特集 宇良が連日の奮闘 ことしも右肩上がりの予感 大相撲初場所

新年最初の場所、前頭2枚目の宇良が序盤戦を盛り上げている。
2日目に大関・正代に敗れて土俵下で頭を打ち、車いすで引き揚げて状態が心配されたが、翌3日目も出場。
初場所3日目 押し倒しで貴景勝を破る
大関・貴景勝との取組は最初の一番が際どい勝負となり、取り直しに。取り直しの一番では、機敏な動きで大関を押し倒し、国技館を沸かせた。
初場所4日目 照ノ富士戦
4日目は横綱・照ノ富士と結びの一番。まずは立ち合い、横綱にまわしを取らせず、さらに動き回って揺さぶりをかける。
照ノ富士の圧力に一度は土俵際に追い込まれたが、そこから横綱が引っ張り込んで投げようとしたところを一気に前に出た。さらに攻め続け、逆に照ノ富士を土俵際に追い詰めた。
ここで横綱が粘り強さを見せて、逆襲。最後は突き倒された。宇良は金星ならず、3敗目を喫したが、激しい攻防に館内は大きな拍手で応じた。
取組後、宇良はいつもと変わらぬ様子で応じた。
記者「あと一歩、惜しかったですね」
宇良「かなわなかったです」
記者「力は出した感じですか」
宇良「わからないですね」
それでも、日本相撲協会の八角理事長は「お客さんも喜ぶ相撲だ。宇良は相手十分にさせない。絶対にまわしを取らせないというのがある」と褒めたたえた。
2021年12月 稽古する宇良
場所前の去年12月。宇良は十両から幕内に番付を戻した去年1年を踏まえて、次の1年について「下降の1年になるかな…。人間、常に上がるのは、なかなか難しい。上がった先は落ちていくもの。よくて平行線です…」と漏らしていた。
ただ、大関を破った3日目、そして、4日目のような相撲が続けば、ことしも右肩上がりの1年になるはずーー。
宇良は、取材の最後の方で「まだ終わってない。まだまだ上位戦があるので。少しでも白星重ねたい」と話した。
自己最高位の番付で臨む今場所、残りの11日間も土俵を沸かせ続けるか、注目される。
この記事を書いた人

小野 慎吾 記者
平成28年NHK入局。岐阜局を経て、2019年8月からスポーツニュース部で格闘技(大相撲、ボクシングなど)を担当。前職はスポーツ紙記者。