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特集 「カーリング日本代表はロコ・ソラーレじゃないの?」そんなあなたにぜひ知ってほしい世界選手権代表「中部電力」の魅力  

カーリング 2022年3月18日(金) 午後7:17

カーリング女子日本代表が大活躍した北京五輪から1か月。今度はカーリング世界一を決める世界選手権がカナダで開かれる。日本代表はあのロコ・ソラーレ・・・ではない。去年12月の世界選手権日本代表決定戦を勝ち抜いた中部電力だ。

 

五輪で盛り上がった“にわかファン”からすると拍子抜けするかもしれない。ところがどっこいこの中部電力、カーリングファンの間ではロコ・ソラーレのライバルとして知られる超強豪チーム。“にわか”の皆さん、知っておいて損はないですよ!

中部電力はどんなチーム?メンバーは?

(左から)北澤 育恵、中嶋 星奈、鈴木みのり、石郷岡 葉純、松村 千秋の各選手

日本代表チーム紹介
中部電力

創部:2009年

コーチ:両角友佑(ピョンチャン五輪男子日本代表)

過去の主な成績:世界選手権 4位(’19) 日本選手権優勝 6回(’11~’14、’17、’19)

中部電力は2011年からの4連覇を含む、日本一6度に輝く名門。解説者の市川美余さんや、五輪で活躍した藤澤五月もOGだ。特に近年はロコ・ソラーレとしのぎを削り、2年前の日本選手権決勝ではハイレベルなショットの応酬で大会史に残る名勝負を演じた(結果は延長戦の末、ロコ・ソラーレが優勝)。

 

では、中部電力とは、どんなチームなのか。もちろん個々のスキルは高い。

 

主にリードを務める石郷岡葉純はドロー系のショットを得意とし、今やリードの重要なスキルとなったウィック(ずらすショット)の精度も一級品だ。

 

石郷岡 葉純(いしごうおか はすみ)

青森県青森市生まれ 25歳  160㎝  右利き
カーリング歴:13年  チーム加入:2014年
得意なプレー:ドローショットやソフトウエイトを使った、隠れている石のテイクアウト
好きな“もぐもぐ”メニュー:りんご

大会へ向けて:「この編成になってから、コロナの影響で一回も海外に行けていないので、どれだけ自分たちが戦えるのかというのは未知数なんですけれども、基礎練習を積み重ねてきたので、その成果を発揮できるように頑張りたいです」

 

入社2年目の鈴木みのりは、苦手なショットがないというオールラウンダーで、世界ジュニア選手権4位の実績をもつ有望株だ。

 

鈴木 みのり(すずき みのり)

神奈川県横浜市生まれ 20歳  157㎝  右利き
カーリング歴:11年  チーム加入:2020年~
得意なプレー:ドロー系のショット
好きな“もぐもぐ”メニュー:いちご、マスカット、りんごなどのフルーツ

大会へ向けて:「(現メンバーでの)チームとしては2回目の世界選手権なのですが、私自身は初めての世界選手権となります。緊張してしまうかもしれないですけど、自分にとってもチームにとっても、今大会はとても大きなものとなるので、思い切って悔いの残らないようにプレーしていきたいと思います」

 

スキップ経験もある中嶋星奈の考える作戦は実に大胆&攻撃的。今大会では主にスキップの補佐をするバイススキップを務める。

 

中嶋 星奈(なかじま せいな)

長野県軽井沢町生まれ 24歳  152㎝  右利き
カーリング歴:10年  チーム加入:2016年~
得意なプレー:ソフトウエイトでのヒットアンドロール
好きな“もぐもぐ”メニュー:果物

大会へ向けて:「アリーナアイスでの貴重な機会なので、ひとつひとつの試合を大切にしていきたいです。海外での大会自体が2年と少しぶりなので、試合を楽しんで、やってきたことを出したいと思います。頑張ります」

 

4連覇時代からチームを支える松村千秋は、国内随一のスイープ力と堅実なショットでチームに安定感をもたらす。

 

松村 千秋(まつむら ちあき)

