ストーリーバスケットボール

バスケ芸人「麒麟」の田村裕が語る「3x3」の底知れない魅力

2020-05-22 午前 09:00

東京オリンピックから新競技に採用された3人制バスケットボール、「3x3(スリー・エックス・スリー)」の特徴は、フェスのような会場の盛り上がりと至近距離で見られる迫力満点のプレーです。その魅力に取りつかれて、プロチームのオーナーにまでなってしまった芸能人がいます。お笑いコンビ「麒麟」の田村裕さんです。第1回M-1グランプリで決勝進出を果たし、映画やテレビドラマにもなった「ホームレス中学生」の作者でもある田村裕さんに、3x3の底知れない魅力を聞きました。

激しい当たりとスピーディーな展開が、半端ない!

お笑いコンビ「麒麟」 田村裕さん(左) 川島明さん(右)

 

Q: 田村さんは学生時代、バスケットボール部に所属し、Bリーグのトライアウトにも挑戦した経験もありますよね。長い間、5人制のバスケットボールに取り組んできた田村さんが、どのようなきっかけで3x3に出会ったのでしょうか。

田村裕さん

バスケの知り合いの中に「SOMECITY」というストリートボールリーグの大会に出場している人がいて、誘われて観戦に行ったんですが、衝撃的でしたね。3x3とは少しルールの違う点もあるのですが、とにかく魅力的に見せようということに特化していて、マイクを持ったMCとカメラマンが、プレー中にコートの中にまで入って実況していたんです。シュートが外れると「今日は調子が悪いね」なんて、あおったりするんです。バスケの試合というよりイベントやフェスのノリの良さというか、5人制バスケの試合では見たことのない雰囲気でしたね。それで、いつの間にか完全に会場のノリにハマってしまって「イエーイ」って感じで楽しんで帰ったのを覚えています。

 

MCがコートに入って実況(右)

 

Q: MCとカメラマンがコートに入る演出は「SOMECITY」というバスケのリーグだけのものだそうですが、会場のノリの良さは東京オリンピックから正式種目になった3x3に共通するものですよね。“3x3”のプレー面の魅力はどこにあると思いますか? 5人制バスケットのコートの半面だけ使って1チーム3人でプレーしますが、選手のプレースタイルも全然違いますね。

田村裕さん

まずは、選手同士の当たりの強さが違いますね。3x3は激しい肉弾戦という感じです。5人制より選手が2人少ないので、ひとりの選手がドリブルで抜かれてしまうと一気にピンチになってしまいます。5人制ならカバーリングといって、近くを守っている選手が駆け寄ってディフェンスすることができるのですが、3x3の場合、選手同士が離れているので、カバーしようと思っても間に合いません。ファールをしてでも相手を止めないと点を決められてしまうため、自然と接触プレーが多くなるんです。審判も接触プレーには寛容で、あまり笛を吹きません。

 

田村さんがオーナーを務めるTOKYO DIMEの試合(2017年東京・六本木)

 

Q: 5人制は10分のクォーターを4回行って、合計得点を競いますが、3x3は1試合10分で、21点を先に取った方が勝利という「ノックアウト制」です。試合展開がすごくスピーディーなことも大きな特徴ですね。

田村裕さん

5人制ではゴールの他にもファールやタイムアウトで頻繁にプレーが止まるので、結構休める時間もあるんですが、3x3では得点が入ってもすぐに攻守が変わってプレーが途切れません。また、5人制には24秒以内にシュートをしなければならないルールがありますが、3x3の場合は半分の12秒以内です。5人制が中距離走だとしたら、3x3は短距離のシャトルランを繰り返すようなもの、選手にとってはとにかくハードなんですが、そうした激しい選手の動きやスピーディーな展開が半端ないので、観客はいつの間にか引き込まれてしまうんです。

まるで“お笑いライブ”、選手と観客の一体感がたまらない

 

Q: 3x3では選手と観客の距離の近さも特徴ですよね。コートのすぐそばまで客席が迫り出している会場が多く、また客席の位置も低いので、選手と同じくらいの目線で試合を楽しめます。

田村裕さん

5人制の場合、観客は高い位置に設けられた客席からのんびりと試合を観戦しますが、3x3の客席はコートのすぐそばなので、選手の荒々しい息遣いや、体がぶつかる時の生々しい音が聞こえてきます。まるで小さなステージで見る“お笑いライブ”みたいです。“お笑いライブ”では「芸人って、スベったときにこんな顔するんや!」とか「脇汗めっちゃかいてるやん」って、芸人の焦った表情まで手に取るようにわかりますが、3x3もそんな臨場感があって、それが魅力ですね。

 

 

Q: 東京オリンピック、5人制は「さいたまスーパーアリーナ」で行われますが、3x3はスポーツクライミングやBMXなどのアーバンスポーツが行われる屋外の青海アーバンスポーツパークで行われます。屋内と屋外、会場も全く違いますね。

田村裕さん

3x3の大会は、屋外の会場で行われることが多いのですが、ときどき吹く風も気持ち良いんですよ。東京オリンピックの会場もそうだと思います。たまに強い風が吹くとシュートしたボールが曲がってしまうことがあって、実力以外の要素で勝敗が決まることもあります。その結果、番狂わせが起きることもあるんですが、それはそれで、面白さが増えます。

 

日本のプロリーグ「3x3 PREMIER .EXE」(2019年栃木・宇都宮)

 

Q: 3x3は、ワールドカップに世界180以上の国や地域が参加し、競技人口も40万人を超えている競技です。東京オリンピックでは、世界中から来日する大勢の若者が会場に詰めかけると思いますが、田村さんもそうした若者に混じって、応援されるんですか。

 

3x3 JAPAN TOUR in OSAKA(2018年7月大阪・京橋)

田村裕さん

僕はチケット申し込みの全てをバスケットボールに注ぎ込んだのですが、全部外れてしまったので、チケットを持っている知り合いにゴマを擦っているところです。見に行けたらやってみたいことがあります。それは、フリースローの時のブーイング。3x3ではよくあることで、ただの嫌がらせじゃないんです。選手がフリースローを外したら「ほらみろ、俺たち観客にも力があるだろう」ってアピールしますし、決めたら「さすがやな、あんだけブーイングされて決めるなんて落ち着いている」って評価します。観客は、試合をしているプレーヤーと一体になって、同じ気持ちでゲームを楽しんでいるんです。

 

お笑いコンビ「麒麟」田村裕さん

 

「5人制バスケのプロになりたい」と思いながら、その夢を諦めざるを得なかった選手にも門戸を開いて、そんな選手の背中を押してくれるのが3x3だと、田村さんは言います。バスケットボールが、好きで、好きで、たまらない選手と観客が、一体になって織りなす熱狂と興奮と歓喜の舞台、ぜひ体感したいですね。

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