ストーリーパラスポーツ

増田明美さんが解説!パラ陸上の注目選手とその素顔

2019-11-05 午後 03:48

2019年11月7日(木)~11月15日(金)の期間、ドバイにてパラ陸上世界選手権が開かれます!日本からも注目の選手が多数出場し、東京パラリンピック出場内定となる4位以内を目指します。


今回はパラ陸上をあまり知らない人のために、元陸上・マラソン選手で現在は日本パラ陸連会長を務める増田明美さんに注目の選手を聞いてみました!


選手を知ればパラ陸上が初めてでも楽しめる!増田さんだからこそ知る選手の素顔や特徴など、たっぷりとお届けします。

増田明美(ますだ あけみ)

1964年、千葉県生まれ。
1982年にマラソンで日本新記録を出し、1984年のロス五輪ではメダルを期待されたが、無念の途中棄権。1992年に引退するまでの13年間に日本記録12回、世界記録2回更新。現在はスポーツジャーナリストとして執筆活動、マラソン中継の解説に携わるほか、ナレーションなどでも活動中。

乙女チックな負けず嫌い!佐々木真菜(ささき まな):女子400m T13

 

1997年生まれ、福島県出身。
生まれたときから光の量を調整できないため、まぶしくて見えない。中学2年の時に盲学校の東北大会に出場し、2番になったことで陸上に没頭。高校2年から400メートルに絞り、2019年ジャパンパラ陸上400メートルで世界パラ派遣標準を突破する日本新記録で優勝した。

増田「生まれも育ちも福島市で“福島愛”がすごい選手です。身長は154センチと小柄ですが、ストライド(歩幅)が大きく、パワフルな走りをします。所属は東邦銀行ですが、福島大学で学生や実業団選手と一緒に練習していることが強さの秘密と言えますね。

 

とても明るい性格の選手で、好物は豚肉とみかん。肌がとってもきれいなのは、そのおかげかも。競技ではとても負けず嫌いですが、趣味はビーズできれいなブレスレットや指輪を作ること、というとても乙女チックな側面もある人です。次はビーズのようにキラキラ光る金メダルを取りに行くと思います!」

伸び盛りのイケメン勝負師!石田駆(いしだ かける):男子100m T46

 

1999年生まれ、岐阜県出身。
短距離で高校総体にも出場したスプリンター。大学進学直後に骨肉腫とわかる。左肩に人工関節を入れパラ陸上に転向。半年後のジャパンパラ陸上100メートルで11秒18の日本新記録で優勝し、世界パラ派遣記録を突破。400メートルも日本新で優勝。目標は東京パラリンピックで世界記録での金メダル。

増田「大学生の彼はとってもイケメンでモテるはずなんですが、『彼女はいるの?』と聞くと顔が赤くなっちゃうようなタイプ。ただ、(競技中に)スイッチが入ると別人のようになりますね。インターハイのときの集中力はものすごかったですし、勝負師だと思います。

 

大学1年生のときに左肩に骨肉腫ができてしまって、お父さんのすすめでパラの選手になりました。とても真面目で伸びしろがありますから、走るたびに記録を作るのではないでしょうか?世界選手権でも、名前のとおり思う存分駆け回ってほしいですね!」

 

入院して出会った看護師さんと結婚!鈴木徹(すずき とおる):男子走り高跳び T64

 

1980年生まれ、山梨県出身。
中学・高校時代はハンドボール部に所属し山梨県代表として活躍。高校卒業直前の18歳のとき、運転していた車で交通事故を起こし、右足膝下11センチを残して切断。足首の強さとバネを生かして、走り高跳びで2メートル2センチのアジア記録を樹立。パラリンピックには、リオ大会まで5大会連続で出場し、最高順位は4位。東京オリンピックで悲願のメダル獲得を目指す。

増田「鈴木選手は実家が農家で子供の頃から野原を走り回っていたそうですよ。バスケやハンドボールが好きだったみたいなので、跳ぶのが得意だったんでしょうね。(右足を失う)事故で入院したときに出会った看護師さんと結婚、現在はお子さんが2人います。人生は何があるか分からないものですねえ。

 

日本のパラの選手からは兄貴のように慕われています。リーダーシップがあって面倒見がいい。ロンドンオリンピックとリオオリンピックでは4位だったので、メダルはとっても欲しいはずです。ぜひ2メートル超えをしてほしい!そうすれば、自然にメダルがついてくるのではないかなと思います」

 

努力する姿はウサギよりカメ 兎澤朋美(とざわ ともみ):女子100m/女子走り幅跳び T63

 

1999年生まれ、茨城県出身。
小学5年生のときに骨肉腫で左足を失う。2017年から日本体育大学で本格的に陸上を始め、持ち前の運動神経と強化したスタミナを生かして2018年の日本選手権走り幅跳びでアジア新記録をマークし、アジアパラ大会でも銅メダルを獲得した。

増田「日本体育大学の水野洋子コーチの元でどんどんレベルアップしている選手です。(リオパラリンピック女子400メートル銅メダルの)重本沙絵選手の後ろ姿を見てきています。

 

彼女はとってもチャーミングで華があり、スター性もあるんですよ。注目を集めれば集めるほど力に変えられるタイプですね。現在は100メートルと走り幅跳びでアジア記録を持っていますが、これからどこまで伸びていくか分からない。練習はコツコツ型ですね。目標に向けて努力する姿は、うさぎというより亀なのかもしれません」

 

目指すはオリンピック出場!マルクス・レーム:男子走り幅跳び T64

 

