ストーリー野球

松井秀喜×上原浩治 NY対談 完全版!

2021-10-17 午後 02:00

10月10日のサンデースポーツで放送した、松井秀喜さんと上原浩治さんの対談。かつて巨人の「4番」と「エース」として活躍。大リーグでは共にワールドチャンピオンにも輝いた二人。ニューヨークで実現した豪華対談を、放送に入りきらなかった未公開トークを含め、完全版でお届けします!

「なんか緊張しますね」

上原 今日はよろしくお願いします。なんか…緊張しますね。

 

松井 緊張するというか、「このシチュエーション」笑っちゃうでしょ(笑)。

 

上原 ちなみに松井さん、僕がNHKの仕事やってるの知ってました?

 

松井 いや知らなかったよ。なんかサンデースポーツにたまに出ているっていうのは聞いていたけど、毎週出てるんでしょ?

 

上原 そうです!毎週出てるんです!見たことはないですか?

 

松井 見たこと?…今度DVD送ってよ。

 

上原 見たことなさそうですね(笑)!

 

松井 こっちでも昼ぐらいにサンデースポーツはやってるんだよ。見てないけど(笑)。まあサンデースポーツより「おかあさんといっしょ」見ている方が多いな。

 

 

上原 今回ね、松井さんとお話できるとなって、僕の中でも構想があったんですよ。松井さんにオファーした時は、ワイルドカード争いでヤンキースがレッドソックスに勝ってたんです。だから僕は、ヤンキースとレッドソックスのワイルドカードゲームをヤンキースタジアムでやると思ってたんですよ。このままいけば、ヤンキースの試合だし松井さんも球場に来るだろう、澤村(拓一)もボストンの登録メンバーに入って、試合に投げるだろう。と思っていたら、ヤンキースがこけちゃって試合はボストンになってしまって…。澤村もメンバー外ですし。でも僕は昨日、ボストンでの試合見に行ってきました。

 

※10月6日のワイルドカードゲーム、レッドソックス対ヤンキースの試合は、6-2でレッドソックスが勝利。両チーム合わせて4本のホームランが出る打撃戦だった。

 

上原さんは試合前に澤村投手を取材

 

松井 まあ、NHKの仕事だもんな(笑)。ということは、きょうの朝ニューヨークに来たの?

 

上原 朝3時45分起きです。ほぼ寝てないです。

 

松井 働くね(笑)。尊敬するよ。

緊迫のプレーオフも「つまんなかったね」

松井 それにしてもつまんないゲームだったけどね。

 

上原 つまんないって(笑)!それを言えるのはたぶん松井さんだけだと思います。それは、「ヤンキース側として」ということですか?

 

松井 「野球マニアとして」ちょっと面白くなかったよね。どう思った?あのゲーム内容。

 

上原 まあ流れ的には、完全にボストンの流れで試合していましたよね。ヤンキースは先発の(ゲリット・)コールがイマイチでしたね。

 

松井 まずコールがダメだったし、ちょっとヤンキースはミスが多かったよね。全然手に汗握るものがなかった。打線の9人が、みんな同じようなアプローチで打っていたし。みんな「ホームランか三振か」みたいな。

 

上原 でも、今の野球はそういう試合多くないですか。

 

松井 今の野球…って言うほどあまり試合見てないんだけどね。おれ夜寝るのは早いから。子どもたちと一緒に寝ちゃうから、ナイターは結構きついんだよ(笑)。でも昨日の試合はそう感じたよね。打順によって自分の役割はこうだから、こういうバッティングにしよう、みたいな意図はテレビで見ていて感じなかったな。

 

上原 松井さんがいた時、世界一になったときの2009年のヤンキースは、そういう役割はありました?

