特集 DeNA 牧秀悟選手 4番として泥臭く打点でチームに貢献

DeNAはレギュラーシーズン2位から逆転での日本シリーズ進出を目指し、クライマックスシリーズに臨みます。
キーマンは牧秀悟選手。今シーズンは2年目ながら出場したすべての試合で4番を務めチームをけん引しました。
球団史上62年ぶりの大役
牧選手は今シーズン、球団では大洋時代の昭和35年の桑田武選手以来、62年ぶりにプロ2年目での開幕4番を務めました。
相手投手の厳しい攻めにあいながらも、ホームランと打点で自己最多を更新する活躍を見せました。
中でも、シーズン前からこだわっていた打点は昨シーズンに比べて「16」増えました。
インコースを多く使われるなど去年と全然攻められ方が変わり、ちょっとした打撃のズレが出たりしたが、こだわっていた打点が去年の数字より上回れたのでよかった。
苦手克服も新たな課題が…
牧選手は昨シーズン、カットボールの打率が2割5厘、ツーシームの打率が2割2分2厘と、小さく動く変化球に対して結果が残せませんでした。
それが今シーズン、カットボールは3割4分、ツーシームは3割2分6厘と苦手としていた2球種を克服しました。
この要因について、牧選手はボールをより引きつけて体の近くのポイントで打ったことで、小さく変化したあとに捉えることができるようになったと分析しています。
その一方で、去年3割以上打っていたフォークボールなどの落ちる変化球は2割9厘と結果を残せませんでした。
追い込まれる前に打てればよかったが、ボール球を振ってしまったり、手を出したりしたことが多かった。
クライマックスシリーズで対戦する阪神とヤクルトには、フォークボールやスプリットなどの落ちる変化球を得意とするリリーフ投手が多くいます。
試合終盤の大事な場面でこの球を攻略しなければ、牧選手のこだわる「打点」でのチームへの貢献が難しくなります。
そうした中、落ちる変化球への攻略の糸口が見えた試合がありました。
9月29日の中日戦、5回のワンアウト二塁三塁の場面での打席でした。
中日先発の高橋宏斗投手のスプリットに対して、体は三塁側方向に開いてしまいましたが、バットの先になんとか当ててライト前に落とす2点タイムリーヒットを打ちました。
決してきれいなスイング、ヒットではありませんでしたが、「打点のためなら泥臭いヒットでもいい」と感じたといいます。
落ちる変化球を攻略してタイムリーヒットを打った(2022年9月29日の中日戦)
チームを勢いづけるにはすごくいいヒットを打つっていうことも必要だと思うが、打点を付けることでチームは勝利に向かっていく。そういう部分ではどんな形であれ、ああいうヒットが出てよかった。
初の短期決戦 終盤のチャンスに打ちたい!
プロに入って初めてとなるクライマックスシリーズ。
4番として少ない打席でチームを勝利に導く結果を残さなければいけない立場となりますが、経験がないからこそ、思い切ってプレーをしていきたいとポジティブに捉えています。
いろいろ重圧とか乗ってくると思うが、そこは今までやってきたことを変えずに4番として、終盤のチャンスでの一打っていうのはこだわってチームを勢いづけられるようにやっていきたい。