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特集 大鵬の孫 王鵬 朝青龍のおいとの一番制しトップに並ぶ

相撲 2022年11月24日(木) 午後10:22

横綱不在で混戦となっている九州場所12日目。

 

もっとも会場を沸かせたのは平幕の王鵬だった。

 

前頭13枚目ながらここまで2敗と好調の王鵬がこの日対戦したのは1敗で単独トップの関脇・豊昇龍。

 

王鵬の祖父は昭和の大横綱、大鵬。

 

豊昇龍のおじは元横綱、朝青龍。

 

元横綱の系譜を受け継ぐ両者の一番は番付では大きく下の王鵬がはたき込んで勝ち、会場はどよめきと大きな拍手に包まれた。

王鵬

立ち合いを大事にと思って。めちゃめちゃいい立ち合いができた。勝ちたい気持ちは誰に対しても常にあるが、気合いは自然と入った。

自然と気合いが入った理由は優勝争いに絡んでいるからだけでなかった。

 

22歳の王鵬と23歳の豊昇龍は学年は同学年で高校時代からしのぎを削り、平成30年の初場所で初土俵を踏んだ同期入門とライバル関係にあった。

 

これまで序ノ口と幕下で1回ずつ対戦し、序ノ口では王鵬が、幕下では豊昇龍が勝っている。

 

互いの存在について、王鵬は「番付が違うので特に意識していない」と話し、豊昇龍も「気にしていない。1日一番、大事にしていきたい」と相手への意識はあまり口にしないが、期待の若手2人の幕内で初めての対戦に会場からは熱い視線が注がれた。

 

立ち合い、豊昇龍が低く頭で当たってきたのに対し、王鵬も負けじと踏み込んで相手を一歩下げた。

それでも前に出てきた豊昇龍を王鵬がうまくかわしてはたき込んだ。

土俵下で見ていた佐渡ヶ嶽審判長は「豊昇龍は出足を使って一気に攻めようという相撲に見えた。でも王鵬が当たりもよかったし俵を回り込むようにうまく使っていた。見応えがあるいい相撲だった」と評価した。

 

幕内5場所目の王鵬はこれまで1場所で8勝したのが最高。

 

2場所で11日目から5連敗を喫するなど終盤戦の失速が目立っていたが、豊昇龍を単独トップから引きずり降ろし自身がトップに並ぶ価値ある白星を12日目にあげた。

王鵬

小さいころから夢見ていた上位の土俵で相撲を取れてそれで優勝に絡んでいけるのはすごくうれしいし、自分は「楽しい」がいちばん勝っている。

優勝争いに自分の名前が挙がる展開に「燃えるし毎日すごく楽しい」と気負いなく土俵に上がっている。

 

祖父で優勝32回の大鵬は昭和35年の初場所に新入幕を果たしその年の九州場所で初優勝した。

初めての優勝賜杯を手に笑顔を見せる大鵬(昭和35年)

王鵬の新入幕はことし初場所。

 

昭和の大横綱の系譜を継ぐ22歳が偉大な祖父と同じ道をたどって初めての優勝を果たせるか、九州場所は残り3日だ。

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この記事を書いた人

持井 俊哉 記者

持井 俊哉 記者

平成26年NHK入局

北九州局を経て、スポーツニュース部。小1から剣道をはじめ、現在、5段。「打って反省、打たれて感謝」をモットーに何事にも謙虚に誠実にチャレンジすることを目指す。

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