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特集 カーリング 北京オリンピック世界最終予選 松村千秋 谷田康真のミックスダブルスに注目!

カーリング 2021年12月3日(金) 午後6:10

カーリングの北京五輪出場枠をかけた世界最終予選が12月5日にオランダで開幕します。大会はミックスダブルス(MD)が12月5日、男子と女子が12月10日に始まります。

 

ミックスダブルスの日本代表として出場するのは、松村千秋選手(中部電力)と谷田康真選手(コンサドーレ)のペア。MDには、世界の14チームが参加、上位2チームが北京五輪の出場枠を獲得します。

 

松村・谷田組の出場枠獲得なるか!?2018年のピョンチャンオリンピックの男子日本代表で中部電力のコーチ、両角友佑さんに聞きました!

<カーリング北京五輪世界最終予選>

ミックスダブルス(MD)は14チームが出場。7チームずつ、2つのグループ(A・B)で予選リーグを戦う。各グループの上位3チーム、計6チームでトーナメントを実施。上位2チームが北京五輪出場枠を獲得。

 

<ミックスダブルス 予選のグループB>

日本      (世界ランキング12位)

アメリカ    (世界ランキング5位)

韓国      (世界ランキング8位)

フィンランド  (世界ランキング11位)

エストニア   (世界ランキング16位)

ニュージーランド  (世界ランキング21位)

ラトビア              (世界ランキング22位)

すべてのチームが競っているミックスダブルス

中部電力のコーチ 両角友佑さん

 

MDは、4人制の世界選手権ではあまり見かけない国でも、すごく上手いチームが多く見られます。4人制に比べると多くの国が競い合っている印象です。

 

2018年ピョンチャン五輪 ミックスダブルスの表彰式

 

2018年のピョンチャン五輪で初めて正式種目に採用されたMDは、これまで試行錯誤の期間という感じでしたが、その期間を終えて競技レベルがどんどん上がっています。五輪の出場枠が、8から10に増えたものの、その枠に入ることが簡単ではない世界になってきているので、日本にとっても厳しい戦いになるのは間違いありません。

 

2019年世界選手権の様子

 

日本の松村千秋選手と谷田康真選手のペアは、新型コロナウイルスの影響で、世界選手権の舞台を経験できていないものの、4人制では、それぞれの所属チームで世界選手権を経験しています。9月の代表決定戦でも、実力のあるチームがしっかりと勝ったという内容の試合が多かったので、いい結果を期待できると思います。

 

五輪の出場枠をかけた最終予選は、独特の空気感があるので、コーチやスタッフも含めたチーム全員が、その空気感に押されなければ、かなりいい勝負はするのではないでしょうか。

松村・谷田組は持ち味のスイープ力で勝機を!

 

松村・谷田の2人は、それぞれの所属チームでスイーパーとしてプレーしています。このペアは自分の投げた石を自分で掃く(スイープする)スタイルを取ることが多いのですが、どちらの選手も投げたストーンを目的の位置まで運ぶ、ウェイトジャッジ能力がとても高いことが特徴です。

 

また、ジャッジのみではなく純粋なスイープ力も強いので、ストーンを投げる際の許容範囲も広いです。そのスイーパーとしての強みを生かし、スイープをしっかりと使い、置きたい位置にストーンを置く戦い方ができるかがポイントになります。

 

 

スイープを使えるように投げるということは、自分自身の体力を削りながらのプレーになるのでとても大変です。しかし一方で、自分の投げた時の感覚をプラスして掃けるので、より精度の高いコントロールをすることができると思います。

 

 

2人ともショットが安定しているタイプなので、この強みを活かすことで常に有利に試合を進めることができるのではないでしょうか。

初戦のアメリカ戦に勝てるかどうかがポイント

今回の世界最終予選では、日本は初戦のアメリカ戦が大事。アメリカは、男子と女子、4人制のトップチームの選手2人が組んで出てくる。今回の出場14チームの中で世界ランキングは上位なので、アメリカに勝って、リズムをつくれれば、続く試合を、いいムードのなかで乗り切れるのではと思います。

 

アメリカ 男子 北京代表

 

厳しい戦いになるのは間違いないですが、MDは、本当に差が出にくいというか、4人制のように圧倒的に上位グループという分け方があんまりできないです。今、挙げた例えば、アメリカは世界ランキング5位だが、実際は初めて出てくるペアなので、本当に上位かどうかはわからない。新型コロナウイルスの影響で世界レベルの大会も少なく他のチームとの対戦成績が見えてない分、どんな結果になるか予想しにくい。

 

MDの場合は、4人制の強豪チームの選手が組んでいるペアに加えて、ミックスダブルスを中心にプレーしてきたペアにも侮れないチームがある。男女それぞれの4人制だとあまり見ないが、ずっとMDをやっていて上手い国が世界には結構多い。日本と同じグループBのエストニアも、そういうチームの1つです。そういうチームがいるので本当に全チームが競っていると思います。

最終予選の独特の空気感に負けない戦いを

 

初めに厳しい戦いと言いましたが、日本の松村・谷田ペアにも十分にチャンスがあると思います。

 

MDでは持ち味のスイープを発揮できるショットを投げ、いい位置に石を置いていくことが有利にゲームを進める鍵となる。いかにドロー(止める)ショットでいい位置を抑え続けるかがポイントなので、2人のスイープ力とウェイトジャッジが最大限に生きてきます。

 

 

今までもそれができている試合では、このペアが国内で負けるイメージができないほど強かった。それを、最終予選の独特の空気感に負けずに普通に発揮できれば、五輪出場は決して難しいことだとは思いません。各チームの実力が競っているからこそ、いつも通りのショットを、いつも通りにできるかが勝負の分かれ目になるかと思います。

カーリング ミックスダブルス 

北京オリンピック世界最終予選

日本代表の試合予定

 

12月5日 日本 対 アメリカ

                 日本 対 ラトビア

12月6日 日本 対 韓国

                 日本 対 エストニア  

12月7日 日本 対 ニュージーランド

12月8日 日本 対 フィンランド

 

12月9日 予選リーグA2位 対 予選リーグB3位

      予選リーグA3位 対 予選リーグB2位

12月10日 予選リーグA1位 対 (A3位対B2位の勝者)

      予選リーグB1位 対 (A2位対B3位の勝者) 

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