特集 新関脇 明生 必要なのは攻めの心 大相撲秋場所

新関脇として臨んだ今場所。苦戦が続いた明生は、14日目にようやく7勝7敗の五分に戻した。
14日目の相手は好調の阿武咲
この日の相手は今場所絶好調の平幕、阿武咲。強烈な突き押しが持ち味で星の差1つで新横綱を追って優勝争いに加わっている。その手ごわい相手に対して勝負を一瞬で決めた。立ち合いで左に動いて前に出てきた阿武咲をはたいた。
しかし、勝ち名乗りを受ける明生は顔をしかめ、納得がいかない様子。取組後は報道陣に対して何も語らず国技館をあとにした。取組を見た日本相撲協会の八角理事長は相撲内容に注文をつけた。
日本相撲協会 八角理事長
(明生は)上を目指すなら、守る気持ちにならないほうがいい。いい相撲で勝つ気持ちにならないと。
明生は、その“守りの気持ち”が土俵で出てこないか、場所前に気にしている様子だった。
明生(場所前の取材で)
(三役の)地位に上がってから『落ちたくない』という後ろ向きな考えが出てしまったときは、いい相撲が取れなかった。番付が落ちることを怖がらず攻めていきたい。
12日目は新横綱の照ノ富士から白星
守りの気持ちを抑えて持ち味を十分に発揮した取組では、しっかりと白星を挙げている明生。12日目の相手、照ノ富士との相撲だ。
横綱との一番を「特別な取組」と位置づけ、場所前から得意とするスピードある相撲に磨きをかけて挑んだ。
抜群の踏み込みから先手を取り、大きな相手に密着されても、がむしゃらに攻め続け、終始、主導権を握って最後は下手投げ。横綱から初めての白星を手にして大きな自信につながった。
勝ち越しかかる千秋楽の相手は妙義龍
千秋楽は34歳の妙義龍が相手。ただひとり3敗を守って新横綱を追い、優勝の可能性を残していてモチベーションの高いベテランとの対戦だ。
ただひとり3敗の妙義龍
明生に求められるのは横綱に土をつけたときのような攻めの心があふれる取組。
明生が7場所連続の勝ち越しがかかった一番で白星を挙げることが出来るか、しっかり見届けたい。
この記事を書いた人

坂梨 宏和 記者
平成21年NHK入局 福岡県出身
長崎局、広島局などを経てスポーツニュース部。プロ野球を担当した後、現在はサッカー担当。