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特集 カーリング日本選手権2023見どころは?【男子】

カーリング 2023年1月28日(土) 午後3:37

男子の注目ポイントは?

田中:女子の見どころに続いて、男子について伺っていきます。前回王者がSC軽井沢クラブ。ベテラン2人(※山口剛史選手と小泉聡選手)の涙に、栁沢(李空)選手も何か引っ張られて涙涙のシーンが、ついこの間だったような感じがしますけれども・・・

 

谷田さんは、パンコンチネンタル選手権(※国際カーリング連盟主催の大会。アジア太平洋地域とアメリカ大陸の国と地域が出場)に、一緒に行って近くで見ていた部分もありましたし、実際に試合にも、5試合出たんですよね。

 

SC軽井沢クラブ(左から)栁澤李空、山口剛史、山本遵、小泉聡

谷田:5試合ですね。チームの中は、その大会期間しか見てないですけれど、本当に潜在能力の高いチームだなとやっぱり感じましたし、まだまだ発展途上のチームだなっていうのが正直なところです。あれから数か月たちますので、その潜在能力をどれだけ成長させて大きいチームになっているのかなと、非常に楽しみにしています。

 

田中:SC軽井沢クラブは、シーズンインしてから日本の大会に出ないでカナダに行って、向こうに4か月くらいいたんですよね?

 

谷田:そうですね。

 

田中:これ相当なことですよね?

 

谷田:相当だと思います。正直みんなきついって言ってて(笑)。早く帰りたいみたいなことを言ってて、だけどあなたたちが選んだんでしょ、頑張ってって言って(笑)。本当にそれぐらいタフな合宿を過ごしたんだと思います。

 

市川:ツアーでかなり好感触を掴んでいた中で、大きい舞台がわからない選手、経験がなかったと思うんですけれども、それを経験して次に日本選手権へ出た時には、今さっき谷田さんがおっしゃってたように潜在能力という点で、バージョンアップしてるんじゃないかなっていう期待をしています。

 

田中:なるほど、はい。

 

市川:わたしは、対抗はTM Karuizawaだと思っています。TM(Karuizawa)には、圧倒的スキップの両角(友佑)選手がいて、かなり良いショットメイクをしていた松村雄太選手がいるという、その2人がそろっている強さというのがありますね。SCの場合、栁沢(李空)選手なんかは結構、自分が引っ張っていくタイプではないようにわかりますし、山口(剛史)選手もあんまりそういうタイプではない。みんなで、調整していくチームだと思ってるんですけども、その差がどうかなというところが、私の中ではちょっとポイントですね。

 

谷田:山口選手は引っ張っているように見えるかもしれないですけど、意外とチームを自由にさせてるなという印象で、上の2人がガチガチ引っ張っていってるのかなって言われるけど、意外とそうではないかなと。ただ私生活の部分では、やっぱり2人がしっかりないと、寝坊をしたりする選手がいたりするので(笑)、そういった部分では、お父さん役な一面もあるかもしれないですよ。氷上の話で言うと、意外と栁澤選手が、かなりリーダーシップというか、自分の考えを強く氷の上で表現している部分をここは感じましたので。氷の上では意外とそんなことはないかなと思います。

 

田中:今大会の男子の大きなトピックの1つが、TM Karuizawaに谷田さんのチームメートでもあった松村(雄太)選手が加入して、両角友佑選手とどんな融合をするのか、カーリングファンもこの舞台で見られるのを、とても楽しみにしていると思います。谷田さん、どうですか?

 

TM Karuizawa(左から)両角友佑、松村雄太、宿谷涼太郎、岩井真幸、両角公佑

谷田:どういうパフォーマンスをするんだろうというのが本当にすごい未知数で楽しみです。去年の夏の大会を僕もちらっと見た時には、まだチームとして完成されていないというか、いろんな事を試しながら進んでるなという印象を受けていたんですけれども、シーズン後半に差し掛かって、ある程度ポジションを固定し始めたなという時期から調子よさそうに見えてますので、それを日本選手権でどういう形で発揮するのか、そしてどれぐらい勝つのかというの本当楽しみにしています。

 

田中:市川さんは、松村選手同じ年として、古くから知る間柄ですけれども、この移籍はやっぱり驚かれました?

 

市川:驚きでしたね。松村選手はスキップで行くのかなと思ってたので、どういうポジション編成になるんだろうというのを楽しみにしてたんですけど、サードでしたね。松村選手って、画面越しだとすごいクールに見えると思うんですけど、谷田さんもちろん知ってると思うんですけど、すごくコミュニケーション能力に優れた人なので、私が見てるかぎりTMの、両角友佑さんと他の3人との距離みたいなのを縮める役割をしていて、そこが上手くチームとしてまとまったシーズンになっているんじゃないかなと思っています。

 

田中:谷田さん、その辺りはスキップ・松村雄太選手のもとでやっていた中で、松村選手がサードに入ってのTM軽井沢というのは、どうお感じですか。

 

谷田:間違いなく日本の男子トップカーラーの1人がサードという・・・本当に強いチームにはいいサードありと言われるぐらいのポジションにその選手が加わったというのは、やっぱり昨年までとは大きく別のチームに変わっていると思いますし、松村選手の強みでいうと、やっぱりドローショットというのが1つありますので、そこで両角(友佑)選手の前で、そのドローショットでチャンスを作れれば、大会を通して本当に安定して勝てるようなパフォーマンスを、チームとして出せるんじゃないかなと見ています。

