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特集 至近距離で繰り出される激しい攻防! 車いすフェンシング

パラスポーツ 2021年11月15日(月) 午後7:10

下半身に障害がある選手が車いすに乗って剣で突き合う「車いすフェンシング」。
一般のフェンシングでは前後に動いて間合いを取りますが、車いすフェンシングでは車輪が床にしっかり固定されていて移動ができないため、至近距離でのスピーディな攻防が見どころ!

種目は男女別に3種目

 

車いすフェンシングの競技は男女別で行われ、「フルーレ」「エペ」「サーブル」の3種目があります。「フルーレ」は、頭と腕を除く胴体を突きます。「エペ」は、上半身ならどこを突いてもOK。「サーブル」も上半身。突くだけでなく“切る”こともできます。

 


いずれも車いすを床にしっかり固定して、上半身の動きのみで戦います。

障害の重さによってクラス分け

 

競技は障害の重さにより、2つのクラスに分かれています。主な違いは、体幹の機能があるかないか。

 

腹筋や背筋を使え、体幹を維持できる選手はカテゴリーAに。義足などを使い歩くことができる選手も、車いすに乗ってプレーします。一方、脊髄損傷などで体幹の機能が弱い選手はカテゴリーBになります。

 


たとえば日本が誇る有力選手・藤田道宣選手の場合、頚椎損傷による半身不随でクラス分けはカテゴリーB。

 


藤田選手は上半身にも麻痺があるため、テーブで剣を右腕に固定して試合に臨みます。

距離に角度…車いすの置き方にルールあり!

 

使用する車いすは競技専用のもの。上体が自由に動かせるよう、背もたれは低くなっています。

 


車いすは、「ピスト」と呼ばれる土台に車輪をガッチリ固定。

 


ちなみに車いすの置き方にも特徴があります。センターのバーに対し、車いすの角度は110度。

 


2つの車いすの距離は、剣を持つ腕を伸ばし、相手が直角に出した“肘の裏”に届くところ。

 


つまり、手を伸ばしただけでは相手の体に届かず上半身を動かすので、戦いが激しくなるんです。

逃げにくいから○○に要注意⁉

 

試合中は相手選手のするどい突きを避けるべく、選手が「スウェーバック」と呼ばれるものすごい反りを見せることも!

 


腹筋を使わないのになぜこんなことができるの…?その秘密は左手。剣を持たない左手の腕力で体を引きつけているのです。

 


逆に、突くときも左手で体を前に押し出します。

 


だから選手は剣を持たない腕も日々鍛えているんです。

 


一方、試合中は股間ばかり狙われることも…。スウェーバックしても逃げにくい股間は狙われやすいので、要注意なんです!

剣にもさまざまな仕掛けが!

 

「フルーレ」の場合、剣は柔らかく、しなるのが特徴。

 


相手選手の頭を越して背中を一突きできるほど!

 


剣の長さはおよそ110cm。

 


剣の先端はボールペンのおしりみたいに引っ込むようになっています。

 


500グラム以上の力で突くとビリっと電気が通ってランプが点灯し、ポイントゲット!

 


試合は3分のセットを3回行い、15ポイントを先取。または終了時に多くのポイントを取っている方が勝者となります。

 


また「フルーレ」では、もし相打ちになったら先に攻撃をしかけたほうが有利になる“攻撃権”があるので、どちらの選手も積極敵に攻撃をしかけます。

 

 

一瞬たりとも見逃せない、手に汗握るスピーディな展開が魅力の車いすフェンシング。至近距離で繰り出される両者の巧みな技に注目です!

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