特集 競馬GⅠオークス 二冠馬誕生か、新たな主役が現れるか!?

今度の日曜日(5月22日)、3歳の牝馬(メス馬)によるクラシックレースの2戦目「オークス」が行われます。オークスの舞台は東京競馬場の芝2400m。牝馬クラシック初戦の桜花賞から、距離が一気に800mも延長されます。出走予定の各馬が、キャリア最長の距離に挑むことになり、3歳の牝馬にとっては、非常にタフなレースです。
それでは、今回の注目馬をご紹介します。まずは実績上位のGⅠ優勝馬2頭からです。
史上16頭目の牝馬クラシック二冠を狙う
桜花賞を制したスターズオンアース(2022年4月)
牝馬クラシックの初戦、4月の桜花賞を勝ったスターズオンアースです。去年10月の初勝利以来、毎回1番人気に推されながら勝ち切れないレースが続いていました。
しかし、7番人気となった桜花賞では、ゴール前の接戦から最後に抜け出して、GⅠ初勝利を果たしました。
調教中のスターズオンアース
オークスも勝って牝馬クラシック二冠となれば、おととし、無敗で制したデアリングタクト以来、史上16頭目となります。
高柳 瑞樹 調教師
スターズオンアースでGⅠ初勝利をあげた高柳瑞樹調教師は「ポテンシャル的には距離はもつと思います。ある程度人気もしそうですし、期待を持って出走させたいと思います。残された期間でより良い状態に持っていけるように頑張ります」と話しています。
また、今回は、GⅠ通算40勝のクリストフ・ルメール騎手が初めて手綱を握ります。
第78回オークスを制したソウルスターリングと喜ぶルメール騎手(2017年5月)
この馬の祖母はフランスのオークス馬。さらに、おばは、2017年のオークスで勝ったソウルスターリングです。実は、ソウルスターリングの鞍上にいたのは、ルメール騎手でした。
取材に応じるルメール騎手
ルメール騎手は「この家族はオークスが好き。ストライドが大きいのがこの馬の特徴で、距離も良さそう。馬が大人になっているように感じるし、今がベストタイミング。レースが楽しみ」と、笑顔を交えながら話していました。
巻き返しを狙う最優秀2歳牝馬
阪神ジュベナイルフィリーズを制したサークルオブライフ(2021年12月)
もう1頭のGⅠ優勝馬がサークルオブライフです。去年12月のGⅠ・阪神ジュベナイルフィリーズで勝利、最優秀2歳牝馬に選ばれました。
桜花賞では、後方から残り600mを33秒3と、メンバー最速のスピードで追い上げましたが、勝ったスターズオンアースにあと半馬身あまり届かず4着。しかし、最後は持ち味のスピードを見せて、オークスに向けて期待を抱かせる内容でした。
国枝栄調教師とサークルオブライフ
管理しているのは、ともに3冠牝馬のアーモンドアイやアパパネといった名牝を育ててきた国枝栄調教師です。
国枝 栄 調教師
今までは1600メートルで使ってきたが、落ち着いて走れるし、走り方も問題ない。最後もしっかり伸びてくるタイプなので、距離も心配ない。桜花賞は残念だったがオークスで頑張りたい。
国枝調教師とエリカヴィータ
国枝厩舎からはトライアルレース・フローラS(GⅡ)で勝ったエリカヴィータも出走します。
この2頭で、国枝調教師にとっては3回目となるオークス制覇を狙います。
GⅠ初制覇を目指す有力馬も多数
GⅠ初挑戦となるアートハウス。前走で2000mの中距離レース、リステッド競走の忘れな草賞を3馬身差で快勝しました。
忘れな草賞で快勝したアートハウス(2022年4月)
過去にもこのレースをステップにした馬がオークスで好走してきました。その注目レースを好内容で勝ったことで、一躍オークスの有力馬として台頭してきました。
さらに、騎乗するのは、桜花賞ではスターズオンアースを勝利に導いた川田将雅騎手です。オークスでは、桜花賞馬ではなく、アートハウスへの騎乗を自ら志願したと話します。
川田 将雅 騎手
アートハウスの母親に乗せてもらったが、重賞を勝たせることができなかった。お母さんの代わりにGⅠ馬にしてあげたい。素晴らしいレースができるように、アートハウスと良い時間を過ごしたい。
桜花賞で人気上位だったメンバーからは、ウォーターナビレラとナミュール。
オークスに向けて調整するウォーターナビレラと武豊騎手(5月11日)
ウォーターナビレラは、これまでGⅠレースでは2着1回、3着1回と好走が続きます。3回目のGⅠ挑戦。騎乗する兄・武豊騎手、管理する弟・武幸四郎調教師の兄弟コンビで、桜花賞ではわずかハナ差届かなかったGⅠ初勝利に挑みます。
チューリップ賞で重賞初制覇を果たしたナミュール(2022年3月)
また、桜花賞では1番人気の支持を集めたナミュール。10着に敗れましたが、勝ったスターズオンアースとのタイム差はわずか0秒3。不完全燃焼に終わった桜花賞からの巻き返しを狙います。
NHK競馬中継 パドックから全出走馬を詳しく紹介
NHKの競馬中継では、出走する全頭について、元調教師の鈴木康弘さんが当日の馬の気配を詳しく解説!パドックからレースのスタートまでをたっぷりとお伝えします。
第83回「オークス」は、BS1で5月22日(日)午後3時から放送予定です。
この記事を書いた人

髙木 優吾 アナウンサー
平成22年 NHK入局 鹿児島局―大津局―仙台局
はじめての実況はアーモンドアイが2冠を達成した4年前のオークス。
大津局時代には、栗東トレセンを取材し、獣医師に密着した企画を制作した。