 

田中:男子はその他どうでしょうか。去年の準優勝札幌国際大学。それから、北見協会。谷田さんの元チームメートの相田(晃輔)選手も加わりましたが、この辺りはどうですか。

 

北見協会(左から)平田洸介、臼井槙吾、目黒良太、三浦善也、相田晃輔

谷田:そうですね。個人的にすごく注目しているのがその北見協会で、元チームメートが非常に多いんです。臼井(槙吾)選手も僕大学時代ずっと一緒にやった選手ですし、相田選手も加わりましたし、三浦(善也)選手も同世代ですし、同世代というか一緒に学生時切磋琢磨していましたし、平田(洸介)選手は、一緒にユニバーシアードに出場していますし。目黒(良太)選手は僕の大学の後輩というところで、非常に関わりの深いメンバーが多いチームなので、非常に注目しています。毎年北海道選手権を優勝するチームというのは、かなり上位に食い込むチームが多くて、特に決勝まで残るチームが多いので、非常に楽しみです。

 

田中:今年ワイルドカードに谷田さんの古巣、コンサドーレは回りましたが、ここへの期待というのはどうでしょうか。

 

コンサドーレ(左から)清水徹郎、大内遥斗、阿部晋也、敦賀爽太、鈴木実倫

谷田:コンサドーレは、若い選手が入ったというところで、まだそれこそ発展途上というか、まだチームとして熟成し切っていないシーズンではありますが、それでも一番激戦ブロックといわれている北海道選手権で、準優勝まで上り詰めたというところで、やっぱり力はあるのかなと見ていますし。ワイルドカードで勝ち上がって出てきたら、氷の外からちょっと早く見たいなと思うチームです。

 

田中:そうですか。市川さんはありますか。男子でほかは。

 

市川:そうですね。やっぱワイルドカード、コンサドーレは上がってくると思うんですけど、若手の育成中なのかなという印象はあります。あとワイルドカードって2チームですよね?

 

田中:2チームです。

 

市川チーム市村が上がって来ると、スキップの市村選手は、もうはるか昔のビクトリアス(※90年代後半から2000年代前半にかけて活躍した長野県のジュニアチーム、日本選手権4連覇、世界選手権にも2回出場)時代からの日本選手権への復帰になるので、ちょっと面白いなと。

 

チーム市村(左から)市村尊則、園山大介、山本聖二、山本弥輝

田中:男子の優勝争い、力関係は、SC軽井沢クラブとTM Karuizawaがちょっと、抜けた2チームという感じでしょうか。

 

市川:3チームですかね。札幌国際大学が並んでくるかなと思ってます。

 

田中:絡んでくる。

 

市川:札幌国際大学もこのメンバーで結構長くやってるので、チームとして完成されてきていて、パワーもありますよね。スキルも戦術もトップレベルなので、ちょっと勢いに乗るとそのままピュッといくんじゃないかなというふうに思ってます。

 

札幌国際大学

谷田:札幌国際大学は、僕今年の大会はちょっと日本選手権難しいんじゃないかなと思っています。というのも今、冬季ユニバーシティゲームズ(※1月21日まで開催)に行ってるんですよね。アメリカに。それでこれから帰ってきて調整となると、やっぱりちょっと大会に向けてはなかなかコンディション上がってこないかなと。僕はSC軽井沢クラブ、北見協会、コンサドーレ、TM Karuizawa。1位予想はSCで、その下3チームがちょっと分からないという感じですね。

解説お二方の「推し選手」は?

田中:今大会の展望をここまで伺ってきましたが、ここで少しマニアックな見どころを・・・ここまで名前があがらなかったけれども、ぜひ注目してほしいおすすめチーム、おすすめ選手はいますか。

 

谷田:おすすめ選手?難しいーー!(笑)

 

田中:そうですか・・・では、スイーパー谷田選手が一目置く、ほかのチームのスイーパーは?

 

谷田:一目置く・・・一緒にやった選手でいうと、山本(遵・SC軽井沢クラブ)選手。16歳になったのかな。16歳であれだけ掃けるのは、フィジカル強いなと近くで見て思いましたね。もちろん山口選手はもう言わずと知れたトップスイーパーで、やっぱり健在だなっていうのを目の前で見てきましたけれども、地味にやっぱり山本選手もいいスイープするなと僕は思いました。

 

田中:筋肉部にスカウトしますか?

 

谷田:ちょっとまだぜい肉が多かったですけど(笑)。もうちょっと筋肉がついたらスカウトしようかなと思います。

 

田中:そうですか(笑)。市川さんは、どうですか。サード注目選手、この人今伸び盛りだよとか。

 

市川:そうですね。ちょっとサードじゃないんですけど、個人的に北海道銀行の中島未琴選手は、注目しています。パッと周りを明るくする雰囲気を持っていたりとか、今のカーリングを象徴している雰囲気を持って、伸びている選手だなというふうに思っています。私と食べ物の好みが似ているんじゃないかと思っているので(笑)、いつかご飯に行きたいなと思っています(笑)。

 

田中:お二人とも、きょうは本当にありがとうございました。テレビ中継の解説もよろしくお願いします。

 

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