特集 サッカー日本代表専属シェフ W杯カタール大会も"料理"でサポート

ワールドカップ開幕まで約1か月。日本代表を食で支えるスタッフをサンデースポーツ中川安奈キャスターが取材してきました。
日本代表の食を支えて19年
福島県いわき市。こちらの施設の中にその方がいらっしゃるという事でいきましょう。
西シェフ:サッカー日本代表専属シェフの西です。海外に行った時のご飯、朝昼晩と作っております。
日本代表を支えて19年目の西芳照さん。ワールドカップは2006年のドイツ大会から今回で5大会連続になります。
長期の海外遠征ではおよそ1か月半選手スタッフ合わせて60人分の食事を作ります。
選手の要望に合わせて、目の前で仕上げるのが西さん流です。
中川キャスター:選手たちから人気のメニューはありますか。
西シェフ:人気のメニューはやはりパスタですかね。中でも一番人気なのはペペロンチーノですね。
パスタなどの炭水化物は90分間走り続けるエネルギー源となるため、勝利のために欠かせない栄養素です。
西シェフ:これ作って勝ってくれたら嬉しい。料理の方から選手をサポートして、後押し、力になるようにがんばっています。おいしいねって言ってくれるのがいちばんやりがいある。
今年1月に60歳になったときには西さんを慕う選手たちからこんなプレゼントが。
かつての代表選手も含めてコメントが寄せられました。中澤さんとの出来事もよく覚えてらっしゃいました。
西シェフ:中澤さんは辛いのが大好きですね。ねえ中澤さん。「冷めたパスタでもいいから、それ(冷めたパスタ)僕食べる」と。僕は温かいもの食べてほしいんですけど、「苦労して育ったからそんなの何でもないから、それ僕食べる。」と(中澤さんと)取り合いになった、「ダメだ」って。
カタール大会に持っていく新メニューとは?
今、西さんは中東で初めて開催されるカタール大会へ向けて新しいメニューを考えています。イスラム教の戒律のため、疲労回復に効果があるビタミンB1を多く含む豚肉は持ち込むことすらできません。そこで目をつけたのがうなぎです。豚肉と同じくビタミンB1を多く含んでいます。
西シェフ:国によって制約がありますので、ルールに従ってやらなければいけない。
この日、試作していたのはうなぎを卵で包む“う巻き”です。
西さんに勧められて、“う巻き”作りに挑戦しました。
中川キャスター:巻きます。熱い。どうやって...。
西シェフ:大丈夫、熱くない。手前に。
中川キャスター:手前に?これ難しいですよ。
西シェフ:支えながら。
中川キャスター:こんな動きしたことがない。
西さんの指導のおかげで、少しコツが分かってきました。
西シェフ:そうそう。
中川キャスター:やったーできました。
なんとか完成した“う巻き”。西さんの反応は?
西シェフ:おいしい。
中川キャスター:カタール大会でも、“う巻き”を出していかれると?
西シェフ:もちろんいきます。カタールに焼きに来ますか。
中川キャスター:私ですか?ちょっとまだ修行を積まないといけないので、今回は。
カタール大会へむけて
1か月後に迫ったカタール大会、西さんが必ず持っていこうとしているものがあります。アジア最終予選のオーストラリア戦の前日に選手からもらった還暦祝いの赤いキッチンコートです。
西シェフ:オーストラリア戦の試合の日に着て勝ちました。選手から「縁起のいい服になってよかったね」って言ってくださいました。選手の方からも本番これでお願いしますって言われました。
中川キャスター:そうなんですね。
西シェフ:選手の皆さんが喜んでくれる、栄養になる、食べてほっとする料理、そういう料理を作りたいと思います。
スタジオゲストの中澤さんの西シェフとの思い出
中川キャスター:中澤さん、西さんの味、思い出します?
中澤さん:覚えていますし、そのパスタの話もよく覚えています。ちょっと余っているパスタがあって、西さんにわざわざ作らせるのももったいないので、僕が「冷めているのでいいですよ」っていう、そのやり取りしたのも覚えていますね。ただ、“う巻き”は食べたいですね。
中川キャスター:中澤さん、是非最後に西さんにお願いします。
中澤さん:西さん、日本代表選手を支えてあげてください。絶対勝ちますんでお願いします。