特集 琴ノ若「まず三役、師匠に追いつきたい」上位との対戦に期待 大相撲春場所

琴ノ若は初場所、千秋楽まで優勝争いに残る大健闘で2回目の敢闘賞を受賞した。春場所は番付を一気に8枚上げて前頭6枚目となり上位との対戦も期待される。
刈屋 富士雄 元アナウンサー
刈屋富士雄元アナウンサーが電話で決意を聞いた。
優勝争いに最後まで残れて自信になった
敢闘賞の琴ノ若(初場所千秋楽)
Q 初場所、三賞獲得おめでとうございます。すばらしい活躍でした。
ありがとうございます。いい内容で取れることが多くて、少しずつ自信を持って相撲が取れるようになりました。
琴ノ若(左)が阿炎に引き落としで敗れる(初場所千秋楽)
Q 阿炎の突き押しと互角に渡り合ったのではないですか。
負けましたが、まわしが取れなくてもしっかりと押し込んで、あれだけの相撲が取れました。いい経験になりました。優勝争いに最後まで残れたことが自信になりました。
三役に上がりたい、もっと上がある
宝富士を破った琴ノ若(初場所11日目)
Q 次の目標は出てきましたか。三役とか、照ノ富士を倒すとか、どうですか。
もちろん三役に上がりたいですし、もっと上があります。目指すところがあることは大事だと思います。まず三役、師匠に追いつきたいです。
Q 勝ち星は12勝で師匠を一つ超えています(笑)。
前に出る相撲をこれから極める
栃ノ心(右)を押し出しで破る(初場所9日目)
Q 初場所で感心したのは、落ちておかしくないところで落ちませんでしたね。そういう意識で稽古しているから足も運べるのですね。
コロナ禍でも部屋で、自分で考えながら稽古を十分にできることが大きいと思います。
Q 稽古の中で、前に出ることがけがをした膝への負担も軽くすると分かったのですね。
相手の攻めを受けている状態でも、前に出る形を変えないようにしました。6日目の一山本関との対戦で突っ張られていても、腰の構えを変えませんでした。しっかりあてがいながら勝機をうかがっていました。そして出るところはきっちり出ました。まだ発展途上でこれから極めていかなければと思います。
攻めるバリエーションを増やしていきたい
幕内土俵入り(初場所10日目)
Q これから先のことを考えると次の段階はどうなりますか。
前に出る相撲をもっと極めたいです。上位は立ち合いのスピードや踏み込みの角度が違うので、その相撲にも対応できるような稽古をしっかりやっていきたいです。
Q 将来的には右四つの形を極めていくのですか。
右四つと左四つ、もろ差しと外四つ、突き押しも組み合わせていければいいと思います。攻めるバリエーションを増やしていきたいです。師匠(佐渡ケ嶽親方)に言われた、まわしも切れるようになりたいです。これからもいい相撲が取りたいと思います。
相撲専門雑誌「NHK G-Media大相撲中継」から