ストーリー野球

ヤクルト・塩見泰隆 飛躍の秘密とは?

2021-10-09 午後 08:10

10月8日、阪神との上位対決を制し、優勝マジック「11」を点灯させたヤクルト。1番打者として好調のチームを引っ張るのが、塩見泰隆選手(28)です。

ここまで124試合に出場して、打率. 294、盗塁21はともにチームトップの成績(10月8日時点)。

9月18日の巨人戦ではプロ野球史上71人目のサイクルヒットを達成するなど、好調・ヤクルト打線の原動力となっています。

 

プロ4年目に遂げた大きな飛躍。10月9日のサタデースポーツでは紹介できなかったインタビューも含めてたっぷりとお伝えします。聞き手は副島萌生アナウンサーです。

意外!!「じつはメンタル弱いです」

副島)今シーズン、好調な打撃を維持できている要因はどんなところにありますか?

 

 

塩見)まだまだ全然出来ていないんですけど、去年よりはメンタルというところで安定してきたのかなというところと、もう一つはいろんな先輩から技術的なことも、配球的なところとかもいろいろ教えてもらって役に立っています。

 

副島)「メンタルの安定」という言葉がありましたけど、具体的にどういうところが変わりましたか?

 

塩見)やっぱり去年、一昨年までは打たなきゃいけないという気持ちや、打ちたいという気持ちが先行してしまって、空回りして普段通りに打席に立てなかったということが多かったので、それをうまくコントロールできているのかなという印象ですね。

 

副島)変わったのには、何かきっかけがあったんですか?

 

塩見)メンタルの先生というかそういう人と一緒にしゃべって、どういう気持ちで打席に入ればいいとか、教えてもらいながらシーズン中にやってきました。

 

副島)今は、どういった気持ちで打席に入れているんですか?

 

塩見)「打ちたい」とかじゃなくて「打てる」とか、「できる」とか、でもそれでもだめな時もあるので、そういう時は逆に「何とかなるでしょう」みたいな軽い気持ちで打席に入るようにしています。

 

副島)3年目までの成績で、焦りを感じることはなかったですか?

 

塩見)めちゃめちゃありました。僕は社会人から来ているので、1年目から結果を出さなきゃいけないというところが本当に大きかったので、1年目からずっと焦りはありました。

 

副島)お話を聞いていると…、塩見選手、けっこう悩むタイプですか?

 

塩見)めちゃめちゃ悩みます!相当悩みます!

 

 

副島)昨シーズンまでの3年間はネガティブに考えがちだったんですか?

 

塩見)そうですね、相当ネガティブですね。チームで1番ネガティブなんじゃないかというくらいネガティブになります。「ダメだ…」と。

 

副島)そうなんですか!塩見選手は「ムードメーカー」だという声をよく伺うんですけど…。

 

塩見)結果が伴ったりだとか、満足いく打席だったりとかを送れれば、ある程度明るくはできるんですけど、やっぱり打席を繰り返していって自分が思うようにいかなかったりすると、落ち込んじゃうというか、暗くなっちゃうので、それは今年も何回かあって、まだまだなおしていかなきゃいけないなと思います。

 

副島)そんな中でも、気持ちを切り替えて成績を残し続けている今シーズン、すごいなと思うんですけれど、いかがですか?

 

塩見)いやまぐれです。まぐれ(笑)。

ありがたい!先輩たちのアドバイス

副島)チームの先輩からもアドバイスを受けているということですが、どのようなアドバイスなんですか?

 

塩見)キャッチャーの嶋基宏さんからは配球的な部分が多くて、僕、あまり配球を読むのが得意じゃないので、自分から聞きに行って「この打席はこういうボールが多いんですかね?」とかいろいろ話しながら、狙い球を絞れるようになったのが大きいです。

 

 

副島)試合中も配球のことについて聞いているんですか?

 

塩見)はい。いつも試合前だったら「今日の入り球なんですかね」とか、あとは試合中も、試合の展開、打席とかをずっと見てくれているので、「次の打席はこの球が多くなるんじゃないかな」とか「俺だったらこういう配球するよ」みたいなアドバイスをもらったりとかしてます。

 

副島)心強いですね。そういった先輩がいるのは。

 

塩見)そうですね。かなり安心して打席に、もう嶋さんの言葉を信じて打席に入れるので、そこもいいところかなと思います。

 

 

塩見)あとは川端慎吾さん。最近もずっとそうなんですけど、打撃フォームだったり、バットの出し方だったりを教えてもらいながら一緒に練習させてもらって、そこからよくなったのかなというふうに思います。

 

副島)バッティングフォームはどういう風に改善したんですか?

 

塩見)悪くなってくると、やっぱりホームランが打ちたいってなってきて、バットの後ろが大きくなってしまって、速い球に差し込まれたりとか、確率が悪いので、そこは一発で(バットを最短で)出すようなイメージでいつも練習してます。

 

副島)それは川端選手から指摘してもらったことなんですか?

