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パラ卓球 くわえたラケットでスマッシュ!独自のスタイルはこう生まれた 東京パラリンピック

2021-08-27 午後 0:10

口にくわえたラケットでショットを打ち、足でトスしてサーブ。

こんな独特のプレースタイルで注目を集めているのが、東京パラリンピック・卓球エジプト代表のイブラヒーム エルフセイニ・ハマドトゥ選手(48)。

オンリーワンのプレースタイルが生まれた背景には、「努力で不可能を可能にしたい」という強い思いがありました。

 

初戦でのプレーの様子はこちら↓

「両腕がなくても、卓球はできる」

エジプトの北部の村で育ったハマドトゥ選手。10歳のとき、電車のドアから落下する事故で両腕を失いました。1年間は、「哀れみの目を向けられたくない」と、家の外にほとんど出なかったと言います。その後、スポーツを勧められ、まず挑戦したのがサッカー。しかしバランスが取れず、何度もケガをしたため、諦めました。

 

 

そんなとき、村のスポーツ施設で見て魅力を感じたのが卓球でした。友人たちの卓球の試合の審判をしていたところ、ジャッジの内容について口論に。友人に「プレーできないくせに口出しするな」と言われ、ハマドトゥ選手の心に火がつきました。「できないことなんてないと証明したい」と、卓球に打ち込むことにしたのです。
 

努力で身につけたオンリーワンのプレースタイル

当初は、脇にラケットを挟んでプレーしようとしましたが、なかなかうまくいきません。そこで思いついたのが、口でくわえることでした。数分間ラケットをくわえてみて、手応えを感じたハマドトゥ選手は、それから1年かけて、口でプレーする技術を習得しました。
 

右足はボールをつかむため、シューズは履かない

 
さらに、サーブは、右足の指でボールをトスして打つ方法を編み出しました。ラケットを固定する歯、力強い動きでボールを打つ首、体全体を支える足、そのすべてをトレーニングし、絶えず強化していると言います。

有名選手とのプレーで世界が注目

 

2016年リオパラリンピック出場時

 
長年の努力の末、国際大会に出場するようになったハマドトゥ選手。2014年、東京で開催された世界大会のエキシビジョンマッチに招待され、水谷隼選手など世界トップの選手たちとプレーする姿が、動画サイトなどで話題になりました。対戦した中国の選手も「信じられないほど強い」と驚いていたと言います。2016年には、パラリンピックに初出場しました。

東京大会で伝えたい「私たちは何だってできる!」

パク・ホンギュ選手と対戦するハマドトゥ選手

 
48歳、3児の父であるハマドトゥ選手が、「アスリート人生の最後の舞台」として挑む東京パラリンピック。25日の男子シングルス予選リーグ初戦では、足に障がいがある韓国のパク・ホンギュ選手と対戦しました。鋭いショットなどでポイントを奪う場面もありましたが、ゲームカウント0対3で敗れました。
ハマドトゥ選手は「敗れたことは悲しいが、次の試合に勝ってメダルを目指したい。不可能はないし、残りの試合で私たちには何でもできるということを伝えたい」と話していました。ハマドトゥ選手は団体戦にも出場予定です。今後の活躍に期待しましょう!
 

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