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特集 逸ノ城 大相撲秋場所を前に 初優勝の胸の内を語る

相撲 2022年9月6日(火) 午後2:03

逸ノ城は7月に行われた名古屋場所で初優勝し大相撲界の主役に躍り出ました。モンゴルから来日し入門から8年余りでの賜盃でした。これまで優勝のチャンスが2度ありながらも阻まれ、ようやく果たした初優勝の思いなどについて、元NHKアナウンサーで大阪学院大学特任教授の藤井康生さんが聞きました。

 

電話でインタビューする藤井康生さん

優勝が決まった瞬間は夢のよう

ーー優勝おめでとうございます。モンゴルの家族に連絡をしたと思いますが、様子はどうでしたか。


優勝が決まる時はみんなで集まってテレビで中継を見ていたそうです。近所の人たちも集まって(実家の)ゲルの中で盛り上がっていたそうです。

 

16歳のとき モンゴルで父親と(平成22年3月)

ーー優勝の瞬間はどんな気持ちでしたか。


優勝が決まった瞬間はうれしかったです。「やった!」と思いました。部屋の力士もみんな集まってきてくれていたので夢のようでした。

これからが大事 左上手を取る相撲に徹する

ーーこれから先、どんなところを目指していきますか。


これから先は一つ上の番付です。上には上がありますが、上の番付を目指して頑張っていきたいです。


ーーまずは大関ですね。


そうです。大関です。大関を目指して頑張ります。今回の優勝で満足せずに、これからが大事だと思っています。

 

寄り切りで宇良に勝つ(名古屋場所千秋楽)

ーー大関を目指すうえで改善点はありますか。


相撲を改善することはないです。踏み込んで左上手を取る。これだけを稽古していけたらいいです。ほかのことはできないです。


ーー得意の左上手を取って攻める相撲に徹するのですね。


そうです。入門してからこのことばかりです。これがいちばん大事です。

今回も優勝できないかと思った

ーー優勝を意識したのはいつごろですか。


横綱に勝って、さらに2大関にも勝っていたので、もしかしたらいけるのではないかと思いました。それで連敗してダメだなと思ってやり直すことにしました。

 

寄り切りで御嶽海に勝って6連勝(名古屋場所6日目)

ーー横綱にも勝って6連勝した時に、優勝が少し頭に浮かんできたのですね。


正直に言うとそうですね。でもそんなに甘いものではないと思って取り続け、結果がこうなりました。


ーー入門から8年半くらいですか。初めて賜盃を受け取った時はどう思いましたか。


優勝が決まって花道で表彰式を待っている時、本当に夢を見ているような感じでした。付け人とみんなでいると最高の気持ちになりました。


ーー何度かチャンスがありながら14勝1敗でも優勝できず、いろいろなことが頭に浮かんできたのではないですか。


何回か優勝争いをしましたが、もしかしたら今回も優勝できないかと思ったりもしました。

日本の皆さんに感謝  頑張って恩返しを

ーー日本に来て、もう12年ですね。日本という国についてどう思っていますか。


私がまだ子どものころに来て、今までもこれからもお世話になる国です。本当に日本に来てよかったです。日本の皆さんは優しくて心が温かいと思います。感謝しています。優勝しましたが1回で終わるのではなく、これからも頑張っていくことが恩返しになると思います。

 

関取昇進後も学び続けた相撲教習所を卒業 右隣は現在の大関正代(平成26年10月2日)

ーー結婚について今どうですか。


そろそろ考えないといけないと思いました。でもまだそういう人はいないです。


ーー家庭を持つと気持ちも変わってくるのではありませんか。


そうですね。家庭があると子どもがいて温かい感じがしますね。もっと家族のために頑張ろうという気持ちになると思います。

 

 

相撲専門雑誌「NHKG-Media大相撲中継」から

 

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