ストーリー相撲

大関 貴景勝 不屈の精神で角番脱出 大相撲秋場所

2021-09-23 午後 10:00

立ち合いから持ち味の突き押しの威力を存分に発揮して、大関・貴景勝が角番を脱出した。

 

 

12日目の相手は宝富士。左四つになれば絶対の力を発揮する力士だけに、左は差させたくない。貴景勝は右の脇を固めて当たり、すぐにいなした。

 

 

さらに、二の矢、三の矢と突いて出て、まわしに指一本触れさせず押し出した。序盤の不振を考えれば、見事に持ち直しての勝ち越し。大関の地位を守った。

 

先場所は首のけがで途中休場

名古屋場所2日目 逸ノ城に寄り切りで敗れ車いすで引き上げる貴景勝

 

貴景勝は先場所、2日目に首を痛め「けい椎椎間板ヘルニア」と診断され3日目から休場。頭からぶちかます、突き押し一辺倒の貴景勝にとって首のけがは、力士生命に大きな影響を与えかねない。

 

今場所前の取材で貴景勝は「首のけがなんて別に今に始まったことではない。ずっと付き合いながらやっている。もう治っているし、けがはもう関係ない」と不安視する質問をさえぎるように強調した。

 

そして、今場所に臨む気持ちについて「乾坤一擲(けんこんいってき)これに尽きる」と語った。運命をかけて、のるかそるかの大勝負に挑むという意味だ。

秋場所 苦しんだ序盤

秋場所初日 貴景勝が押し出しで北勝富士に敗れる

 

序盤は苦しんだ。初日の北勝富士戦、頭で当たっても本来の威力はない。相手に圧力がかからず、引き技も通用しなかった。

 

初日の相撲を見て八角理事長は「軽い感じがする。今場所は厳しい場所になるんじゃないか」と指摘した。理事長の予想は悪い意味で的中、初日から3連敗を喫し、“前半戦持たずに休場”の可能性もささやかれた。それでも貴景勝は、連日「あしたに向けて準備」「またあしたに集中」と繰り返し4日目に初白星をあげても「勝ち負けで何事も判断しちゃだめですね」と言った。

 

その後は突き押しの威力が明らかに増して7日目から6連勝。本人は体の状態や技術面の変化について語ることは一切無いため、立て直すことができた詳しい要因はわからない。ただ、勝っても負けてもその日の一番一番にすべてをかけて挑む精神力が角番脱出につながったことは間違いないだろう。

 

 

勝ち越しを決めた12日目、4敗と厳しい立場での優勝争いについて問われ「優勝とか本当はそう考える立場でもないが可能性がある限りは一生懸命、目指さないといけない」。

 

そして「とにかくあしたの相撲に集中する」といつもの言葉を繰り返した。残り3日、どんな苦難に直面しようとも決して心のぶれない大関が、優勝を争う力士たちに一泡吹かせてくれそうな気がする。

 

この記事を書いた人

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鎌田 崇央 記者

平成14年NHK入局

さいたま局を経て、スポーツ部に。プロ野球、水泳などを担当し、格闘技担当は通算5年目

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