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特集 都市対抗野球 収益拡大へあの手!この手!

野球 2021年12月10日(金) 午後0:50

92回目となった社会人の都市対抗野球は、東京ガスが初優勝を果たして幕を下ろしました。新型コロナウイルスの影響で去年は中止になった名物の「応援合戦」が復活。7回にはチームの「社歌」や「応援歌」が流されるなど、社会人野球らしい雰囲気が試合を彩るなか、大会を運営する日本野球連盟は、収益拡大のため「あの手この手」の新たな取り組みを進めました。

コロナの影響で去年は4000万円の赤字

社会人野球の大会運営を行っている日本野球連盟は、去年、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で大会の中止が相次いだことなどから、年間でおよそ1億3000万円の赤字となりました。

 

 

このうち、大きな収入の柱で、唯一開催にこぎ着けた都市対抗野球は、感染防止のため、観客の上限を1万人に制限するなどした結果、およそ4000万円の赤字となりました。

都市対抗の収入の8割は 企業チームのチーム券

都市対抗野球での収入は大きく分けて2つあります。1つは出場するチームの企業が連盟から買う「チーム券」。

 

 

こちらは、出場するチームの応援席を企業側が買って従業員や関係者に入ってもらうものです。そして、もう1つが「一般入場」のチケット代です。

 

 

日本野球連盟によりますと、この「チーム券」と「一般入場」の収入の割合が8対2となっているといいます。

コロナ禍で経営が苦しい企業にはチーム券が負担になる

一方で、コロナ禍で企業の経営が厳しい状況になっていることもあり、チーム券が企業の負担となれば参加するチームの減少、さらに都市対抗のそのものの運営に影響がでてきてしまうと考えた日本野球連盟は、今大会からあの手この手で収益拡大に向けた新たな取り組みを進めました。ポイントは「新たなファン層の獲得で収益拡大」です。

選手たちのプロフィールが書かれたカードを初めて発売

 

今回、1セット5枚入りで550円の野球選手カードを初めて販売しました。カードには「侍ジャパン」の社会人日本代表候補に選ばれた90選手が取り上げられました。プレー写真や経歴のほか、打球速度などのデータが載っています。選手を知ってもらい新たなファン獲得するとともに、チケット収入以外の収入を得るための試みでした。

 

女性に人気のダンスボーカルグループの歌手を起用

また、大会のスペシャルサポーターに人気ダンスボーカルグループ「三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE」の今市隆二さんを起用。都市対抗の一般入場は、昔からの固定客に支えられていて、若い人や女性が少ないことが課題でした。

 

このため、社会人野球を知ってもらおうと、若い女性に人気のある今市さんに就任を打診。実際にスペシャルサポーターの就任式が行われた開会式には、多くの女性のファンが訪れ、就任式後の開幕戦も残って試合を観戦しているなど「一瞬でも社会人野球に触れてもらう」という意味では、一定の効果があったといいます。

 

日本野球連盟はこうした新たな取り組みを通じて一般入場の人数を増やすことで、チーム券の割合を7対3、6対4と減らしていき、企業の負担の少ない大会づくりを目指していきたいと考えています。

この記事を書いた人

阿久根 駿介 記者

阿久根 駿介 記者

平成25年NHK入局。福岡局、津局、札幌局を経てスポーツニュース部。物心ついたころから大学まで野球一筋。ポジションは投手。

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