ストーリーバスケットボール

世界制したバスケ3x3若きジャパン 大神雄子が紹介!

2020-02-28 午前 09:00

オリンピックの新種目、バスケットボール3x3(スリーエックススリー)!
ストリートから始まった新スポーツは、観客を巻き込む演出と、スピーディーなプレーで人気急上昇中です。
去年10月、この種目の23歳以下の女子ワールドカップで日本が優勝!世界を驚かせたチームの4人が2月16日のサンデースポーツ2020に生出演。女子バスケ界のレジェンド、大神雄子さんの解説で、競技の魅力を深掘りしました!

3x3と5人制、どこが違う?

3x3は5人制のバスケットボールを手軽にプレーしようと、公園などストリートで始まった種目。若者を中心に人気が広がり、現在ではワールドカップに180以上の国と地域が参加しています。東京大会で、晴れてオリンピックの新種目となりました。

 

 

そもそも、3x3のルールを良く知らない方も多いかもしれません。改めて整理すると…。

 

・ハーフコート、1つのリングで争う。

 

・試合時間は1試合10分。攻守が激しく入れ替わるので「10分間の短距離走」とも。

 

・得点は通常のシュートが1点。5人制での3ポイントシュートは2点。

 

・攻撃側の制限時間は5人制の半分の12秒。
 攻撃する側はボールを保持したら、まず「アーク」と呼ばれる半円のラインの外にボールを出す。ここから攻撃を展開し12秒以内にシュートを打たなければ反則に。

 

・先に21点を取った時点で、試合時間が残っていても勝利が確定。
 この「ノックアウト」というルールが、3x3を大いに盛り上げるポイント!

 

 

試合会場ではDJがアップテンポの音楽を流し、MCが試合を実況。観客を巻き込み盛り上がるのが、ストリート発祥の3x3の魅力でもあるのです。

世界を制した若きJapan

3x3の23歳以下のワールドカップで優勝を果たした日本代表。そのメンバーは4人。

 

 

チームを操るガード・山本麻衣選手は大会MVPを獲得。
ガーナにルーツを持つフォワード・馬瓜(まうり)ステファニー選手は高い身体能力が持ち味。

 

 

フォワード・永田萌絵選手はW杯が3x3大会デビューながら、巧みなドライブで世界を驚かせました。
そしてセンター・西岡里紗選手は1メートル86センチの長身。体を張ってチームを支えました。

 

4人はWリーグや大学などの5人制チームにも所属しながら、3x3でもプレー。転向してまだ期間は短いですが、スピードやテクニックという持ち味を生かし、世界の頂点に立ちました。今年はフル代表として東京オリンピック出場を目指しています。

 

 

さらに、アテネオリンピックに出場した女子バスケ界のレジェンド、大神雄子さんが3x3代表のコーチを務めています。U-23チームの世界一については、「彼女たちはこれからのバスケットボール選手の憧れになりました」と熱っぽく語ってくれました。その熱いトークで若い選手たちをサポートする大神さんと共に、W杯優勝の快挙、そして3x3の魅力を深掘りして聞いていきます。

3x3で生きる日本チームの持ち味

――まずは山本選手、3x3において有利な日本チームの特徴は何でしょうか。

 

山本選手
日本選手は体格は小さいですが、海外選手とは違うスピード感・機動力が武器です。あとはシュート力。得点が倍になるツーポイントシュート。そこはすごい武器だと思っています。

 

――馬瓜ステファニー選手は、お姉さんも5人制で代表候補に入っているバスケット姉妹。W杯で優勝した時、何か声をかけられましたか?

 

馬瓜選手
「世界一になるって簡単な事じゃない、すごい」と言ってくれました。自分たちも世界一になった瞬間はあまり実感できなかったんですが、周りから「おめでとう」と言ってもらえて、周りへの感謝がすごく芽生えましたね。


――永田選手はまだ大学生ですが、「シンデレラガール」のように一気に日本代表に入りました。1年前、自分がジャパンのユニフォームを着て、3x3で世界一になると想像していましたか。

 

永田選手
いや、想像できなかったです。私もW杯では全然実感がわかなかったんですけど、みんなで優勝を勝ち取る事ができて、本当にうれしかったです。

 

――西岡選手はセンターというポジションなので、世界相手ではゴール下の体の当たりもきつくて、試合の後は体中が痣だらけになるそうですね。

 

西岡選手
海外では私も小さい方なので、全試合タフにやっていくと試合の後はケガもつきものですね。

 

大神さんが解説!日本の武器「ナガタロール」

では、5人制と3x3で求められる能力の違いはどこか、5人制で世界を相手に戦ったレジェンド・大神さんがあげたキーワードは、「1対1の強さ」「判断力」です。

 

 

大神さん
1対1の強さは5人制でももちろん大事ですが、3x3はよりスペースが広いので、ディフェンスを抜いてしまえばオフェンスが得点につなげるのは簡単。逆にディフェンス側からすると、抜かれてしまうと「ヘルプ」がしにくい。ヘルプに行ってしまうと、アウトサイドにパスされてイージーなショットを打たれてしまうので、そこの判断も重要です。こうしたポイントでW杯のプレーを見ると、日本の強さがわかってきます。

 

 

大神さん
「1対1」といえば、シンデレラガール・永田選手です。とにかく1対1で自信を持ってガンガン抜いていく。私は勝手に「ナガタロール」と名付けているんですが、決勝で見せたフェイントも素晴らしい。今日を機に「ナガタロール」浸透させたいです!

