NHK sports

特集 広島 栗林良吏投手 マウンドでの緊張度は激しく変化!? 新人王獲得直後に明かした素顔

野球 2021年12月27日(月) 午後8:25

2021年12月15日。東京都内のホテルで「NPB AWARD」が行われ、セ・リーグの最優秀新人賞(新人王)が発表された。選ばれたのは広島の守護神・栗林良吏投手。

 

NHKはアワード直後の栗林に単独インタビューを行った。聞き手はサタデー/サンデースポーツの副島萌生キャスター。栗林は今季、ドラフト1位で入団。1年目から抑えを任され53試合に登板、新人最多に並ぶ37セーブや球団新記録となる開幕から22試合連続無失点などの記録を樹立。防御率は驚異の0.86。東京五輪ではクローザーとして日本の守護神となり金メダルに大きく貢献した。(2021年12月15日時点)

“100点のシーズン”を振り返って

 

副島)新人王獲得おめでとうございます。アワード直後ですが、今どんな気持ち?

 

栗林)うれしい気持ちとホッとした気持ちです。新人王を取れてよかったなと思っています。

 

副島)どれくらいからいけるかなと思った?

 

栗林)いやあ、結局最後の最後までどうなるかわからなかったので。シーズン序盤は阪神の佐藤くんが頭ひとつ抜けて活躍して、後半戦になったらDeNAの牧くんがすごい活躍していたのでなかなか自分にスポットライトがあたる時間がなかったので、全然取れるとも思っていなかったです。

 

副島)とは言っても今季はルーキーとは思えない活躍ぶりでした。ご自身はプロ野球選手としての1年目をどう受け止めている?

 

栗林)できすぎな1年というのか。ここまで期待されてはいなかったと思いますので、いい意味で期待を裏切った1年なのかなと思っています。やっぱりたくさんの人に「今年以上の成績はこれからの野球人生においては難しいと思うよ」と言われますし。そういう意味では本当にいい意味で期待を裏切れたのかなと思っています。

 

副島)100点満点で何点?

 

栗林)100点あげてもいいのかなと思っています。やり直してもこの成績は出せないと思うので、もう100点と言っていいと思っています。

 

副島)52回 1/3イニングで81奪三振、抑え投手の中ではトップレベルの数字でした。

 

栗林)三振は1番ベストなアウトの取り方だと思っています。最初から狙うことはあまりないですけれど、2ストライクになったり、カウントが有利な時は、三振を取りにいきます。結果的に三振3つだったら1番ベストな終わり方なのかなと思います。佐々岡監督も「クローザーをやるピッチャーは三振が取れることが条件の1つだ」とおっしゃっていて、その中で自分が選んでもらえたので、やっぱり三振は取りたいです。

“緊張はむちゃむちゃするタイプです”栗林の意外な素顔

 

副島)そもそもクローザーをまかされたのはどのタイミング?

 

栗林)シーズンが始まる最後のオープン戦、3月の末くらいのオープン戦がソフトバンクの3連戦だったんですけど、その3連戦の初戦で監督さんに呼ばれてクローザーを任されました。寿命が縮むというのか、本当に1戦1戦大事な試合が続いているので、そういう意味では緊張感というのか、プレッシャーはすごく感じて戦った1年でした。

 

副島)今季クローザーとしてやっていけるぞ!と確信した試合は?

 

栗林)確信した試合は今でもないですかね、やっぱり不安の気持ちもありますし、できることなら本当に自分に出番が無くて勝つことが一番だなって思っています。

 

副島)えー!普通投げたいって思うんじゃないですか?

 

栗林)いやいや、投げたくなかったです、特に最後のほうは。怖かったというのと、やっぱりチームが最後のほうはクライマックスシリーズにいけるかもという時があったので、そういうプレッシャーを感じてて、もちろん勝ちたいという気持ちがあるので、そういうのはあるんですけど、回ってくるなら、できれば点差のある状態で回ってきてくれと思っていました。

 

副島)でも驚異的な成績を残しました。

 

栗林)次に負けるのがもう本当に怖いです。でもやっぱりプロ野球選手は切り替えが大事だとずっと言われているので、そういう意味ではやっぱり負けた時に切り替えられるかというところは大事だなと今シーズンも思いました。

 

11月1日ヤクルト戦 新人最多セーブのプロ野球記録に並んだ栗林投手

 

副島)負けたあとも成績を残していますものね?そのときは切り替えられました?

 

栗林)切り替えるのは難しかったんですけど、初めて点を取られた試合が僕負け投手なんですけど、その次の試合にわざわざ家族が愛知から応援にきてくれたので、そういう応援してくれているっていうところを再認識できたというか、その中で自分が落ち込んで悪い結果を出したらだめだと思って切り替えられたのはやっぱり家族のおかげなのかなと思います。

 

副島)見ていてもクローザーって精神的にきついと思うのですけれど、精神面って強いほう?

 

栗林)いや、本当に精神面が弱いんです。だから、ルーティンをたくさんやったりとか、練習をしっかりやって自信に変えてというところで精神を保っていました。ルーティンでやっているのは、例えば「ブルペンの球数も決まって15球」とか「マウンドにお辞儀をして入る」だとか、「左足からグラウンドに入る」だとかですね。

 

 

副島)意外と緊張するタイプ?

 

栗林)緊張はむちゃむちゃするタイプです!

