ストーリー野球

ソフトバンク高橋礼 「僕のアンダースロー論」

2020-02-21 午後 03:27

ソフトバンクの高橋礼投手。2月のキャンプでは負傷で回復に努めていますが、チームの先発投手として、さらにオリンピックの日本代表としても期待されています。2年目の昨シーズン12勝を挙げて日本一に貢献。パ・リーグ新人王を獲得し、日本代表で出場したプレミア12でも存在感を示しました。その投球フォームは、今の球界では珍しいアンダースロー。なぜこのフォームに行きついたのか。ピッチングのポイントは。強い自負とプライドを秘めた「アンダースロー論」を語ります。

速球派のアンダースロー

宮崎市でのソフトバンク春季キャンプ。高橋投手は大変な人気を集めていました。長身で端正な顔立ちに、「礼くん!」と歓声を上げる女性ファンの姿も目立ちます。その人気も、昨シーズンの大活躍があってこそ。

昭和には山田久志さん、平成には渡辺俊介さんや現在楽天の牧田和久投手など、時代ごとに存在感のある投手が現れてきた「アンダースロー」のピッチャー。高橋投手は、令和になりスターダムを駆けあがった新時代のアンダースローと言えるかもしれません。

 

 

アンダースローというと、速球よりも変化球や投球術を武器にした技巧派のイメージが強いですが、高橋投手の武器は地面からはい上がるような140キロ台の速球。これにスライダーやカーブなどの変化球を織り交ぜ、最大40キロ差の緩急で打者を翻弄します。

高橋礼投手

「まっすぐの強さが僕の武器、それがベースです。やっぱり腕を振らないことにはバッターは怖さを感じないと思ったので、今は強いボールを求めてやっていますね。」

きっかけはバント処理の練習

高橋投手も、野球を始めた当初はオーバースローでした。フォーム変更のきっかけは中学生の時。チームの4番手ピッチャーだった高橋投手が、バント処理の練習をしていた時のことでした。送球の際、腕を下げてスナップスローをした高橋投手。その姿を見たコーチが投球フォームの変更を勧めてきました。

 

 

そこから少しずつ自分なりのアンダースローを磨き、大学時代にはユニバーシアード日本代表に選出。プロ野球選手への道を切り開いてきました。アンダースローで投げ始めて約10年。そのフォームについて質問を向けると、論理的かつ具体的な「アンダースロー論」を語ってくれました。

 

高橋投手

「速いボールを投げたいと思う時は、トップを高く取ることです。しっかりトップを作ったところから投げ下ろすイメージで投げています。」

 

高橋投手のフォーム。始動から188センチの体を沈み込ませつつ、長い右手を高く上げ「トップ」を作ります。そして右手を目いっぱいしならせるように投げ下ろし、同時に下半身のステップは右ひざがマウンドにつくほど深く踏み込みます。ボールをリリースするポイントが前になり、バッターにボールの威力をより感じさせることができているのです。

 

高橋投手

「リリースポイントについても、単純に腕を前に出しているわけじゃないんです。下半身が最後まで粘り続けて、バッターに向かって体が開かないように意識する。リリースポイント自体を前にするというよりは、体重移動ですね。大事なのは下半身が横を向いたまま粘り続けて投げること。それがベストです。」

1球1球にこだわる

昨シーズン、開幕から先発ローテーションの一角を担った高橋投手。しかし登板した23試合のうち完投は0。今シーズンは完投も増やしたいと考えています。

 

 

ブルペンでは、「内角スライダー」、「外角カーブ」というように、1球ごとに球種を変えてのピッチングを繰り返していました。そこには、1球1球の精度を上げることで無駄な球数を減らし、長いイニングを投げたいという狙いがあると言います。

高橋投手

「僕の場合、“このボールを投げた後は次の球がこっちに行きやすい”というようなクセがあるので、それを修正しないといけません。狙ったところに行けば1球でしとめられるのに、そこに投げきれずにボールになったらもったいないじゃないですか。」

アンダースローのプライド

オーバースローでは芽が出なくても、アンダースローに変えたことでブレークし、今では日本代表としての活躍も期待されるまでになった高橋投手。自身の活躍が、世間の評価や野球少年たちの未来も変えるかもしれない。インタビューでは、アンダースロー投手としてのプライドをのぞかせました。

高橋投手

「アンダースローにする事は、もう後戻りできないぐらい覚悟のいる事です。僕はアンダースローで駄目だったら野球ができない、野球人生終わりだなと。それぐらいの覚悟を持った人だけができることだと思う。」

 

高橋投手

「自分が活躍して東京オリンピックにも出て、しっかり結果を残せば、みんな『アンダースローってすごいな、やってみたいな』と思うんじゃないでしょうか。そうしたいい影響は与えていきたいなと思います。」

 

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