 

2009年 松井さんはヤンキースでワールドシリーズMVPに

 

松井 もうちょっとあったと思うけどね。もちろんみんなホームラン打てたけど、打線としてつながるとか、フォアボールを絡めてどうやって点を取るかとか。

 

上原 あの時は松井さん、四番を打ってましたよね。

 

松井 四番か五番。A-ロッド(アレックス・ロドリゲス)が戻ってきてからは大体五番が多かったかな。

 

上原 僕のイメージですけど、やっぱり四番や五番はホームランと打点が多いバッターなんですけど、きのうのヤンキースの四番と五番はそんなに打点を上げてないですし、打率も2割前後ぐらいのバッターで。

 

松井 僕がやってたのはもう10年以上前だけど、やっぱり全体的な野球の質がね、ちょっと変わってきたんじゃないかな、という気はします。

今の巨人をどう思う?

上原 日本の野球もあまり見てないですか。

 

松井 映像は見られないよね。もちろん結果はチェックしてるよ。

 

上原 やっぱりジャイアンツが一番気になりますか。

 

松井 もちろんそりゃそうですよ!

 

上原 僕らは日本でジャイアンツでしかプレーしていないので、やっぱりジャイアンツのことが一番気になりますよね。僕は今こういう仕事しているので、もうちょっと12球団平等に見ないといけないのかな、という思いも多少あるんですけど。

 

松井 まあ、あなたの場合は最近までいたからね。

 

上原 で、今のジャイアンツについて、どう感じてます?

 

松井 まあ私がいたのはもう20年ぐらい前だからね。それからはキャンプにお邪魔したことはあるけど…。自分がいた時のイメージとはちょっと違うのかな、という感じはしますけどね。それは良いとか悪いとかじゃなくて。

 

松井さんは短期間キャンプで巨人の野手陣を指導

 

上原 松井さんがキャンプでジャイアンツに行かれた時に指導した選手といえば、(坂本)勇人や岡本(和真)ですか。

 

松井 そうだね。でも、自分がいたのは10日間ぐらいだから。その中でどれだけ影響力があったかはちょっとわからないですけど、彼らが今チームの中心となってね、まあ坂本くんなんかは前からずっとそうですけど、打線の中心で頑張ってくれているので、応援しやすいですよね。

 

上原 ただ、きょうの試合もヤクルトに完封負けだったんですけど…。

 

松井 この時期にああいう試合はちょっと見ていて厳しいよね。打線は良いし、もともと力のあるチームだと思うんだけどな。

変わる日米の野球

上原 それで今、ヤクルトの勢いがすごいんです。僕思うんですけど、高津(臣吾)さんが監督のヤクルトが今首位にいる。パリーグも、井口(資仁)さんが監督のロッテが今シーズン良いじゃないですか。その2人はメジャーを経験しているんですよね。やっぱりメジャー指向の野球が、その二人の中には流れているのかなと思うんですけど、松井さんは感じませんか。

 

松井 どうだろう、そこまで深くはわからないんだけど、でも絶対にアメリカで経験したことはね、お二人の中に大きく残っていると思う。それが今のチームにどういう影響を及ぼしてるか、多少はあるんじゃないかなと思いますね。

 

上原 昔は二番バッターといったら、送りバントやエンドランとか、小技のバッターが多かったですけど、今は日本でもあまりそういう二番バッターがいなくなってきました。あとは守備位置のシフトもそうですし、アメリカから持ちこまれたものが、今日本の野球に広まっているような気がするんですよね。

 

 

松井 アメリカは確かにここ10年ぐらい「データ重視」で、いろいろなことをコンピュータで分析して、チームを動かしていくのが主流になってきましたから。日本もそれでシフトとかを導入し始めてるんじゃないかな。まあピッチャーの投げる球種とかも、私が日本にいたころは、例えばツーシームやカットボールを投げるピッチャーはそんなにいなかったから、こっちに来て最初はちょっと手こずったけど、逆に今は日本でもそういうピッチャーすごい多いでしょ。それで今アメリカでは、逆に「高めのまっすぐ」のフォーシームがすごく見直されている。

 

上原 たしかに、みんな高めに100マイル近いボール投げますよね。

 

松井 ガンガン投げるでしょ。だから面白いよね。日本とアメリカで主流となる戦術が行ったり来たりしているみたいで。

 

上原 データでいうと、松井さんのヤンキース時代は、相手ピッチャーの特徴、回転数とかのデータはかなり見てました?