1988年生まれ、ドイツ出身。
2003年、ウェイクボードの練習中の事故で右脚のひざ下を切断。陸上競技への転向後は走り幅跳びで記録を伸ばし、2009年に国際大会で優勝。パラリンピックではロンドン大会とリオ大会で金メダル獲得、2018年のヨーロッパ選手権では8メートル48の世界記録を樹立した。

増田「彼は世界のスーパースターですね。何がすごいって、目指すところが(パラではなく)オリンピックの世界記録なんですよ。パラに限らず陸上界のスターといってもいいほど。背が高くてハンサムだし…お尻の筋肉がすごい。競技の後に待ってる子どもたち全員にサインをする優しさもありますし、女性のファンも多いですね。

 

助走のスピード、ジャンプ、フォームがどれもすばらしい!オリンピアンにも刺激を与える存在ですね。あの8メートルジャンプを目の前で見てみたい!
ところで彼はカレーうどんが好物なんだそうですよ。お寿司よりもカレーうどんがいいんだとか」

髪型自慢の金メダル候補 佐藤友祈(さとう ともき):男子400m/1500m T52

 

1989年生まれ、静岡県出身。
21歳のときに脊髄の病気で胸から下がまひし、車いすの生活に。リオパラリンピックでは1500メートルなど2種目で銀メダルを獲得、2017年の世界選手権では金メダルを獲得した。その後2018年の関東パラ陸上選手権大会で400メートル、1500メートル2種目で同日に世界記録更新。さらに2019年のCanberra International Track Meet(オーストラリア)では800メートル、5000メートルの世界記録を塗り替え、全4種目で世界記録を保持している(2019年10月現在)。

増田「2017年の世界陸上で400メートル、1500メートル共に金メダルを取った日本のエースです。いちばん金メダルに近い存在だと思いますね。彼のお父さんはレスリングの選手だったんですが、本人はなぜか演劇が好きでそのために東京に出てきたそう。それもあってか、表現力がとても豊かですね。人を引き付ける魅力のある選手です。

 

努力家で賢く、車いすで走るフォームがとってもきれいで滑らか。ウォーミングアップのときにゾーンに入るそうですよ。何をやらかすか分からない大物感があります。あと、ヘルメットを脱いだときの刈り上げにもぜひ注目してみてください。髪型にはこだわりがあるそうなので」

ミスターパラ陸上!山本篤(やまもと あつし):男子走り幅跳び T47

 

1982年生まれ、静岡県出身。
高校生の時に交通事故で左足を失う。義肢装具士を目指して進学した専門学校で競技用義足に出会い、陸上を始める。2004年に大阪体育大学体育部に入学し、陸上部に所属。北京パラリンピックから夏季3大会に連続出場を果たし、2016年5月に走り幅跳びで当時の世界記録を更新。リオパラリンピックでは走り幅跳びで銀メダル、4×100メートルリレーで銅メダルを獲得した。

増田「彼はいい意味で人たらしなんですね。元々やんちゃなタイプではありますが、スター性があって優等生の気持ちもきちんと理解できるというか。あんな風になりたい!かっこいい!と思わせる魅力がある選手です。


それに、子どもが懐くんですよね。イベントなどでも、子供たちを上手にいじりながら義足を面白く紹介したりして。子供に好かれるタイプでもありますし、パラの注目度を上げた存在です」

 

パラ陸上界のおかあちゃん!田中照代(たなか てるよ):女子100m T52

 

1959年生まれ、岐阜県出身。
1973年、14歳の時の交通事故でけい椎を損傷。1983年に事故のため再びけい椎を損傷し、まひが残り車いす生活に。リハビリのためにバスケットボールを始める。1988年に車いすマラソンおよび車いす陸上を始め、1994年の世界陸上選手権(ベルリン)で800メートルの世界記録を更新し優勝。パラリンピックでは、1996年アトランタ大会で800メートル金メダル、2000年シドニー大会で200、800、1500メートル3種目で銀メダルを獲得した。

増田「まさに、パラ陸上界のおかあちゃん。“おかあさん”ではなく、“おかあちゃん”って感じ。後輩にはとっても優しくて、場を明るくするし安心感があります。

 

照代さんはよくシフォンケーキを作ってふるまってくれるんですが、以前食べさせてもらったときはシフォンケーキというよりもチーズケーキのような濃厚さを感じました。これって照代さんの重みに似ているのかもしれない。シフォンケーキを泡立てているときが一番幸せを感じるそうですよ」

伴走者とゴールを目指す!和田伸也(わだ しんや):男子1500m/5000m T11

 

1977年生まれ、大阪府出身。
2016年リオデジャネイロパラリンピックでは1500、5000メートルで6位、マラソンで5位。2017年のマラソンワールドカップ・ロンドンマラソンで優勝を果たすなど、オールラウンダーとしての強みを生かしながら実績を積み重ねている。

増田「1500メートルもフルマラソンも走れるオールラウンダーですね。きちんとした方で、合宿のときも早く出てきて準備をするような、後輩のお手本になる存在です。感情の起伏が少なくて心が安定しているのも強いですね。

 

伴走の中田(崇志)さんがとっても明るく、いさめながら走るようないいコンビなのでぜひ注目してみてください」

 

※当日の状況により伴走者が変更になる可能性があります。

 

和田伸也選手(右)と伴走者の中田崇志さん(左)

 

 

世界屈指の実力を持ちながらも、個性的で魅力ある選手が集まるパラ陸上。2020年パラリンピックに向けた戦いに注目です!

 



※こちらは、2019年11月5日に公開された記事です。内容は公開時のものとなります。

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