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特集 ブレイキン全日本選手権優勝 AYUMI&Shigekix が生出演!

アーバンスポーツ ブレイキン 2023年2月28日(火) 午後1:00

来年のパリオリンピックの新競技、ブレイキンの日本一を決める「全日本ブレイキン選手権」が2月18・19日に行われ、優勝した2人がサンデースポーツに生出演!2連覇のダンサーネーム「AYUMI」こと福島あゆみ選手と、3連覇のダンサーネーム「Shigekix」こと半井重幸選手が語るブレイキンの魅力とは。(サンデースポーツ 2023年2月19日放送)

 

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全日本選手権 決勝戦を振り返って

1対1で交互に技を繰り出し、その完成度や表現力を競うブレイキン。Shigekix選手の決勝の相手は、去年3位のSHADEこと岡田修平選手(33)です。33歳のベテランは、独創的なダンスで魅せます。対するShigekix選手は回転技のパワームーブ。さらに、初めて聴く音楽に即興で動きをぴたりと合わせます。

 

 

決め技“フリーズ”も完璧に決めました。圧倒的な強さを見せて、全日本選手権3連覇です。

 

 

中川キャスター:Shigekix選手、今日の決勝はどんな気持ちで舞台に立っていたのですか?

 

Shigekix選手:昨日から今日にかけてかなりハードなスケジュールの中、戦ってきたので、最後もう身も心もこれが正真正銘ラストのバトルだという気持ち、もう振り絞るという気持ちで挑みましたね。

 

そして女子。前回王者のAYUMI選手の相手は、去年の世界選手権を制したAMI選手。全日本選手権では、3大会連続で同じ顔合わせとなりました。まずはAMI選手。世界トップレベルのパワームーブを披露します。一方のAYUMI選手。しゃがんで足捌きをみせるフットワークで、独創性のあるダンスを次々と繰り出します。そして見事、全日本大会2連覇です。

 

 

豊原キャスター:笑顔もありましたし、終始楽しんでいるような感じに見えたのですが、実際どうでしたか?

 

AYUMI選手:実際は緊張もあったんですけど、さっきシゲちゃんも言っていましたが、もう最後なので思いっきりこの時を楽しみたいというそんな気持ちで踊っていました。

 

中川キャスター:最後こみ上げてくるものもあったのかなと感じたのですが、改めて今のお気持ちはどうですか?

 

 

AYUMI選手:今自分でもどんな気持ちだったんだろうと思うのですが、うるっときてしまった。でも最後までずっと頑張ってきたというか、自分が用意したやりたいと思った自分のスタイルを出しきれたっていうのがすごいうれしくて、多分それでうるってなってる。

 

豊原キャスター:Shigekix選手は大会3連覇、これは偉業だと思うのですが改めていかがですか?

 

Shigekix選手:正直、去年2連覇させてもらったときもそうでしたが、「今回で3連覇だ」みたいなそういう気持ちは逆になくて。今年は今年として、1つの大会として全力で挑ましていただいたので、その先の結果で3連覇もついてきて、すごくうれしいなという気持ちですね。

Shigekix選手「最終形は僕たちが踊ることによって音楽が生まれるようにみえること」

中川キャスター:会場でShigekix選手のダンスを見ていたら、動きと音楽がすごく合っていて、音楽が自然とよく聞こえてくるような気がしたのですが本当に即興なんですよね?

 

 

Shigekix選手:そうですね。今の言葉はすごい褒め言葉でうれしいです。本当にいちばんベストな形というのは、音楽を聞いて踊っているんですけど、僕たちが踊ることによって音楽が生まれているみたいな、そういうふうに見えるのがもう最終形というか、いちばんダンサーとしてはうれしい褒め言葉であり形かなと思うので、そう思っていただけたのであればすごくうれしいです。

 

中川キャスター:音楽が目に見えるような感じにも見えました。

 

Shigekix選手:ありがとうございます。

 

豊原キャスター:ビタッと止める“フリーズ”ですが、中澤(佑二)さんこれすごいですよね、かっこいいし。

 

 

中澤佑二さん:体幹が強いなと思いましたが、これもShigekixさんがこだわってきたものの1つなんですよね。

 

Shigekix選手:そうですね。僕の強みにしている部分の1つが、先ほどの音楽の部分と、動きの中で言うと“フリーズ”というビタ止め。ビタッと止める動きというのを僕は強みにして戦っています。

AYUMI選手「自分がワクワクすることをダンスで表現したい」

中川キャスター:そしてAYUMI選手、決勝は3大会連続で同じ顔合わせとなり、AMI選手との対決ということで、そのときはどんな思いでしたか?

 

 

AYUMI選手:いつもあたらせてもらって、いつもやり合っているというか、本当にむちゃくちゃ上手いので、いつもワーってなるんですけど、お互いに声を掛け合ったり、応援もし合っていて、本当にめちゃくちゃリスペクトしているので、お互いに出し切ろうという気持ちが多分一番大きいと思います。私はいつもそう思っていますけど、自分ができることをやって、ベストが出せたらいいなという気持ちでありがたいです。一緒にスポーツの活動をさせてもらって、年齢も全然違うんですけど、すごい勇気をもらうというか、頑張っている姿を見ると、自分もすごい頑張ろうって思える。

 

豊原キャスター: AYUMIさんの代名詞と言われているのが、オリジナリティーあふれるフットワーク。今日も独創性のジャッジでポイントを結構取っていましたが、その辺りはどんなことを意識して生まれてくるのですか?