 

松井 私のころはまだ回転数のデータは見ていなかったと思うけどね。「トラックマン」とかもそんなになかったと思うから。もちろんそのピッチャーの特徴は、ビデオとかで最低限は頭に入れてましたけど、何回も対戦するような相手はあまり見なかったな。やっぱりそういうデータよりも、打席で見た自分の感覚、生きたものが、一番自分の中では信じられるものだから。

 

上原 やっぱりデータよりも自分。

 

松井 そうだね、自分が打席で見たもの。対戦したことないピッチャーは、最低限のデータは入れるけど、ある程度自分の中で「タイプに当てはめる」ね。このピッチャーはあのピッチャーと似てるな、とか。あのピッチャーと対戦するときは自分のアプローチはこうだから、同じ戦略でいってみようか、とか。

松井が感じた「すごいピッチャー」

上原 その中で、松井さんがメジャーで対戦して「やっぱこいつはすごかったな」っていうピッチャーは誰ですか。データを見ても、こいつは打てねぇ、みたいな。

 

松井 そういうことは自分の気持ちの中では、思いたくなかったかな。でもやっぱり最初に「すごいな」と思ったのはペドロ・マルティネス(元レッドソックスなど)とロイ・ハラデイ(元ブルージェイズなど)。ペドロもまだ元気な頃だったからね。「地を這うストレート」って言うでしょ?それを体感したのは彼が初めてだったな。低めのボールだと思ったら、浮き上がってくる。彼はスリークォーター気味に投げるから、普通は低めが上がってくるイメージはないんだよ。最初の打席は、それで見逃し三振。すごい印象に残ったね。

 

ペドロ・マルティネス

 

上原 でもその後は結構打ってましたよね。

 

松井 その後はね、彼のスピードは、もう全盛期ではなかったから。あとはバッターとしては、ハラデイのシンカーがすごかったな。

 

上原 いわゆる「動くボール」ですよね。

 

松井 そう、ハラデイはやっぱり、シンカーとカッター(カットボール)でしょ。まっすぐはほとんど投げなかった。あれは何がすごいって、シンカーとカッターが同じスピードなんだよね。だから途中まで同じスピードで来て、そこから内に食い込んでくるか、外に落ちて行くか、どっちにいくかわからない。それが一番バッターとしてはきついのよ。見極めがつきづらかったからね。さらに、すごいカーブも投げていたから、彼は印象に残っているな。「見たことないピッチャー」というのは、その2人が最初だった。

 

ロイ・ハラデイ

 

上原 そのボール、僕も生で見たかったですね。

 

松井 まああなたのフォークも「見たことないボール」だけどね(笑)。

 

上原 ありがとうございます(笑)。

松井が語る「大谷翔平」

上原 今年メジャーですごかったといえば、エンジェルスの大谷翔平選手ですけど、松井さんはどう見ていましたか?二刀流いけるいけないとか。

 

松井 二刀流でいけないというのは、自分の中ではなかったですけどね。それは本人がやりたいという意思をもって、球団がそれをやってもいいよと言ってるなら、それはもうやった方がいいんじゃないかなと思いますよ。

 

上原 あんなにホームラン打つとは思ってましたか。

 

松井 今年はまあ、思ってなかったというよりも、予想を立てていなかったからね。でも46本か。

 

上原 すごいですよね。

 

松井 やっぱりパワーというか、あの飛距離は今までの日本選手でいなかったんじゃない?

 

上原 打球を見ても、彼はライナーでホームラン打てるじゃないですか。(アーロン・)ジャッジや(ジャンカルロ・)スタントンみたいな打球で、彼らと同じような角度でホームランになる。

 

松井 レフトにも大きな当たりを打てるよね。それが彼の最大の魅力だとは思います。

 

 

上原 それでましてやピッチャーでも9勝。あれだけの成績を残して、今年1年間は本当にフル稼働しました。外から見ていると、来年が心配になるというか、そういう気持ちにならないですか。

 

松井 身体さえ健康で、気持ちが充実していれば大丈夫なんじゃない?でも誰もやったことないことをやってるわけですから、そこは彼にしかわからないところでしょうけど。でも今年1年、怪我なくやってきて、まだ若い。だからまあ大丈夫じゃないかなと思いますよ。

 

上原 松井さんも日本にいた時は「長距離砲」と言われていましたけど、大谷選手はメジャーであれだけのバッティング、松井さんのホームラン数を超えるような活躍を見せました。エンジェルスと強豪のヤンキースではチームの違いもあるでしょうし、松井さんはチーム事情でホームランを抑えて、チームバッティングをしていたんじゃないかとも思うんですが、どうだったんですか?

