運動が苦手でも出来る!川村虹花の"女子筋トレのススメ"

女性が気軽に利用できるスポーツジムが増え、トレーニング関連の書籍がベストセラー入りするなど、世の中はいま空前の筋トレブーム。きれいなボディラインを目指して体を鍛える“筋トレ女子”も増えているようです。(※2019年12月24日スポーツウェブ掲載)

 とはいえ、普段はほとんど体を動かさず「腕立て伏せが1回も出来ない!」という方も多いのではないでしょうか。今回はそんな「興味はあるけど、筋トレなんてムリ!」という女子の皆さん必見!

“腕立て伏せ0回女子”でも出来るビギナー向けの筋トレメニューをご紹介します。

 アドバイスをしてくれるのは川村虹花さん。アイドルグループ“仮面女子”のメンバーにして総合格闘家という異色の肩書の持ち主です。自身もかつては腕立て伏せが1回も出来なかったという川村さん。運動経験ゼロから初めて、美しい体を作るコツをきっとご存知のはず!さっそくお話を伺っていきましょう。


川村虹花 (かわむら・ななか)

1995年生まれ、神奈川県出身。
アイドルグループ“仮面女子”のメンバーとして活躍する傍ら、総合格闘家としても活動している。2019年、NHK『みんなで筋肉体操(第3シリーズ〜)』に番組初の女性アシスタントとして出演し話題となった。


なんで筋トレをやるの?女性でもやったほうがいい?


――まずは、川村さんが筋トレを始めたきっかけを教えてください。

川村虹花さん(以下、川村):ダイエット目的でジムに通い始めたのがきっかけです。周りもアイドルの子たちなのでダイエットしているメンバーが結構いて、その子が痩せてくると「やばい!自分もちゃんとしなきゃ!」って焦っていましたね。あと、筋トレを始める前は自分の体にコンプレックスも結構あって…メンバーの中でその部位がきれいな子がいたら、つい自分の体と比べてしまったりしていましたね(笑)。

――筋トレをはじめてからメンタル面に変化はありましたか?

 川村:自分に自信がつきました。以前はネガティブになりやすくて、体型を隠すような服を選びがちでしたが、筋トレで体が締まってボディーラインがきれいになってくると自分に自信が持てるようになりました。自信を持つとステージの上でも振り付けが大きくなったり、笑顔になるので、パフォーマンスにもいい影響がありました。

 まぁ今はダイエットではなく、格闘家として筋肉をつけるような鍛え方をしているので目的が違うんですけどね(笑)。腕まわりがかなり筋肉質になったので、ステージ上で仮面を被ってパフォーマンスをしていてもお客さんに私だって分かってもらえるのはメリットですかね(笑)。

 ――メンタル面以外で良かったことは?

 川村:筋肉が増えると脂肪を燃焼しやすくなるのでダイエットの効率が良くなりますし、基礎代謝が上がって健康にもつながります。

 あとはケガをしにくくなりましたね。仮面女子はヘドバン(ヘッドバンキング)など、結構激しめのパフォーマンスが多いんですが、体を支える筋肉がないと負担が蓄積してしまい、ケガにつながりやすくなります。だからメンバーのみんなも鍛えればいいのになぁって思ったりしますね(笑)。

ムキムキにならない…? 筋トレに対する疑問を解決!


筋トレはメンタルとフィジカルの両方に良い影響があることが分かりました。一方で「筋トレをするとムキムキになってしまうのでは…」と心配している女子もいるのでは?

 そうした疑問も含め、筋トレ初心者の女子が気になるアレコレを川村さんに聞いてみました!

 Q. 筋トレをするとムキムキになったりしない?

 川村:筋トレを始めたばかりの頃はトレーニング後に筋肉が張ってしまうので、それで「ムキムキになってしまった!」って勘違いしてしまう方もいるようですが、特に女性の場合はムキムキにしようと思ってトレーニングをしない限りはならないので大丈夫ですよ!

