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特集 DeNA 佐野恵太 2回目の首位打者へ 村上宗隆に負けない

野球 2022年8月24日(水) 午後4:30

プロ野球のセ・リーグで2位のDeNAは8月絶好調。本拠地の横浜スタジアムで無類の強さを見せ、引き分けを挟んで現在17連勝中です。その打線を引っ張るのがキャプテンを務める佐野恵太選手。2回目の首位打者を目指しています。そのライバルになるのが三冠王を目指すヤクルトの村上宗隆選手。リーグ優勝、そして自身のタイトル獲得への思いを聞きました。聞き手はサンデースポーツの豊原謙二郎キャスターです。

(記事中の記録は2022年8月23日現在)

とてつもない数字の選手 

プロ野球のシーズンも終盤に入り、セ・リーグの主要打撃3部門のうち、し烈になっているのが首位打者のタイトル争いです。現在の打率トップが3割2分7厘でヤクルトの村上選手。DeNAの佐野選手が1厘差の2位で続いています。三冠王を目指す村上選手はホームランと打点では2位以下を大きく引き離しています。タイトル獲得の上でライバルとなる村上選手の存在について聞きました。

Q

いろいろ聞かれていやだと思いますが、村上選手についてどう思っていますか。

A

ですよね。最初に答えづらい質問って、もしかして村上選手のことかなとは思ったんですけれど。
Q

阻止してやろうとか、意識するところは。
A

まぁ負けたくはないですよね。他のどの数字を取っても、とてつもない数字をたたき出している選手なので。打率だけでも負けたくないなという思いはありますけれど。本当に誰がどうみてもスゴイ選手なので負けないように、チームとしても食らいついていけるように。

Q

試合が終わった後、村上選手の成績を確認していますか。
A

見てますよ。ホームランを打った映像も見ています。

 

チームは8月絶好調 要因はあのコーチの存在

今シーズンからDeNAの野手総合コーチを務める石井琢朗さん。不動の1番バッター、そしてショートとして、24年前の日本一に貢献しました。試合前の練習で石井コーチがチームの日課としたのが、野手全員を集めてのミーティングです。佐野選手にとって、自分がどのように試合に入っていけばいいかを確認する機会になっているということです。

 

Q

この時期の優勝争い。チームの去年とことしの違いはどこにありますか。

A

本当に粘り強くなったなと。投手陣も野手陣も粘り強く戦えているっていうのがすごく変わったことかなと思います。

Q

具体的に教えてください。

A
特に後半戦に入って、接戦のゲームをものにするっていうところもできています。本当に投手の方が頑張っているので、その頑張りに野手陣も乗っかっていくことができています。去年とは違う戦い方ができているのかなと。

粘り強くなった要因はなんでしょうか。
A

僕の中ですごく大きいなと感じるのは、毎日、練習前に石井コーチがミーティングをしてくれて、きょうの戦いに向かっていく中で練習の前から確認をすることが、去年までなかったことだったので、大きい1つの要因じゃないかなと思います。

Q

戦う前、練習前に、頭が整理できているということでしょうか。

A
そうですね。きょうすべきこと、そしてきのうまでの戦いでの反省、きょうしていかないといけないことの確認が明確に練習に入るところから、全員で確認できています。

Q

やるべきことがクリアになると、練習の取り組みや試合の入り方に違いが出てくるのでしょうか。

野手全員で集まることに、なかなか時間を取るのが難しかったりするので、それが練習前にってなると本当。ずるずるいかないというか負けを引きずらないというか、さらに勢いをつけてくれているなっていうのがあります。

試合前に行われている石井コーチによるミーティングの様子

競り勝つことで選手に芽生えたものは?