 

副島)え~!!全く見えないですけどね!

 

栗林)本当ですか、へへへ(笑)。もう本当に、結構顔にでるタイプというのか、マウンドにいったらもう本当にフーフーフーフーしていますし。なんかもう本当に深呼吸をたくさんしているというか。大学のコーチとかにはよく「緊張しすぎだぞ」と言われていました。

 

副島)その状態をどう落ち着かせている?

 

栗林)落ち着かせることができないので、もう受け入れるというか。実は今は、逆に緊張感が足りないとちょっと不安になるぐらいなんです。緊張しているから「よし、できる」と思うようにしています。緊張しないとやっぱり、逆に集中しようとしちゃうので、よくない結果になっていることが多いです。

 

副島)緊張とうまく付き合っているということ?

 

栗林)そうですね。緊張をポジティブに捉えるかネガティブに捉えるかで緊張に対しての意識は変わってくるのかなと思っています。自分は、「緊張しているから、よし今日できる」、「今日は集中しているから抑えられる」というように、緊張をポジティブに捉えるようにしたので、抑える確率が上がったのかなと思っています。

3アウトを取るまでの緊張の推移は!?

 

副島)きょうはこういった表をご用意いたしまして…。

 

栗林)奪三振緊張グラフ!

 

副島)栗林投手9回の緊張グラフ。栗林投手が3アウトを取るまでの緊張の変化を書いていただけますか。

 

 

栗林)わかりました。まず・・・100%、120%かな・・・。

できました!

 

 

副島)まず9回にマウンドに上がる時にはグラフからはみ出る位置にあるんですか。

 

栗林)そうですね。特に点差が1点差だとか同点という厳しい場面だと、やっぱり緊張感も高いのかなと思うので、だいたい100%超えることが多いと思います。緊張すればするほど集中できると自分では思っているので集中力が高ければアウトを取れる確率も高いのかなって思っています。

 

副島)で、1アウトを取ると一気にその緊張が落ち着いて20%に。これ驚きです!

 

栗林)特に先頭バッターで1アウト取っちゃったら、だいぶリラックスして投げられるので。先頭バッターがヒットとかで最初からピンチだったらもっと高いと思うんですけど、先頭バッターでしっかり1アウト取れればもう緊張はせずにリラックスして投げられています。やっぱり1アウト取るまでは不安な気持ちが強いので、緊張もすごくしますし。ふわふわしているという表現が正しいかもしれませんけど、そういう気持ちでいます。9回の最初の1人が一番大事だと思っています。

 

 

副島)一番緊張した試合は?

 

栗林)緊張した試合はやっぱりオリンピックのタイブレーク、ノーアウト1塁2塁、あれはもうすごい緊張感だったので。今シーズンというのか、人生で一番緊張しました。あのマウンドというのは日本球界の代表としてやらせてもらっているので、守っている人たちがすごかったので、自分の力というよりは、キャッチャー含め、守っている方々、応援してくれたみんなのおかげで抑えることができたと思っています。終わったあとに田中将大さんに「よくやったな」って言ってもらった時はむちゃくちゃうれしかったです。もう本当に鳥肌がたったというか、なんか今までにない感情がでてきました。

これからの栗林投手の目標は?

 

副島)あらゆる目標を1年目で達成してしまったと思うが、これからどういう投手になりたい?

 

栗林)ピッチャーの理想としては、僕が抑えで出てきて、相手が「もうだめだ」と思うようなピッチャーになりたいと思います。1年でも長くプロ野球選手でいたいので、今年のこのような成績を継続して、来シーズンもやりたいと思います。

 

副島)このままクローザーとしてやっていきたい?

 

栗林)今はやっぱり、9回のやりがいを感じているので、抑えとしてやりたいなって思っています。でも、1回くらいは先発も経験してみたいなって気持ちはあるんです。それもやっぱり抑えをやるうえで、先発ピッチャーの気持ちをわかっていた方が、リリーフをやるにしても、よりやりやすいというのか。やっぱり先発ピッチャーの思いというものをわかれば、もっと登板に向けて準備できたり、より頑張れるのかなって思うので、そういう意味では1度経験してみたいなとは思います。

 

副島)あるなら今季の修正点をどう変えたい?

 

栗林)シーズンの終盤はフォークボールを見極められることが多かったので、自分が自信を持って投げられるフォークボールを1年間通じて武器にしていかないといけないなと思いました。このオフシーズンにもしっかり取り組んでいきたいなって思います。今シーズンは逆にフォークボールが使えない中で後半戦はまっすぐとカットボール、カーブという違う球種でうまく抑えることができたので、そういう意味では4球種を全体的にレベルアップして、来シーズンを迎えられたらなと思います。

 

副島)最後に来シーズンの目標は?

 

栗林)「1年間クローザー」です。

 

 

栗林)チームの目標としてやっぱりリーグ優勝と日本一になりたいというところで、そこで自分がチームの勝利に貢献したいという気持ちがあるので、1年間クローザーとして戦いたいなっていう気持ちと、また今年はセーブシチュエーションで失敗することがなかったので、来年もそれを継続してできるように頑張りたいなって思います。今シーズンと同じ成績を来シーズンも出せるように、このオフシーズンとキャンプを頑張りたいなと思います。

 

サタデ―スポーツ/サンデースポーツ

関連キーワード

野球

関連特集記事