 私だって2年間必死にトレーニングしてこの程度(?)なので、ちょっと頑張った程度ではムキムキになったりしません(笑)。

 Q. 「筋トレをすると太る」と聞いたことがあるのですが…。

 川村:よくあるのが、“ご褒美のあげすぎ”です(笑)。「運動したから食べていいよね」って遠慮なく食事をして、逆に太っちゃうパターンですね。筋トレと食事はセットで考える必要があるんです。自分へのご褒美のあげすぎには要注意です!

 Q. 食事面で気をつけるポイントは?

 川村:食事はトレーニングの前後30分にすると良いですね。特に運動後30分は食べたものを体がより吸収してくれるので、良質なものを口にするようにしたほうがいいですよ。

 私はササミや牛肉の赤身、卵などのたんぱく質を摂っています。運動したからといって、その後に思う存分スイーツを食べるのは危険(笑)。逆にトレーニングを始める前の食事はトレーニングに必要なエネルギーに変わるので、私はちょっとだけ糖質を摂るようにしています。

 Q. どれくらいのペースでトレーニングしたほうがいい?

 川村:ハードなトレーニングをしている人だと、壊れた筋組織を回復させるために休養期間を設けますが、軽い運動なら毎日続けたほうが効果があると思います。最初から負荷の強い運動をすると、かえって続かなくなってしまうので、無理のない範囲でコツコツと継続することがポイントですね。

 Q. 運動する時間がとれない…それでも出来ることはない?

 川村:なるべく階段を使ったり、電車の中で腹筋を意識してつま先立ちをするなど、日常の動作の中でちょっとずつ体を動かすように意識するだけでも変わると思いますよ。

 Q. トレーニングを継続するためのコツを教えてください!

 川村:私の場合はあえて毎日鏡を見たり、しっかり体重計に乗ることを心がけていました。毎日体重を計れば、何が原因で痩せたり太ったりするのかが分かるようになります。

 うちは3姉妹なのですが、以前は母も合わせて女4人で毎日カレンダーに体重を書き込んでいました。ライバル意識を持ちながら続けるとやる気も出るので(笑)。

 大切なのは「太ったかも…」と思った日でも、しっかり体重計に乗って記録すること!現実から目をそらしてはいけません!

“腕立て伏せ0回女子” でも出来る!川村虹花の入門メニュー!


ここからは、普段全く筋トレをしない人でも出来る入門メニューを川村さんがレクチャー!部位ごとにご紹介しますので、気になるところから早速はじめてみましょう!

 『二の腕』を引き締める!ペットボトルを使ったトレーニング

 気になる二の腕にアプローチするトレーニング。自信を持ってノースリーブを着られるようにしましょう!

 水の入った500mlのペットボトルを持ち、その腕を頭上に掲げます。

 そのままゆっくりと肘を曲げていきます。曲がるとこまで曲げたら、再び腕を元の位置に戻します。

 (写真)まっすぐ肘が正面を向くように(右)。肘が外に開くのはNG(左)

 ここで注意したいのが、肘の位置をしっかり固定すること。肘が左右にぶれたり、一緒に後ろにひっぱられたりするのはNGです。

 川村:下ろすときと上げるとき、それぞれ3秒ほどかけてゆっくり動かしたほうが効果があります。最初は、両手それぞれ10回ずつでも結構きつく感じられるはずです。500mlが楽になってきたら1リットル、2リットルとサイズを上げていくといいですよ。

(写真) 川村さんレベルになると2リットルのペットボトルも楽々と…!


広範囲に『上半身』を鍛えるなら腕立てが◎

二の腕からバスト、腹筋まで上半身に効くトレーニングが『腕立て伏せ』。“腕立て伏せ0回女子”でも出来る、初心者向けのやり方をご紹介します!