 

W杯後に大会公式ホームページでも紹介され世界で絶賛された、その「ナガタロール」。スタジオでは実演を交えて解説いただきました。

 

「ナガタロール」を動画で実演解説!

 

大神さん
まず、オフェンスがアークを出るところ、ここで駆け引きが生まれるんです。オフェンスの永田選手は、ここで先にアクションを起こす。背中を通してボールを反対の手に。このアクションを起こした事で、ディフェンスはボールについていこうとして重心がずれます。その瞬間に長田選手が逆をついて体を向き直し、ゴールにドライブしてシュート。常に駆け引きがある、常に判断しなきゃいけないプレーですごく高いスキルだと思いますね。

メンバーそれぞれの個性が光る

そして、馬瓜選手、山本選手、西岡選手にも世界で光った個性があります。

 

 

大神さん
馬瓜選手は攻守の切り替えの場面で光りましたね。長い手足を生かしたディフェンス、そしてシュートブロック。ブロックが決まると、シュートを打った選手への精神的なダメージが強いんです。まさに「相手の心を折るステフ(馬瓜選手の愛称)」です!

馬瓜選手
まだまだ体格では相手に負けている部分は多いです。でも自分たちの速さや、技術の面でカバーするようにしています。

 

 

大神さん
山本選手の強みはアウトサイドの2ポイントシュート。3x3では、アウトサイドからの得点が通常の「2倍」(5人制は1.5倍)なので、持つ意味が大きいです。山本選手は本当に高い確率で決めてきますね。

 

 

大神さん
西岡選手は身長も一番大きいので、インサイドで体を張ります。さらに「的確な判断力」という点では、山本選手と西岡選手のコンビプレーも武器です。プレースタイルで言えば、山本選手の方がアウトサイドで2点を狙い、西岡選手がインサイドで1点を狙う選手。でもW杯のイタリア戦では、山本選手がインサイドで相手を引き付け、アウトサイドで空いている西岡選手がきっちり2ポイントを決めた。いつもと逆の役割で試合を決めたプレーがありました。

 

山本選手
あれは用意したセットプレーではなく、流れの中でのプレーでした。ドライブに行って相手を引き付けたので、あとは西岡さんに託しました。

 

西岡選手
山本選手がいいパスをくれた事と、しっかり練習してきた自信を持って思い切り打てましたね。

きつい!けどやり切る日本の守備

 

さらに、日本が世界で勝つために重要なポイントとして大神さんがあげたのが、厳しい守備。W杯では、相手ボールになると相手がアークの外に戻るまでプレッシャーをかけ続けました。この献身的な守備には大きな狙いがあるといいます。


大神さん
海外の選手は大きくてパワーがあるので、真っ向勝負での1対1になるとパワー負けしてしまう。なので、アークの外に簡単に運ばせないように、相手がリングに向くまでのディフェンスを徹底的にやって、12秒の制限時間を使わせようという狙いです。10分間ずっと無酸素運動、ストップアンドゴーの繰り返しなのですごくきつい。でもこれをやり続ける、これがチームのスタイルだ、これがないと勝ち切れないんだと、選手たちが分かって日々の練習に励んでくれていると思います。

オリンピックへの戦いはこれから!

U-23W杯では優勝を果たした3x3日本代表。しかし、女子のフル代表は東京オリンピックの出場権をまだ獲得できていません。もちろん、U-23の4人もオリンピック代表になるにはチーム内の厳しい競争に勝って、最終メンバーに入る必要があります。

 

 

大神さん
3月、オリンピックの世界最終予選が行われます。そこでまずオリンピックの切符を取りに行く。毎月代表候補選手で合宿を重ねて、4人の代表メンバーに入れるように日々みんな競い合っているところです。

 

五輪出場は男女8チームずつ(日本の男子は出場権獲得)。女子は残り4枠のイスを争う

 

馬瓜選手
以前は3x3をやっている人自体が少なかったので、経験値では自分が勝っている部分があると思います。でも他の選手も世界選手権に出たりしてレベルが上がっているので、全員で競い合っていきます。

 

西岡選手
仲間の強みは分かっているので味方だとすごく心強いですが、競争相手として戦うとなると怖いですね。でも、やっぱり自分が選ばれたいです。

 

永田選手
チームみんな仲がいいですけど、練習では競い合って、お互いがレベルアップできればいいなと思っています。

 

山本選手
これまでみんなで合宿を頑張ってやってきたので、誰が選ばれても最終予選でしっかり戦えると思います。しっかり出場権を獲得して、オリンピックでメダルを取りたいと思っています。

 

 

大神さん
まず、みんな5人制から3x3に挑戦してきた選手たちなので、その挑戦がみんなの自信になっていると思います。誰が出ても日本のバスケットを伝えられるように、日々の練習から頑張っていければ、必ず出場権を獲得できると思っています。

 

会場が一体となって盛り上がるオリンピック新種目、バスケットボール3x3。
女子日本代表が東京で輝く姿を期待しましょう!

 


 

サンデースポーツ2020/サタデースポーツ

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