 

松井 でも日本とアメリカで、私が打席で何か特別に変えたかというと、そんなに変えてないんですよ。ただ単に外的要素が違ったというか。例えば1年目は相手ピッチャーのこと全然わかんないし。ボールも飛ばなかったし球場も日本より広かったし。そういうことがあって、ホームランはやっぱり減りました。自分の役割というのも、シチュエーションによっては考えましたけど、まあ基本的にはほとんど変えてないですよ。このピッチャー打つにはどうしたらいいかなと考えるのは、日本もアメリカも一緒だったような気がしますね。

 

上原 外的要因でホームランが減ったという話でしたけど、率直な質問でホームランって狙って打てるもんなんですか。

 

松井 良い質問だねぇ。狙って打つ、というかこのタイプのピッチャーなら打てる確率は高くなるだろうな、っていうのはあるかな。相手の持ってる球種とかを含めて。

 

上原 どういうタイプだと、ホームランいけるかなと思うんですか。

 

松井 自分の中では、ピッチャーがボールを投げて、手から離れた瞬間にボールが予想しやすいピッチャーは、やっぱり狙いやすいね。それは相手がどういう球種を持っていて、ある程度軌道もわかっている場合だけど。ピッチャーから、ボールがどういう軌道を描いてくるか、そして最後に自分がここで打つ、というイメージがわきやすいピッチャーっているんだよ。

 

上原 まっすぐ、スライダー、全部の軌道が頭の中に入ってると。

 

松井 あと、ストレート系を意識しても変化球が気にならないピッチャーも、やっぱりいるんだよね。私は基本的にいつもストレート系を待つんだけど、このピッチャーだったらストレート系を意識しても、変化球でも甘い球だったら対応出来るな、意識しなくていいなっていう。だからね、あなたみたいにフォークを意識しなくちゃいけないピッチャーは「めんどくさい」んだよ。

 

上原 「めんどくさい」。良い言葉いただきました(笑)。

日本のバッターが成功するためには

上原 大谷選手がバッティングでも活躍して、日本の選手がアメリカでもっと注目を浴びるようになると思うんです。これからもFA、ポスティングでメジャーに挑戦する選手は続いていくと思うんですけど、松井さんの考えでは、野手ならどういうタイプの選手がアメリカでも成功すると思いますか。

 

松井 大谷選手みたいな、あのスケールの選手はね、やっぱりなかなかすぐ出てこないと思うよ。そういう意味では、筒香(嘉智)くんなんかもね、最初は苦しんでいましたけど、パイレーツに移ってシーズンの最後はそれなりに頑張りましたよね。自分の「色」というか、特徴をどれだけ出せるかによるんじゃないかな。選手としてのタイプというよりも、自分の色をどれだけ出せるか。

 

 

上原 今の野球って、やっぱりホームランを求められますよね。筒香選手はホームランが打てましたけど、例えば秋山(翔吾)選手も苦労しているじゃないですか。それはやっぱりホームランが打てないからですかね。

 

松井 でも彼はチームからホームランは多分求められていないんじゃない。だから彼は3割前後ぐらい率が打てれば、チームからしたら万々歳でしょ。彼は足も速いし守備も上手い。でもやっぱり打てないと厳しい。やっぱりね、日本人の選手は「ある程度足が速くて守備が上手い」みたいなイメージがあるから。「私みたいに」ね。

 

上原 …。

 

松井 …すぐ笑えよ!

