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特集 大相撲秋場所 玉鷲が2回目の優勝 “自分を信じて若々しい相撲を”

相撲 2022年9月29日(木) 午後4:00

大相撲秋場所で優勝した玉鷲がサンデースポーツに生出演しました。幕内最年長の37歳、2回目の優勝です。

 


 玉鷲関、改めて本当におめでとうございます。今の気持ちを聞かせてください。

玉鷲

今でも最高ですね。

優勝を争ったのは悲願の初優勝がかかる高安関でした。どんな気持ちでしたか?

玉鷲

やっぱり、相手も圧力があるし、元気に相撲とるし、こっちも負けてられないと思ってしっかりやりました。

 そして取組後ですが、高安関とこんなシーンがあったんですね。


 


力強い握手。この時の心境は?

玉鷲

今までいつも一緒に稽古して、感謝しています。感謝の心ですね。

玉鷲にとって2回目の優勝。37歳10か月での優勝は年6場所制では旭天鵬を抜いて最年長となります。
今場所の取組の内容について、サンデースポーツ解説の元横綱・白鵬の宮城野親方に聞きました。

 


親方が注目したのは対戦成績で負け越していた14日目の翔猿戦です。

宮城野親方

人間っていうのは勝てない相手、苦手と思うと腰が引くんですよね。

それを引かずに、これでいくんだってまっすぐ当たってひじの伸びがよかったですね、ひじが伸びた瞬間に、翔猿は土俵際ですよね。

自分を信じていったことが、最後の最後に、この千秋楽に元大関の実力者・高安に勝った相撲につながったと思いますけどね。

そしてサンデースポーツでおなじみの宮城野親方の採点チャート。今場所の活躍を受けてアップデートしてくれました。


 

もともと強かったパワーと突き押しに加え、自分の相撲を信じたメンタル、そして対応力を評価して、テクニックが5点満点となりました。

 

 この評価、そして宮城野親方の話。玉鷲関、どう思いますか?

玉鷲

改めて思ったらやっぱりそうですね。スピードちょっと遅いですけども。

宮城野親方の話にもあった場所終盤、まっすぐ出ていく、いわゆる電車道の相撲が出た理由は何だと思いますか?

玉鷲

1回迷ったら、段々と潰れちゃうんで。潰れないように。「自分の一番いいところは何だ」って、いつも自分自身に聞いて。それは「押していく電車道だ」と。それを出せばいいつながりになるんじゃないかと思いました。

そこに立ち返れたということなんですね。そして宮城野親方といえば、翔猿戦の前日、13日目の取組後に2人で話をしていました。どんなことを話したんですか?

 

玉鷲

この前の日に、若元春に負けた時に、なんでかたくなったのって。あそこでこうやって攻めればよかったのにって。そう教えていただきました。やっぱりすごく、優勝への圧力(重圧)がきつくなっていましたね。

そんなときに、宮城野親方に声をかけられていたんですね。

 

 

ここからは2つのテーマで、37歳・玉鷲関の強さの秘密に迫ります。

 

① 稽古は独特の形で

 玉鷲関、部屋の稽古では、なんと2人を同時に相手しているんです。これにはどういう意味があるんでしょうか?

 

玉鷲

やっぱりスピード、あと上半身。年を取るほど衰えるんで。
1人出したら後ろからもう1人に押さえられて。それにも負けないようにまた後ろに回ってとか。スピードも出さなきゃいけない。あと、そう簡単に出ちゃだめだし。だから、きついっすね。これ。

 今場所、土俵際の逆転がありましたが、こういう稽古が生きたのでしょうか?

玉鷲

もちろん。はい。すごく。

 ② 相撲界の”鉄人”

実は玉鷲関、最年長優勝はもちろんですが、この秋場所もう1つ記録を更新していました。

初土俵からの連続出場記録です。今場所終えて1463回連続出場となり、歴代3位となっています。

 

 

 長く取っていると、けがもあったと思います。これだけ出場を続けられるのはどうしてですか?

玉鷲

やっぱり、皆さんの熱い応援のおかげと思いますね。それにちゃんと応えなくちゃという思い・・・。

 談話の中では家族の話も出ていました。家族はどういう存在ですか?

玉鷲

そうですね。自分の場合、大きいですね。

勝って帰り、子どもが喜ぶ姿はすごく幸せになれますね。

 今後、どのような相撲人生を送りたいと思っていますか?

玉鷲

やっぱり先ほど言った、自分のことを信じて信念持って、お客さんからいい戦いだなと思ってもらえるような相撲をしっかりとりたいなと思います。

 いつまでも若い、心と体で?

玉関

はい。若手に負けないように、若々しい相撲を取りたいと思います。

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