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特集 アメフト甲子園ボウル 初優勝を目指す早稲田大 関西学院大は5連覇を狙う

その他のスポーツ 2022年12月15日(木) 午後7:08

アメリカンフットボールの大学日本一を決める甲子園ボウルはことしで77回目。甲子園球場を舞台に12月18日(日)に行われます。

 

全国8つの連盟の代表校によるトーナメントを勝ち抜いた関西代表の関西学院大ファイターズと関東代表の早稲田大ビッグベアーズの顔合わせ。関西学院大は7年連続56回目、早稲田大は3年ぶり7回目の甲子園ボウル出場。関西学院大は甲子園ボウルで4連覇中。一方の早稲田大は悲願の初優勝を目指します。

早稲田大 悲願達成のカギは攻撃陣の奮起

早稲田大が練習する東伏見グラウンド(東京・西東京市)

まずは早稲田大からです。練習の取材に行ったこの日、近郊のキャンパスから授業を終えた学生が続々とグラウンドに集まってきました。平日の全体練習は午後6時からの3時間ほど。気温10度を下回る寒さの中、時間を大事にしながら約140人の選手に加え、スタッフとコーチあわせて40人ほどが統率の取れた動きで基本から細かいプレーまで練習している姿が印象的でした。初優勝に向けて選手からは「俺たちが歴史に名を刻もう!」という声が飛んでいました。

 

関東学生リーグで1試合平均38.4得点をあげた早稲田大。勝利のカギを握るのは高い攻撃力です。その中心は司令塔のクォーターバックの國元孝凱選手(3年)です。

全日本大学選手権の東北大戦でプレーする國元選手(2022年12月4日)

國元選手はやはり早稲田大でアメリカンフットボール部だった父の影響で競技を始め早稲田大の付属校に進学。早稲田大が甲子園ボウルに出場した時は毎回のように甲子園球場に観戦に行くなど、父が果たせなかった大舞台に立つことを目標にしていました。

 

クォーターバックの國元選手

「肩の強さと勝負どころで精度の高いパスを投げて勝利につなげられる点が持ち味」と話す通り、冷静な判断から強くて速いパスを次々と投げていきます。チーム初の甲子園ボウル勝利に導くプレーができるでしょうか。

 

その國元選手が一番信頼を置くパスターゲットが、ワイドレシーバー(パスをキャッチするポジション)の佐久間優毅選手(4年)です。

俊足が1つの持ち味 佐久間選手

40ヤード(約36.6m)を4秒55で走る俊足を生かしフィールドを縦横無尽に駆け回ります。そして1m81cmの長身で手を目一杯伸ばし、難しいパスを次々とキャッチしていきます。「甲子園ボウルはオフェンス(攻撃)で圧倒したい」と意気込んでいます。

関西学院大 強固なディフェンスで立ち向かう

関西学生リーグの関西大戦 関西学院大のタックル(2022年11月13日)

早稲田大持ち味のパスが通るかどうか、関西学院大には立ちはだかる大きな壁がいます。守備の最前線に位置するディフェンスラインのトゥロター ショーン礼選手です。今シーズン3年生ながら関西学生リーグの最優秀選手に輝きました。父がオーストラリア人、関西生まれ関西育ちのトゥロター選手は身長1m88㎝で体重100kgと大柄ながら非常に速い動きが特徴。行く手を阻む選手をはね飛ばし、ボールを持つ選手をタックルしたり最前線の選手ながらパスにも対応して奪い取ったりして相手の攻撃をつぶします。「スピードと手の長さを生かしたプレーが特徴。まだまだ成長していきたい」とどん欲です。

 

ディフェンスラインのトゥロター選手

関西学院大はトゥロター選手を中心に今シーズンはリーグ戦で1試合平均でわずか9失点と強固なディフェンスが光りました。早稲田大のクォーターバック、國元選手は「トゥロター選手に襲いかかられても、かわす練習など対策を練っている。みずからを守ってくれるオフェンスラインの選手とともに戦い抜きたい」と闘志を燃やしています。

 

早稲田大は2002年の初出場以来、過去6回は関西勢の厚い壁に阻まれてきました。2015年はラストプレーのフィールドゴールのキックが届かず立命館大に1点差で惜敗。直近の出場となる3年前は1点リードで最終の第4クォーターに入りましたが、関西学院大に逆転敗けを喫しました。

 

早稲田大の悲願の初優勝なるか。それとも関西学院大が甲子園ボウルの記録に並ぶ5連覇で33回目の優勝を果たすのか。NHKでは注目の一戦を12月18(日)午後1時からBS1で生中継します。ぜひご覧ください!

 

 

この記事を書いた人

星野 圭介 アナウンサー

星野 圭介 アナウンサー

2000年入局 新潟県出身

プロ野球などスポーツ実況を中心に担当

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