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特集 体操 個人総合の全日本選手権展望!

体操 2023年4月20日(木) 午後5:00

体操・個人総合の日本一を決める全日本選手権が、東京・渋谷区の東京体育館で20日から4日間にわたって開かれます。大会は、ことし9月からベルギーで行われる世界選手権の日本代表メンバーの選考を兼ねていて、パリオリンピックにつながる重要な大会の1つです。

 

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しれつな代表争い 本格スタート

世界選手権の代表は、男女ともに5人。去年の世界選手権で、個人総合で金メダルを獲得したエース、橋本大輝選手が代表に内定しています。残りのメンバーを決めるしれつな代表争いが、この大会から本格的にスタートします。

 

全日本選手権に向け調整する橋本選手(2023年4月19日)

全日本選手権の予選と決勝の合計得点を持ち点に争う、5月のNHK杯で男子は上位2人、女子は上位4人が選出されます。また、残りの男子2人と女子1人は、6月の全日本種目別選手権の予選と決勝の得点もふまえ、団体総合で貢献度の高い選手が選ばれます。選考を優位に進めるためにも、最初の大会となる全日本選手権で上位に入れるかが大きなポイントとなります。

 

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男子の注目は

男子の注目は、全日本選手権、NHK杯ともに3連覇を目指す、橋本大輝選手です。3連覇を果たせば、10年連続で優勝した内村航平さん以来の快挙です。

 

東京オリンピック 橋本選手が個人総合で金メダル(2021年7月)

橋本選手は、オリンピックと世界選手権のともに個人総合で金メダルを獲得していて、日本選手では内村さんに続いて2人目と、日本代表の中でも卓越した存在です。橋本選手は「去年はけがも多かったし、とにかく不調に悩まされた」と話していましたが、ことしはパリオリンピックでの2連覇を見据え、長いシーズンを戦える体作りに励んできました。

 

谷川航選手(左)、北園丈琉選手(右)

さらに、去年の世界選手権の個人総合で銅メダルを獲得した谷川航選手や、去年の代表落選からの復活を目指す北園丈琉選手など東京オリンピックの代表選手も順調な調整ぶりです。

 

谷田雅治選手(左)、岡慎之助選手(右)

このほか、個人総合で「高校3冠」を達成した18歳の谷田雅治選手や2019年の世界ジュニア選手権の個人総合で金メダルを獲得したあと、去年の全日本選手権での大けがから復帰した、19歳の岡慎之助選手など、次世代を担う逸材もさらなる成長が見られ、活躍が期待されます。

 

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女子の注目は

エース候補の筆頭とされるのが、18歳の宮田笙子選手です。脚力と瞬発力を生かしたダイナミックな演技が持ち味で、去年のNHK杯で高校生としては7年ぶりに優勝し、世界選手権の代表入りを決めました。

 

世界選手権 個人総合で8位の宮田選手(2022年11月)

世界選手権は初出場ながら、平均台で銅メダル、さらに、個人総合で8位に入り、日本を引っ張りました。世界の舞台での経験が「自信になった」と話していて、その後はけがに苦しめられながらも得意の跳馬やゆかに加え、これまで苦手だった段違い平行棒でも難度を上げた演技構成に挑戦し、オールラウンダーを目指します。

 

世界選手権 平均台決勝 渡部選手が金メダル(2022年11月)

また、去年の世界選手権で補欠から繰り上がって代表入りし、平均台で金メダルを獲得した18歳の渡部葉月選手にも注目です。ことし筑波大学に入学し、環境を変えて臨む今大会で、個人総合でも上位を目指します。

 

全日本種目別選手権 ゆか決勝 山口選手が優勝(2022年6月)

さらに、14歳の山口幸空選手は、年齢制限でことしの世界選手権には出場することはできませんが、長い手足を生かした柔軟性のある演技が持ち味です。去年の種目別選手権では、ゆかと平均台の2種目で優勝するなど、16歳で迎えるパリオリンピックでの活躍が期待されています。

 

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この記事を書いた人

沼田 悠里 記者

沼田 悠里 記者

平成24年 NHK入局。金沢局、岡山局を経てスポーツニュース部。

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