 

上原 すいません。笑っていいところかどうか(笑)。

 

松井 困ったじゃねーかよ(笑)。だからやっぱり、アメリカの野球に先入観があると、打てないと厳しいと思います。

 

上原 例えば、日本で今ホームラン30本以上打てるバッターがアメリカに挑戦しても、打率を求めるんじゃなくて、そのままホームランを求めていった方が、成功する確率は高いかもしれない?

 

 

松井 あまり「日本用」「メジャー用」みたいな考えは、ないほうがいいんじゃないのかな。その中で自分の「色」というか特徴をどれだけ出せるかによるんじゃない?もちろん微調整はするでしょうけど、自分の選手としての「タイプ」まで変える必要はないような気がしますね。その最も大きな成功例がイチローさんでしょ。イチローさんは自分の特徴、強みを難なく発揮した。とにかく走攻守、全部高いレベルで出せるというのが、やっぱりイチローさんの「色」。それを最大限に出せたから。

 

上原 先日、僕が筒香選手にインタビューした時に、まさしくそういう考えでしたね。彼もアメリカに来て、ちょっと「アメリカ流」の打撃に変えた。それで失敗したけど、ドジャースのマイナーに落ちて、もう一度日本の時のフォーム、打ち方に戻したら良い感じになった。そしてパイレーツに行って成功したと言っていましたから。選手として、変に変える必要はないと。

 

松井 自分が長い時間かけて、ある程度築き上げてきたものがあるでしょ。やっぱりそこを大きな土台にしながら戦っていかなくちゃいけない。そこまで変えちゃう必要はないような気がします。

 

 

上原 僕もこっちに来た1年目、周りを見るとみんなデカいじゃないですか。だから自分もちょっと体重を増やしたり、ウエイト増やしたりして、体を大きくしたんです。そしたらすぐ怪我しましたね。

 

松井 それまでもよく怪我してたじゃん。

 

上原 はい(笑)。まあ怪我は毎年してましたね。

 

松井 そんなことはない(笑)。元気な選手だったよ。

 

上原 自分もそこでもう一回体重落として、自分の選手としてのタイプというものがあるんだなと思ったので。だから自分で自分のことをわからないとダメですよね。

 

松井 あとは性格とか考え方とか、そういうところで少しずつ違いが出てくるんじゃないかと思いますけど。頭がいい人はね、しぶとく生き残るんですよ。

松井だけが知る「長嶋さん」

上原 松井さんは生活の拠点がアメリカですけど、ほぼ日本には行かれてないですか。

 

松井 何か用事とか仕事が入らない限りはちょっとないかな。それこそコロナウイルスになっちゃって、日本に全然帰れなくなっちゃったから。だからこの前、7月に帰ったのが2年ぶりだったね。

 

上原 あの、オリンピック開会式の聖火ランナーの時。

 

松井 そうそう。あれが2年ぶりぐらい。

 

オリンピック開会式で、長嶋さん、王さんと共に聖火ランナーに

 

上原 聖火ランナーの時、長嶋さんを支えながら、一緒に走ってましたけど、普段は長嶋さんと会ったりはしてるんですか。

 

松井 日本に帰ったら、挨拶は必ず行きますよ。

 

上原 どんなお話されるんですか。

 

松井 やっぱりジャイアンツの話が多いかな。長嶋さんの話ってね、聞いてると面白いですよ。ほら、みんな長嶋さんの話って、面白おかしい話ばっかりするけど、そうじゃなくてね、本当に長嶋さんの野球の話を個人的に聞かせてもらっているとすごい面白いなと、良い意味で勉強になります。

 

上原 それがもっと世に出るチャンスはないんですかね?長嶋さんと松井さんの話。

 

松井 うん、時が来れば、話しましょう。

 

 

上原 それは松井さんの口からですね。

 

松井 いろいろね、教わったことがいっぱいあるから。

松井秀喜 将来の青写真は?