Q

接戦で粘り強くなったということですが、2点差以内の勝率が上がっていますね。
A

あー知らなかったです。
Q

ベンチの中で何か違いを感じますか。

A

接戦をものにできていることで、間違いなく選手の自信になっています。今の順位が2位というところなので追いかける立場として、状況的に慢心に変わりづらい状況でもあるので、接戦をものにして順位を上げてきたという自信をもっともっとつけて、のびのびやっていきたいです。

Q

何をすべきかが、明確で焦ることがないのでしょうか。

A

8月15日の巨人戦は3点を先制されて、今までだとちょっと厳しいのかなと。ただそんなことをまったく思わせないぐらい今の戦いぶりは本当にチーム全体で攻めていき、すぐ点を取り返すことができた試合でした。

(この試合は中盤以降に得点を重ねて、7対3で逆転勝利)

こういう試合はすごくこれからもチームの勢いを加速させてくれる試合じゃないのかなと思います。

1打席 1打席に集中するだけ

佐野選手はおととしのシーズンに首位打者を獲得。去年も2年続けて打率3割をマークしました。大リーグに移籍した筒香嘉智選手の後継者として、ラミレス前監督から4番打者に指名されました。与えられた限られたチャンスを生かし、つかんだレギュラーの座。プレッシャーのかかる残り試合、これまでの経験を踏まえて、中軸としての責任を果たしていく覚悟です。

 

Q

自分の打率についてどう捉えていますか。

Aクラス争いをできているので、あまり個人成績に目を向けなくてもいい状況をチームが作ってくれています。もちろん意識してないのかって言われたらそんなことはないですけど。それでもチームの勝敗がすごく大事な時期になってきたので、打率は頭の中で片隅程度。そんな感じですね。

Q

その日にやるべきことにフォーカスすれば結果もついてくるという考えですか。
A

打率は上がったり下がったりするもの。その打席での集中や1打席を大切にすることはこれからさらに強く思っていきたいと思います。

Q

左投手を得意にしていますね

A

試合にまだ出られていない、代打で試合に出ることが多かった時に宮崎選手に話を聞きにいっていました。まず代打で打つこと、次に右投手を絶対に打つこと。そして左投手の時でも出してもらった時に絶対に打つこと。そうじゃないとレギュラーになれない。そういう話が今でも残っています。なので左投手を打つ練習は意識しながら、プロ2年目、3年目の時にやっていましたね。

その意識が実っていますね。
A

そうですね。なかなか左投手の時に打席に立つことは1年目、2年目、3年目はありませんでした。数少ない左投手との対戦の時に打たないといけないと自分に言い聞かせていました。そういう思いを練習や左投手に強く持っていたことが今の自分にすごく生きています。

Q

打席の中で左投手に意識していることは何ですか。
A

右投手より左投手のほうが、僕自身の壁だったり、体の開きは意識しやすいですね。開きを抑える、壁を作るのが意識しやすいですね。左投手のほうがいい数字なのかは知らないんですけど、いいんですか?そうなんですか。そこがもしかしたら

いい数字に影響しているのかなとは思います。

リーグ優勝したい!そのために…

1998年以来となるリーグ優勝と日本一を目指しているDeNA。8月は横浜スタジアムでの連勝を引き分けを挟んで17に伸ばすなど、投打ががっちりかみ合った試合運びを続けています。しかし9月は12球団で消化試合数が最も少ない影響で厳しい試合日程が組まれています。

Q

9月は過密な日程になります。これから先、逆転するために何が大事になりますか。
A

日程のことは、僕らでは左右できないことなので浮き足だたずに、しっかりと自分たちの足元をみたいです。目の前の1試合に集中して戦っていくことが上との差を縮めることだと思うので。ちょっと試合数的なものは僕も初めての経験なのでちょっと怖いというのもあるんですけれど、しっかりといいコンディショニングで挑めたらなと思います。

Q

今はどういう気持ちで試合に臨んでいますか。

A

本当に楽しいですね毎日。朝起きて球場に来るまでもワクワクしながら来ています。そういう雰囲気でチームメートもやっていると思うので、その雰囲気にみんな乗っかっていっているっていうすごくいい状況ですね。

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