特集 阪神 原口文仁選手~執念のバッティングで下剋上日本一に導く~

レギュラーシーズン3位からクライマックスシリーズに挑む阪神。
カギとなるのはシーズン終盤から5番に座る原口文仁選手です。
得点圏で脅威の打率5割!
9月11日の中日戦、18日ぶりに先発出場した原口選手。
先制のタイムリーヒットを打って勝利に貢献すると、クライマックスシリーズ進出へ瀬戸際だった28日のヤクルト戦では1対1の8回に決勝タイムリーを打ちました。
9月以降の得点圏打率は5割。勝負強いバッティングで、今シーズンあと1本が出ない攻撃が課題だったチームをクライマックスシリーズ進出に導きました。
決勝タイムリーを打った試合後、ファンにあいさつ(2022年9月28日のヤクルト戦)
打席のなかでいい緊張感と集中を保てている。
好成績の要因にあったものは?
勝負強いバッティングにつながった要因の1つがフォームの変化です。
9月に入って、これまでよりもひざを曲げて上体を低く構え、バットを耳のあたりまで寝かせるようになりました。
最短距離でボールを捉えるためです。
反省点や課題を突き詰めていった中で、バットを出すタイミングや捉えるポイントが一致することがすごく多くなった。
試練を乗りえた先に…
病気の経験も野球に対する姿勢を変えました。
3年前に大腸がんの手術を余儀なくされた原口選手。
当時「野球をできるかどうかの前に生きていけるかを考えた。死というものを身近に感じた」と語っていました。
懸命なリハビリを行い、手術からわずか4か月あまりで1軍に復帰して、サヨナラヒットを打つなど見事復活。
さらにこの年のオールスターゲームでは2試合連続でホームランを打ちました。
サヨナラヒットを打ちチームメートに祝福される(2019年6月9日の日本ハム戦)
試合に向けた全体練習の前、どの選手よりも早くグラウンドに姿を見せ、ひとり黙々と準備を行う原口選手。
練習でも野球ができる幸せをかみしめながらやれる準備はやり尽くす。
それが執念となり、プレーに現れています。
『後悔しないように』というのはやはり感じるようになった。環境や周りのせいにするのではなく、自分でできることや、やれることをとことんやって日々を過ごしている。
1点の重みがより大きくなる短期決戦。
執念を持って打席に立ち続ける原口選手の勝負強いバッティングに期待です。
チャンスで打点をあげられるバッティングをし、目の前の1試合を勝ちきれるようなプレーをしたい。