上原 これから松井さんの将来、どうしていこうと考えてるんですか。

 

 

松井 将来の青写真はないよね。自分の中で例えばこれがしたいとか、確固たるものはないかな。まあもちろん、ファウンデーション(基金・財団)で野球を教えるとか、そういうことはやってるけど。例えばユニフォームを着るとかね、そういうことまではまだ今は全然ないな。それはやっぱり自分だけの問題じゃないから。お話をいただいて、初めて成り立つ話。

 

上原 ヤンキースのマイナーのコーチは、今やられてるんですか。

 

松井 今はやってないですね。コロナ以降は、人数制限で球場に入れなくなっちゃったんで。だから去年からは行けてない。

 

上原 コロナが落ち着けばまたあるかも?

 

松井 まあそうなるかもしれないですね。まだ来年の話まではまだしてないですけど。

 

上原 あの、イチローさんがたまにニュースに出るときって、シアトルのユニフォームを着ていることが多いじゃないですか。松井さんの、ヤンキースのユニフォーム姿は最近見られてないなって僕自身思ったので。

 

松井 2年前までは、マイナーではよく着てたけどね。

 

上原 コロナが落ち着けばまた、マイナーのコーチであったり、日本にも行ったり。

 

松井 まあお呼びがかかれば、また行くかもしれないですね。ところで、あなたの将来はないの?自分の将来。

 

上原 えぇと、僕はNHKさんを大事にしてます(笑)。

 

松井 それは当然でしょ。

 

上原 あの、ひとつ言っていいですか?いつも遠出(のロケ)した時に、こうやってカメラを(NHKから)持ってくるんです。いつも1台なんですよ。でもきょう来たらびっくりしました。5台あるんですよ!

 

松井 それはニューヨークにNHKのオフィスがあるからでしょ。なかったら1台だよ、絶対。

 

上原 いやこれ、やっぱり「松井さんの力」ってすごいな…って。

 

松井 だってNHKすぐそこにあるもん。おれの力じゃないよ(笑)。

 

 

上原 僕自身は本当に、今はNHKさんとの契約が残っているので、サンデースポーツで週一回の仕事があります。他は別に考えてないですね。来た仕事をしていくというか。

 

松井 でも自分が培ってきたものがあるわけじゃない?ピッチングに関してね。それはやっぱり、誰かに教えてあげたいとか。そういう気持ちはあるでしょ。

 

上原 教えてあげたいというか、教えてくださいと言われたら、もちろんという感じですよね。

上原さんから松井さんにお願い!

松井 息子さんはいくつだっけ?野球やってるんでしょ?

 

上原 15歳です。だから松井さん、バッティング教えてくださいよ。息子は左(打ち)なんです。

 

松井 ああ、バッターもやってるんだ。投げるところはネットかなんかで見たことあるな。

 

上原 投げるのも左ですし、打つのも左なんです。

 

松井 ピッチャーやりながらバッターもやるんだ。まあでも、「お父さんのバッティング」を見ていると、ちょっと心配だよね。

 

上原 はい、だから僕は絶対教えないです(笑)。

 

松井 それこそ、「ビッグパピ(デイビッド・オルティス。上原さんのレッドソックス時代のチームメイト)」に教えてもらえばいいじゃない。

 

レッドソックス時代の上原さんとオルティス

 

上原 パピのお子さんは、みなさんIMGアカデミー(上原さんの息子が通っているアカデミー)にいないんですよね。きのうもボストンでの試合中、パピにずっとメールしてたんですよ。「おれ今ボストンにいるねん」ってメールで送ったら、「おれはマイアミにいる」って。

 

松井 マイアミに住んでるんだ。

 

上原 「おれは日本からボストンに来ているのに!」って言ったら「球場の写真送ってこい」って返ってきました(笑)。

巨人復帰の噂は…

上原 話を戻しますけど、これからもずっと拠点はアメリカになるんですかね。

 

松井 基本的にはそうなるかなとは思うけどね。例えば日本でユニフォームを着て、という時は単身赴任じゃないですか。

 

上原 コーチや監督に、っていう話は、まあ毎年のようにあるのかもしれないですけど。

 

松井 ないですよ!ないない(笑)。

 

上原 いや、もう常に(巨人の次の)監督は?となった時には、松井さんの名前が絶対あがるじゃないですか。

 

松井 それはあくまでも噂とかね、メディアのみなさんが煽っていますけど、実際はないですよ。

 

上原 そこはちゃんと本人に聞かないとわからない部分ですよね。

 

 

松井 自分はどうなの、あるの?