 

塩見)そうですね。いつも言われていることなので。

 

副島)そういったところもメンタルの安定につながっている面もありますか?

 

塩見)だいぶあると思います。

 

副島)高津監督はおととしまで2軍監督でいらっしゃいましたけれど、印象に残っている言葉などはありますか?

 

塩見)いつも、打っても打たなくても、僕がサイクル打った次の日とかも、「サイクル忘れて」とか軽いノリというか、三振した日も「忘れて、忘れて」とか「次、次だよ」というような、ふざけてなのかわからないですけど、そういう言葉をかけられて楽に打席には立ててます。変なプレッシャーとかはないですね。

 

副島)サイクルヒットといえば、それも川端選手から助言があって成し遂げられたという話も伺ったのですが?

 

塩見)それこそもうバットの出方ですね。(バットが)あおっていたので、そこはしっかり(最短でバットを)出そうということで、そこから良くなったという感じですかね。

「何でもできる」理想の1番打者へ

 

副島)今シーズンは1番バッターとして先発出場し続けていますけど、塩見選手自身はどんな1番バッターが理想だと思っていますか?

 

塩見)やっぱり出塁するっていうことが大事だと思ってます。その中で打点も稼げて、ホームランも打てるような、欲しがりなんですけど、何でもできるような1番バッターになりたいなと。小技もできる、そういう1番になりたいと思います。

 

副島)言葉通り出塁率も3割7分(10月6日取材時)を超えてますし、打率、盗塁もチームトップですけど、ただ三振の数が多いですよね?どのように受け止めていますか?

 

塩見)相当受け止めてます。もういろいろと。三振は本当に多いですね。気になっちゃって、逆に気になりすぎて「もう三振したくない!」って思えば思うほど三振しちゃうんですよ。悪循環で。メンタルが弱いので。やっぱりまだまだ技術が足りないので、そこは練習して成長していくしかないですね。

 

副島)でも長打も多いですし、思い切りが良いことのあらわれなのかなと思いますがいかがでしょうか?

 

塩見)そうですね。僕の持ち味が思いきりぐらいしかないんで、そこは頑張って、初球からどんどん振っていってという感じなので。今のところはうまくいってますけど。そんな感じですね。

 

副島)控えめですね(笑)。ドラフトの同期には村上宗隆選手もいますけれど、刺激を受けることはありますか?

 

塩見)そうですね。やっぱり同期入団で入ってきたときに、僕は社会人であいつは高校生だったんで、最初はすごくかわいい、なんかガキンチョみたいな感じだったんですけど、それがほんとに僕より先に、もうすごい選手になっていて、それはすごく刺激になりました。「あいつが頑張ってるのに何してるんだろう」とか、そういう思いがすごくありました。

 

副島)今は一緒に活躍してますよね。

 

塩見)いやいやいや。全然向こうの方が凄いですよ。

6年ぶりの優勝へ「とにかく塁に出る」

 

副島)チームは6年ぶりの優勝に近づいていますけれど、どんな気持ちですか?

 

塩見)正直いつも緊張してるので、あんまり試合のことも覚えてないんですけど、なんとかチームに貢献できるように、いっぱい塁に出たいと思ってます。

 

副島)具体的に、どういう風にチームに貢献しようと思っていますか?

 

塩見)2番~7番まではみんなすごく良いバッターなので、特に2番・3番・4番がすごいバッターなので、僕が出塁すれば、大体返してくれるので、ほんとにもう塁に出るくらいですかね。ほんとそれだけです。塁に出る。

 

副島)雰囲気作りにおいてはどうでしょう?

 

塩見)雰囲気作りは、もう自分が打てなくても絶対にへこまないで、いつも通りメイクしていきます。いろんな意味で。

こぼれ話「大学時代のイノシシ伝説」

副島)もうひとつ、小耳に挟んだ噂なんですけど、塩見選手が大学時代にイノシシを追いかけていたと…。俊足はそこから生み出されたものなんでしょうか?

 

塩見)そこから生み出されたわけではないんですけれど…。

 

副島)事実ですか?

 

塩見)事実は事実です。ちっちゃいウリ坊みたいなやつなんですけど。みんなで捕まえようぜって言って3人ぐらいで追っかけてました。

 

副島)捕まえられたんですか?

 

塩見)捕まえられないです。あいつらほんとに猪突猛進じゃないんで結構くねくねするんですよ。ほんとに、意外と。ほんとですよこれ。まっすぐ走ってても「びやーっ!」と横に行ったりするんで、意外と猪突猛進じゃないです、イノシシ。

 

副島)意外にステップ踏むんですね。

 

塩見)そうです(笑)。

 

 

サタデ―スポーツ/サンデースポーツ

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