ストーリー相撲

幕内復帰の阿炎 高まる “集中力” 終盤戦 注目の1人に 大相撲九州場所

2021-11-24 午後 0:20

7場所ぶりに幕内に戻った阿炎が連日、元気な姿を見せている。

 

 

10日目、初顔合わせの相手は翔猿。猿のように土俵を所狭しと動き回っての多彩な技が持ち味だ。

 

 

阿炎は難しい相手にも長い手をいかした回転の速い突っ張りで一気に前に出て突き出した。この日、NHKの大相撲中継で正面の解説を務めた元横綱・北の富士の北の富士勝昭さんは「1番いい戦法。小さくて何をするか、わからない相手には、よく見て突き放す、最高の相撲だ」と絶賛した。

 

2017年12月 新入幕を果たした大相撲初場所の番付表を手にする阿炎

 

27歳の阿炎は力強い突き押し相撲で順調に番付を上げ、3年前(H30)の初場所で新入幕。おととしの名古屋場所で新三役の小結昇進を果たした。ちゃめっ気のある性格も人気で、将来を期待された1人だった。

 

しかし、みずからの行動が周囲に大きな迷惑をかけることになる。新型コロナウイルスの感染拡大の中、去年の7月場所中などに複数回に渡って、接待を伴う飲食店に出入りしていたことが発覚。

 

日本相撲協会のガイドラインに違反したことなどから3場所出場停止と減給の懲戒処分を受けた。一から出直すことになり「相撲と向き合うことを意識していた。過去よりも先」と反省し、みずからと向き合った。

 

春場所初日 4場所ぶりに幕下で復帰した阿炎(右)

 

家族とも離れ相撲部屋で生活しながら稽古に励んできた。幕下まで番付が下がったが、ことしの春場所で復帰。着々と白星を挙げて7場所ぶりに幕内に復帰した。

 

場所前、番付表を見て阿炎は「また一歩進んでいこうと改めて思った。新しい気持ちで変わった自分を見せられる土俵にしたい」と決意を示した。

 

九州場所初日 千代丸を攻める阿炎(左) 押し出しで破る

 

前頭15枚目で臨んだ今場所「以前は、気が散っていたというか、そんなイメージだったが、今はすごく集中できている」と初日に勝ち名乗りを受け、その後も高い“集中力”で白星を重ねた。

 

九州場所6日目 とっくり投げで佐田の海を破る

 

6日目には相手の頭を両手で挟んで、ひねり倒す「とっくり投げ」で6連勝。9日目には関取になって最も早く勝ち越しを決めたものの「勝ち越しを意識していなかったのでうれしい。集中して相撲を取れているので、それがつながっている」と冷静だった。

 

 

1敗を守った10日目を終え「今は一番、一番、集中することを大事にしている」と慢心は見られない。

 

みずからの相撲を発揮して白星を重ねる阿炎に大相撲中継で解説をした元関脇・安美錦の安治川親方も「上位陣としては、終盤に対戦するのは怖い。上位との相撲が楽しみだ」と期待せずにはいられない様子だった。みずからが“生まれ変わった”と証明するためには、相撲で見せるしかない。

 

 

全勝の横綱・照ノ富士を平幕ではただひとり1敗で追う阿炎。日ごとに研ぎ澄まされてきたように見える“集中力“で、さらに星を伸ばし、横綱・大関陣を脅かす存在になることができるのか。終盤戦も阿炎の相撲から目が離せない。

この記事を書いた人

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持井 俊哉 記者

平成26年NHK入局

北九州局を経て、スポーツニュース部。小1から剣道をはじめ、現在、5段。「打って反省、打たれて感謝」をモットーに何事にも謙虚に誠実にチャレンジすることを目指す。

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