特集 競馬 3歳クラシックレース開幕!桜花賞を制するのはどの馬?

今度の日曜日(4月10日)ことしの3歳クラシックの始まりを告げる“桜花賞”が行われます。3歳の牝馬(メス馬)だけが出走できるレースです。去年は、白毛馬ソダシが、衝撃的なレコードタイムで勝利を飾りました。
ことしも、激しい競争を勝ち抜いた18頭が出走を予定しています。その有力馬をご紹介します。
トライアルレースを制したナミュール 入念なゲート調教
2022年3月 チューリップ賞で重賞初制覇を果たしたナミュール
注目の1頭が、4戦3勝のナミュール。桜花賞と同じコースで行われる前哨戦、3月のチューリップ賞を快勝しました。
母は、桜花賞6着のサンブルエミューズ。さらに、その母の母には、1997年の桜花賞優勝馬キョウエイマーチが名を連ねる、桜花賞ゆかりの血統です。
調教中のナミュール
ナミュールが唯一敗れたのは、去年12月の2歳GⅠ、阪神ジュベナイルフィリーズ。1番人気に押されましたが4着でした。この時は、スタートの出遅れが大きく響きました。そこで、今回の桜花賞に向けて、入念に取り組んできたのが“ゲートを使った調教”です。
ナミュールのゲート調教
まだ経験の浅い3歳牝馬。狭いゲートの中でおとなしくするのは難しいと言います。ナミュールは、ゲートに入って、およそ5分。近くで、ほかの馬がゲート調教をしたり、そばを通過したりする中、その刺激にも、じっと耐え抜きました。
高野 友和 調教師
高野友和調教師は「真横を馬が通り過ぎるという、馬からしたらちょっとハードなシチュエーション。そういう場面でも、じっと立っていなければならないということをやりました。きょうのゲート練習は98点くらいじゃないかな」と、手応えを感じています。
桜花賞で素質が花開くか サブライムアンセム
2022年3月 フィリーズレビューを制したサブライムアンセム
先月、アラブ首長国連邦のドバイで行われたGⅠレースを勝った藤原英昭調教師が送り出す、サブライムアンセム。前走はチューリップ賞と同じくトライアルレースの一つ、フィリーズレビューを制しました。
ただ、初勝利を挙げるまで6戦を要し、素質はあるものの、結果を出すことができませんでした。
藤原 英昭 調教師
藤原調教師はサブライムアンセムについて「視覚、聴覚が敏感な馬。その点で難しい馬だけれども、ずっと好走は続いていた。頭の良い馬なので、経験を積み、競馬に慣れてきたことで力を発揮できるようになってきた」と、成長を感じています。
桜花賞は、メンバー最多タイの8戦目。まだ幼いこの時期は、レースに出ると体重が減ってしまうこともあると言いますが、サブライムアンセムは、体を維持していて健康そのもの。2連勝で迎える桜花賞で、その素質を開花させることができるか、期待が高まります。
解説 白井寿昭元調教師の注目 サークルオブライフ
2021年12月 阪神ジュベナイルフィリーズを制したサークルオブライフ
今回の桜花賞出走予定馬の中で唯一GⅠを勝っているのが、サークルオブライフ。去年の阪神ジュベナイルフィリーズの優勝馬です。
サークルオブライフと国枝栄調教師
管理するのは、アーモンドアイやアパパネで牝馬3冠を成し遂げた国枝栄調教師。その手腕を評価するのが、今回、桜花賞の解説を担当する元調教師の白井寿昭さんです。
調教中のサークルオブライフ
サークルオブライフは、最終追い切り(レース直前の強めの調教)で3頭が並んで走る併せ馬を行い、これまでとは異なり、ほかの2頭の間を突っ込む形で調教を終えました。
元調教師の白井寿昭さん
白井さんは「これは前走の敗北が関係している」と話します。サークルオブライフは、前走のチューリップ賞で、スタートをスムーズに決め、前方につけるも、最後は伸びを欠き、3着に敗れました。今回の調教は「2頭の間を突くことで、レースが近いことを意識させ、競り合いにも勝てるように。そして、何より、伸びを欠いた部分の不安材料を払しょくさせて勝たせるという強い気持ちの表れ」と感じています。
国枝調教師のとったこの策によって、どのように変化するか。最後の直線の走りが楽しみです。
取材で訪れた栗東トレーニングセンターでも見事な桜を見ることができました。先日から関西も一気に気温が上がり、20度を超える日が続いています。阪神競馬場の桜は、前週の大阪杯でもすでに咲いていました。
例年、コース沿いに咲く名残の桜が彩りを添え、非常に風情のあるレースとして知られる桜花賞。ことしは、どんな舞台になるでしょうか。
2022年のNHKの競馬中継は、桜花賞から始まります。ことしも、どうぞお楽しみください。
第82回 桜花賞
4月10日(日) BS1 午後3時から生中継
この記事を書いた人

清水 敬亮 アナウンサー
2007年入局 宮崎局-釧路局-岡山局-大阪局
思い出のダート馬はホクトベガです。芝のエリザベス女王杯で優勝しましたが、その後は低迷した時期もありました。ただダートを主戦場としてからは国内のダートレースで10連勝を飾り無類の強さを見せました。私にダートレースの魅力を教えてくれた思い出に残る1頭です。