 

上原 全くないんですよ(笑)。

 

松井 嘘!ありそうじゃん。

 

上原 いやいや僕もないですよ、僕はあの、「ジャイアンツ以外」からお話はあるんですけどジャイアンツはないんですよね。

 

松井 それはおかしいよね。まあでも、僕らまだまだ若いですからね。

 

上原 でもヨシノブ(高橋由伸)がもう先に監督やりましたよ。

 

松井 彼はやっぱりずっと、ジャイアンツで最後までプレーしていたし、たまたま原さんから交代という時に、なかなか適任者がいないから、彼になったんだろうね。

 

上原 今(阿部)慎之助が二軍監督をやってて、最近は配置転換みたいな感じで一軍に帯同してるんです。もし、もしですよ、慎之助が監督をやるとなって、松井さんに「コーチをお願いします」って話が来たらどうします?

 

松井 来ないでしょ(笑)。来ない来ない。慎之助が「松井さんお願いします」って?それは来ないんじゃない?あなたの方が来るんじゃないの。

 

原監督と阿部コーチ

 

上原 「しゃべりやすい」という点では、そうかもしれないですけど。

 

松井 でも我々の世代の選手たちが、こうやって少しずつ指導者で頑張っていると、それはそれで嬉しいですよ。応援しやすいですしね。

 

上原 松井さんは慎之助とプレーしたのは1年?2年ですか?

 

松井 2年だね。

 

上原 じゃあ、そんなに知らない仲でもないじゃないですか。

 

松井 彼が最初に入ってきたときは、ちょうど村田(真一)さんが現役最後の年だったでしょ。長嶋(茂雄)さんが「慎之助を使う」と決めて、彼なりに村田さんにも気を遣いながら、でも試合で1年目は結構大変そうだったよな。

 

上原 ルーキーでいきなりマスク被ってましたからね。

 

松井 でも打つ方はやっぱり最初から、いいバッターだった。キャッチャーで2000本(ヒット)打って、生涯打率も3割近く打ったわけでしょ。あれだけのバッターになったのも、あの1年目2年目の経験があったからじゃないかなと思いますけど。

 

上原 うん、すごいバッターになりましたよね。

出会って20年 そしてこれから

上原 松井さんと出会って、もう20年以上経ちましたね。

 

松井 本当だよね。そうだね、20何年。

 

上原 僕がルーキーの時ですから22歳、23歳か。

 

松井 あっという間だよね。でも一緒にやってたのは、4年だけだもんね。

 

 

上原 4年ですね。でもその4年は、僕の中ではすごく濃かったです。

 

松井 今思うと良い時代だったね。良いメンバーがいたしね。

 

上原 良いメンバーに巡り会いましたよね、本当に。

 

松井 そういう意味では、あの頃の選手が指導者になってるから、応援しやすいんですよ。

 

上原 あの当時のメンバーだと、ヨシノブは今もジャイアンツの関係の仕事をしてますし、仁志(敏久)さんはDeNAで二軍監督やってますね。

 

松井 二岡(智宏・ジャイアンツ三軍監督)も慎之助もコーチやってるし、清水(隆行)さんも前コーチやってたよね。

 

上原 はい。今は解説者ですね。

 

松井 でもまたユニフォームを着るとかじゃなくても、またみんなで集まりたいよね。

 

上原 あの当時のメンバー、良いですね。

 

松井 くだらない話でもしながら。

 

上原 やりたいですね!そういうの。でも、あのメンバーで仕切るといったら、誰なんだっていう話ですね(笑)。

 

松井 …いないね(笑)!

 

上原 いないですね!個性派の集まりでしたからね。

 

松井 潤滑油的な人間にね、そういう仕事はやってもらわないと。

 

上原 これからどうなるのか。松井さん情報をぜひNHKで追いかけましょう(笑)!きょうはありがとうございました!

 

松井 ありがとうございました。

 

 

サンデースポーツ/サタデースポーツ

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