特集 ヤクルト長岡秀樹選手~レギュラーつかんだ3年目 目指すは恐怖の8番打者~

2年連続の日本一を目指すヤクルト。
キーマンは高校卒業3年目にして守備の要であるショートのレギュラーをつかみ、リーグ連覇に貢献した21歳の長岡秀樹選手です。
長岡選手は千葉の八千代松陰高校からドラフト5位で入団した3年目。
去年までの2年間は計11試合の出場にとどまりましたが、今シーズンはオープン戦の後半で猛アピール。
開幕戦で先発出場を果たすとショートのレギュラーをつかんで139試合に出場。
交流戦以降は主に8番で起用され打率2割4分1厘、ホームラン9本、48打点をマークし、チームのリーグ連覇に貢献しました。
まずはケガなく1年間やりきれたことはすごくうれしいしよかったが、まだまだ成績を残せた。ひとつも満足していないし、もっともっとやらないといけない気持ちが強くなった。
こう控えめにレギュラーシーズンを振り返った長岡選手。
確かに飛び抜けた成績を残したわけではありませんが、私はこの1年を通して長岡選手が重要な場面で活躍していた印象が強く残っています。
それはデータにもあらわれていました。
長岡選手がマークした殊勲安打(先制、同点、勝ち越し、決勝)は合わせて12。
これは4番・村上宗隆選手(32※12球団トップ)。3番・山田哲人選手(22)。1番・塩見泰隆選手(15)に次いでチーム4位の成績です。
去年のリーグ優勝と日本一を支えた選手たちに交じって結果を残していました。
自分から積極的に仕掛けられている。チャンスでは『打てなかったらしかたない』と考えられていたのがよかったと思う。打点も意識していたし、相手にとって“怖い8番”だと思う。
ポジティブ思考を継続させたことが、ここ一番の場面に強い理由だったと教えてくれました。
勝負強さが際だったのが9月9日の広島戦です。
4対4の同点で迎えた6回、ツーアウト一塁の場面で長岡選手はエース・大瀬良大地投手と対戦。
カットボールを初球から2球続けて空振りして追い込まれましたが、次のストレートを見極めてボール。
このあと、低めのフォークボールとカットボールには食らいついて、ファウルで粘りました。
そしてワンボールツーストライクからの6球目、インコースの速球を思い切って振り抜き、打球はライトスタンドへ。
決勝点となるツーランホームランでした。
広島の大瀬良投手から決勝ホームランを打つ(2022年9月9日)
(打ったボールは)速球がくると思っていた。フォークボールがきたらしかたないと思って。うまく割り切れたかなと思う。ことしはエース級のピッチャーから打てた。何が変わったのか分からないが成長したと思う。
3年目で初めて臨むクライマックスシリーズ。
長岡選手は切れ目のないヤクルト打線で”恐怖の8番打者”になり、相手の前に立ちはだかり、チームを日本シリーズに導こうと意気込んでいます。
『この8番は生きがいいな、すごく生き生きしているな』と思ってもらえるスイングができれば。セ・リーグの優勝チームとして必ず日本シリーズに行って、日本一になることが目標。必ず勝ち抜きたい。