長野県軽井沢町生まれ 29歳  162㎝  右利き
カーリング歴:19年  チーム加入:2012年~
得意なプレー:ランバックや速いテイクアウト、ソフトウエイトなどの繊細なショット
好きな“もぐもぐ”メニュー:マスカットやいちごなどのフルーツ

大会へ向けて:「いま、自分たちがどれほど戦えるのかというのを世界で確認して、楽しく大会をおこなっていきたいと思います」

 

そしてフォース(最後に投げるポジション)の北澤育恵は、重要な局面でのとんでもなく難しいショットを涼しい顔で決める。緊張とかしないの?と聞きたくなるくらいだ。

 

北澤 育恵(きたざわ いくえ)

長野県佐久市生まれ 25歳  164㎝  右利き
カーリング歴:10年  チーム加入 :2014年~
得意なプレー:テイクアウトショット
好きな“もぐもぐ”メニュー:いちご・駄菓子

大会へ向けて:「2回目の世界選手権となります。前回は4位という結果で終わってしまったので、今回はメダルを目指して、自分たちの実力をしっかり発揮できる試合にしたいと思います」

メンバー全員が“チームの頭脳”

2019年3月 世界選手権 試合中に話し合う選手たち 

では、チームとしての強みを、本人たちはどう意識しているのか聞いてみた。返ってきた答えは「全員で作戦を考えるところ」

 

2019年3月 世界選手権   中嶋選手(左)、松村選手(右)

このチーム、ここ5年で北澤・中嶋・松村の3人が司令塔=スキップを務めるなど、メンバー全員が“チームの頭脳”。さらに2年前から「スターティングメンバーを固定しない」という、カーリング界でも極めて珍しいスタイルをとっている。

 

2019年3月 世界選手権 スイープする石郷岡選手(左)、北澤選手(右)

一般的にカーリング界では、4人のレギュラーを固定し、めったに入れ替えないが、中部電力は大会中でも関係なくメンバーを入れ替える。個々の疲労軽減や、競争意識の醸成、5人全員が実戦経験を積めるといった効果ももちろんあるが、入れ替わったメンバーがそれぞれの個性を発揮することで戦術面の引き出しが増える、ということも大きいようだ。

 

一方で、松村がチームの特徴として挙げたのは「オン・オフの切り替え」。確かにこのチームのアイスの外でのリラックスぶりは目をみはるものがある。試合や練習前後に駄菓子片手にはしゃぐ北澤・中嶋コンビの和やかな姿はこのチームの名物だ。

 

8年前の北澤・中嶋コンビ。中部電力入社前、ジュニア時代からチームメイトだ

そんな少し肩の力が抜けた自然体のメンタルも、このチームが大舞台に強い要因なのかもしれない。

世界選手権での目標は表彰台

 

大会前の会見では「五輪でのロコ・ソラーレの活躍をどう見たか?」との質問も飛んだ。「自分たちも大きな大会でメダルを獲得したい(北澤)」「スイーパーの2人がすごかった(中嶋)」といった素直な感想もあったが、最年長の松村は「大会を笑顔で乗り切るロコ・ソラーレのスタイルはロコ・ソラーレが築いたもの。私たちは私たちなりのやり方で1試合ごとに切り替えながらチャレンジしていきたい」と、自らのチームへの誇りをにじませた。

 

2019年の世界選手権では4位に

今大会の目標は、2019年出場時の4位を超えること、つまり表彰台だが、ライバルの成績を超え世界の頂点を狙いたいという気持ちは当然強いだろう。中部電力の「意地」に注目だ。

 

そして‟にわか”ファンの皆さん、中部電力の魅力に気づけば、あなたももはや“カーリング沼”の住人です。世界選手権をお楽しみに。

この記事を書いた人

種田純郎 ディレクター

種田純郎 ディレクター

スポーツ中継ディレクター。

2013年入局。福岡局→スポーツ番組部を経て、現在はスポーツ中継番組担当。

カーリングでは、ピョンチャン五輪日本代表決定戦や、ピョンチャンでの現地取材を経験。日本選手権・世界選手権の中継も担当している。

いつか自分でカーリングチームを作ってみたい。

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