 まずは、テーブルなどしっかり固定された台に両手をつき、そこから少し離れた位置に足を固定します。手の位置は肩幅と同じか少し広いくらい脚はつま先立ちでもOKです。適したテーブルが家にない場合はシンクなどを活用しましょう。

 そのまま、肘をできるだけ深く曲げて腕立て伏せをします。

 川村:ポイントは、腕立て伏せをしている間、体を一直線に保つこと。腰が下にたわんでいたり、足が微妙に曲がったりするとケガの原因にもなってしまいます。顔を上げ過ぎて背中が反ってしまったり、うなだれてしまう人も多いので注意しましょう。頭のてっぺんから脚までまっすぐです。

 (写真)首が曲がっていたり、肘が外側に出すぎてしまわないように注意

 川村:また、腕を曲げるときに、肘が外側に出てしまうのもNGです。肘は手の位置よりも外側に出ないようにしましょう。これもゆっくりやると効果的です。

 ちなみにこちらが川村さんが行う通常の腕立て伏せ。美しい…!

さすがにここまでストイックな腕立ては出来ない、という方は膝をつけて腕立てする方法もありますよ。

 こちらが膝を床につけて行うバージョン。膝が支点になって少し楽になります。

 手の位置はテーブルの時と同様、肩幅に。指は上を向けます。指が内側を向いてしまうと、伏せたときに肘が外に開いてしまい、効果が半減

 他の腕立てメニューと同様、肘を曲げて沈みこむときも体を一直線に保つように意識しましょう。

 (写真)慣れてきたら、あごが床に着くギリギリまで体を沈ませるように

 川村:腕立て伏せをするときは、両腕を同じように曲げて左右均等に負荷がかかるようにすることが大切です。どちらかに重心が偏らないようにしましょう。今回は3種類の腕立て伏せをご紹介しましたが、無理のないものから始めてみてくださいね。無理して間違ったやり方をするよりは、正しいフォームで難易度の低いトレーニングを実践したほうが効果があります。まずは10回×3セットを目標にトライ!

『ウエスト』引き締めには腹筋を鍛えるべし!

女子が気になる部位のひとつが“腹筋”。下腹部をしっかり引き締めてきれいなウエストを作りましょう。

 床と垂直になるように、脚をまっすぐ上に伸ばします。

 (写真)腹筋を使って脚を持ち上げるイメージで

 脚をまっすぐ伸ばしたまま、かかとが床につかない程度までゆっくり下ろしていきます。下げられるところまで下げたら、再び元に位置にゆっくりと脚を持ち上げます

(写真) 腰が浮かないように注意

 川村:脚を下ろすときに腰が浮いてしまうと、ケガの原因にもなりますので気をつけてください。どうしても隙間が出てくる場合や、フローリングなど床が固い場所でやる場合は、腰の下にタオルなんかを敷いてもいいですよ。こちらも10回×3セットを目標にしてみてくださいね!

 「これだとハードすぎる…」という方は以下の方法で腹筋を鍛えるのもおすすめ!

 こちらが、さらに入門編の腹筋トレーニング。空中で自転車をこぐ要領で、脚をぐるぐると回します。

『下半身』のシェイプアップはスクワットで

下半身全体のシェイプアップにはスクワットがおすすめ!お尻や太ももは体の中でも筋肉が多い部分なので、脂肪を燃焼しやすい体を作るのに効果的です。

 肩幅くらいに脚を開きます。

 そのままゆっくりと腰を深く落としていきます。太ももと床が平行になる程度まで落とすのが目安。腰を落としきったら、ゆっくりと持ち上げていきます

横から見た図がこちら。膝がつま先より前に出ないようにします。前傾した状態で、沈みこんでいきます。

 また、膝が外に向いていればももの外側、膝が内に向いていればももの内側を鍛えることができますよ。まんべんなく鍛えたい人は両方やるべし!

 川村:腰を落とすときも、上げるときもゆっくり動くのがポイント。こちらも10回やるだけでも効果がありますよ。

 「筋トレは鍛えたい部位を意識しながら行うのがポイント」と川村さん。筋トレ中は、その筋肉を意識しながら“効いてる、効いてるぞ!”と言い聞かせているのだそう。みなさんもまずは正しいやり方を知った上で、無理のない範囲で続けてみてくださいね。