ストーリーフィギュアスケート

羽生&紀平 NHK杯フィギュアを終えて... 後編

2019-11-29 午後 0:27

11月24日まで札幌市で行われたNHK杯フィギュア。男子シングルでは羽生結弦選手が優勝。女子シングルでは紀平梨花選手が2位に入り、共にグランプリファイナル進出を決めました。サンデースポーツ2020では、大会最終日の夜に両選手に大会を終えての思いを聞きました。副島萌生キャスターとオリンピック2大会出場の鈴木明子さんが、独自目線で二人の滑りを振り返ります!

後編は紀平選手に話を聞きます。ロシア勢が席巻する女子シングルで高みを目指すために、さらなる成長を誓う17歳の本音とは?

自信にあふれたトリプルアクセル

ショートプログラム2位で迎えた紀平選手のフリー。演技前半、トリプルアクセルからの連続ジャンプと単独のトリプルアクセルをきれいに決めます。後半も大きなミスなくシーズンベストの151.95、ショートプログラムとの合計で231.84で2位に入りました。

 

 

鈴木明子さん 紀平さんに聞きたいのは、まずはトリプルアクセルですね!今大会で跳んだ3本ともすばらしい出来だったと思うんですが、ご自身ではどう感じてますか?

 

紀平梨花選手 そうですね、今シーズンの中でもショート、フリーともにこんなに加点のつくジャンプが跳べたのは初めてで、トリプルアクセルに関しては本当に最高の出来ができたと思います。

 

副島萌生キャスター 紀平選手の成長は数字にも表れています。トリプルアクセルの成功数を比較すると、ショートプログラムとフリー合わせて昨シーズンは23本中12本成功だったのが、今シーズンは8本中7本も成功させているんです。

 

 

鈴木 これだけ成功率が上がった理由は、紀平選手自身なぜだと思いますか。

 

紀平 練習を積み重ねて、確実に変わってきました。試合でトリプルアクセルを決める経験も重ねられたし、昨シーズンの失敗から、自分をどう集中させるか学ぶ事ができました。自分を知って、どうしたら試合で跳べるのか掴めてきたかなと思います。

 

鈴木 紀平選手を見ていると、すごく自信を持ってアクセルに挑んでいるように見えます。

 

 

紀平 不安な試合もたくさんありましたけど、周りの声や不安を消して、どんな状況でもアクセルの跳び方だけに集中する事が最近できてきました。それがなんとか跳べている要因かなと思います。

4回転も入れていきたい

さらなる成長を見せている紀平選手。しかし今シーズンのグランプリシリーズを席巻しているのが、ロシアのシニア1年目の選手たちです。

トリプルアクセルを含む完成度の高い演技でNHK杯を制したアリョーナ・コストルナヤ選手は、グランプリシリーズフランス大会でも優勝。さらにカナダ大会、ロシア大会優勝のアレクサンドラ・トゥルソワ選手、アメリカ大会と中国大会を制したアンナ・シェルバコワ選手の2人は4回転ジャンプを成功させています。

 

 

副島 紀平選手もすごいですが、ロシア勢の成長も著しいですよね。今シーズンの自己ベストでは、紀平選手は230点を超える高得点。しかしトゥルソワ選手、コストルナヤ選手は240点超えの点数を記録しています。

 

鈴木 シーズンベストで10点ほどの差。紀平選手は今この差をどのように感じてますか。

 

紀平 たった10点差のように見えますが、今シーズンの自己ベストは自分にとってすごく満足のいく演技ができた点数です。それでも2人とは離されてしまっているので、今後はルッツジャンプや4回転ジャンプもプログラムに入れていかなきゃいけないと、今回の試合で強く思いました。あとはステップの取りこぼしをなくして、もっともっといいものを追求していきたいです。

 

紀平選手が語った4回転ジャンプへの挑戦。大会後の取材で、グランプリファイナル進出を確実にするためにNHK杯では回避したものの、ファイナルでは4回転サルコーを演技に組み込むことを目指すと明かしています。今シーズンの演技構成はその4回転挑戦を見据えたものです。昨シーズンは冒頭にトリプルアクセルを跳んでいましたが、今シーズンの冒頭は3回転サルコー。このジャンプを今後4回転にすることを視野に、サルコージャンプを配置しています。そのためフリーで2本跳ぶトリプルアクセルがそれぞれ後ろにずれた形になっています。

 

副島 トリプルアクセルが演技の後ろにずれることは、やはり選手としてはきついですか?

 

紀平 この構成は体力的にしんどくて、トリプルサルコーのあとになっただけでアクセルのミスが練習では多かったです。もし最初に4回転サルコ-を入れる時は、そこでのジャンプのミスによってトリプルアクセルがかなりきつくなります。4回転を入れることで、体力面も精神面もしんどい状況になりますね。

 

鈴木 それを想定してトリプルサルコーを最初に持ってきましたが、今大会できちんと決まったことで自信になったんじゃないですか。

 

紀平 そうですね。公式練習でミスがあったので、まだ自信がしっかりついていない状態でしたけど、集中して決められたのは自信につながりました。

 

副島 羽生選手からは、紀平選手に何かアドバイスはありますか。

 

 

羽生結弦選手 やっぱり試合で経験積むことって大きいと思うんですよね。今シーズン、まだ本数は少ないですがトリプルアクセルの成功率が50%から80%まで上がっているのは、試合で感覚を掴めているということなのでとても大きいと思います。それを積み重ねればさらに上がっていくと思いますね。

 

紀平 ありがとうございます。

戦いはグランプリファイナルへ

羽生選手、紀平選手の2人はNHK杯の結果を受けて12月イタリアで開かれるグランプリファイナル出場が確定しました。羽生選手は3シーズンぶりの出場。過去4連覇も果たした大会で再び頂点を目指します。紀平選手は前回大会シニア1年目で優勝。今大会は2連覇に挑みます。

副島 ではグランプリファイナルへ、おふたりから意気込みをお願いします。

 

 

紀平 グランプリシリーズを終えて、ショートでもフリーでも見つかった課題をしっかり克服して、自分の最高のショートとフリーを揃えたいと思います。

 

 

羽生 とにかくNHK杯でやりたかった事、課題はまあクリアできたと思っているので、今度は全てをまとめ切ることですね。ファイナルではパーフェクトでクリーンな演技を目指して、頑張りたいと思います。

 

副島 羽生選手、紀平選手、鈴木さん、みなさんありがとうございました!


 

(終)

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副島 萌生 キャスター

NHKサンデースポーツキャスター
放送部だった高校時代に春のセンバツの開会式閉会式の司会を担当

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