それがいい方向に向かっていると思います。
デクラーク選手:ありがとう。
4月23日に行われたレギュラーシーズン最終戦でも、デクラーク選手は開始早々息が合ったプレーを見せました。絶妙なキックパスも決め、最終戦を勝利で締めくくってプレーオフへ弾みをつけました。
試合後デクラーク選手は「全員が実力を発揮できればどのチームにも止められない。イーグルスは特別なチーム。会社やチームメートのために優勝したい。」と話していました。
中川キャスター 取材をおえて
中川キャスター:プレーをしている時の激しい印象が強かったのですが、実際に話してみるとやわらかく穏やかで、カメラを向けると何回もポーズを取ってくれるおちゃめな一面もあって、取材をしていてあったかい気持ちになりました。村上さんいかがでしたか?
村上茉愛さん:ラグビー選手としては小さいと思うんですけど、あれだけ大きな選手たちに立ち向かう姿は勇気をもらえますし、自分もアスリート、元アスリートとしてこれからも闘志というものは学ぶべきものがありますし、強いなと思いましたね。
中川キャスター:アグレッシブですよね。そのデクラーク選手は今年のワールドカップでも南アフリカの代表入りを目指していますが、まずはイーグルスで結果を残したいと話していました。リーグワンのプレーオフは5月13日から始まります。