 

 

AYUMI選手:あまりどうやってというのはないですが、でも自分がワクワクすることをダンスで表現したいというのはいつも思っていて。なのでそういうのが自然に自分のスタイルを作り上げてきたのかなというのは、今になって思います。

 

中川キャスター:“お掃除スタイル”というのがあると。

 

AYUMI選手:“お掃除スタイル” 私がそんなふざけたことを言っていまして。(笑) 

 

中川キャスター:お掃除からインスピレーションを受けたのですか?

 

AYUMI選手:そうです。ブレイキンは、自分で名前を付けるんですね。もちろんフリーズなど決まった動きはいっぱいありますが、それ以外の自分の動きをみんな“ネタ”と呼んでいて、自分で勝手に名前を付けたりできるんです。それで私はいろいろ名前を付けたり、ダンスじゃない部分の人の動きでインスピレーションをもらって、ムーブを考えたりしたことがありまして。いつもではないですけど、私が言ったことで、よくみんなに「お掃除なんだね」って言われるんです。いろんなところからインスピレーションをもらっています。

 

中川キャスター:今回、村上(茉愛)さんは会場に取材に行っていたんですよね。

 

村上茉愛さん:昨日(2月18日)ブレイキンの会場に行かせていただいて、初めて生で観戦したのですが、目がハートになるような、釘付けになりました。

村上茉愛が会場で生観戦 注目した選手とは

 

村上さん「聞こえます、声?めっちゃ大きいですね 音楽」

 

体操選手顔負けのアクロバティックな技で盛り上がっていた会場。その中で一人、異彩を放つダンサーがいました。36歳のベテラン、NORIこと菊地教稔(のりとし)選手です。

 

 

その動きには、独特な緩急があります。例えば、床でゆっくりリズムを刻むところから一転、スピード感のある動きへ。もう1つの特徴は、遊び心です。相手は若手の注目選手、ダンサーネームLIL‘BOMこと内山怜音選手。身体能力を活かした回転技で、勝負を仕掛けてきました。それを超える印象を残したのがNORI選手。

 

 

帽子を足に挟んで、上にポイっと投げてキャッチ。私(村上)が見ている中で、こんな変わったことをしたのはNORI選手だけでした。

 

 

NORI選手「一瞬5秒見られただけでも、その人って分かるようなダンスを掘り下げるのが楽しみの1つ」

 

さらに驚かされたのが、踊っている最中にバンダナを落としてしまったとき。パフォーマンスの一部として演技を続けました。

 

 

村上さん:ハプニングなわけじゃないですか。でもそれを、自分の演技のように使っていかにも「余裕」という感じを出してくるのがかっこよかったなと思いますね。ただ難しい技をやればいいんじゃない、感性豊かに音楽をもっと感じてやるのがブレイキンなんだというのが伝わってきた。

 

 

村上さん:Shigekix選手は準決勝で実際にNORI選手と戦ってみていかがでしたか?

 

Shigekix選手:今VTR でもおっしゃっていたように、遊び心があったり、独創性があったり、周りとはひと味違う戦い方だったり踊り方をする。NORIさんの踊りはやっぱり唯一無二で、すごくいろんな人の心を掴むダンサーなんじゃないかなと僕も思います。

 

 

豊原キャスター:準決勝では、結果2-0で勝利されましたが、独創性に対してそこで勝負する、あるいはタイプが違うから自分は違うところで勝負する、そういった作戦面みたいなところは影響したりしますか?

 

Shigekix選手:僕が持っていないものをNORIさんが持っていたり、NORIさんが持っていないものを僕が持っていたり。NORIさんと僕だけに限らず、どの対戦相手もそういうことはあると思うのですが、そこは本当にバランスですね。あくまで自分の良さというのは失わないようにしつつも、相手の強みを理解しながら、多少は自分がどう戦っていくかと戦略も変えていけたら一番ベストかなと。でも、あまりにも相手に合わせすぎてしまうと自分の良さを失ってしまうので、そこは本当難しいところなんですけど。だからこその面白さかなと思いますね。

ブレイキンの選手は「みんな仲良し」

 

 

中川キャスター:バトル中は相手と挑発のジェスチャーをしたりコミュニケーションをとっていますが、終わったら笑顔で抱き合ったりしていて、そういう心の揺れ動きみたいなのはバトル中どんなふうに感じていますか。

 

AYUMI選手:バトル中はバトル!って感じで、もちろんジェスチャーとかいろいろあるんですけど、終わったらもう本当にお互い「よくやった」「ありがとう」という気持ちでいつも絶対みんなハグがあるよね。

 

Shigekix選手:そうですね。ステージ上ではライバルですけど、ステージ降りたら戦友という感覚でリスペクトは第一にあるという感じですかね。

 

AYUMI選手:みんな仲良し。

 

中川キャスター:そういうところが私たちも見ていて、ブレイキンの良さだなと感じますよね。

 

豊原キャスター:来年は、いよいよパリオリンピックですが、今後お2人は選考に関わる世界選手権など、国際大会にも出場されていくかと思います。今後に向けた抱負を最後に一言ずつお願いします。

 

 

AYUMI選手:まずは1歩1歩といつも思っていますので、次に来る大会で自分がパフォーマンスをする際にベストが尽くせるように、怪我なく迎えられるように頑張っていきたいなと思っています。

 

 

Shigekix選手:全日本(選手権)を迎えて、自分の踊りももちろんですし、結果を経てまた1つ成長できるんじゃないかなとそんな期待感もありながら、まだまだ改善点というか伸びしろしかないと思っているので。これからたくさん、いろんな良いことも悪いこともあるとは思うんですけど、1つずつ噛みしめながら、1歩1歩進んでいけたらなと思っているので、引き続きブレイキンだったり、僕だったり、興味持ってもらえた方は応援していただけたらうれしいなと思います。

 

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