ストーリーバレーボール

川合俊一が語る! ビーチバレーボールの魅力 東京オリンピックでは駆け引きに注目

2021-07-22 午後 0:15

砂浜で行われるビーチバレーボールは、オリンピックでは、1996年アトランタ大会から男女とも正式種目になりました。

 

2012年のロンドン大会、2016年のリオ大会では、すべての競技の中で、最多観客動員数を記録した世界的に人気があるスポーツです。

 

今回は、そのビーチバレーのルールや魅力について、日本ビーチバレーボール連盟の会長、川合俊一さんに聞きました。

基本的なルールは?

ビーチバレーは、2人1組のチーム同士が対戦します。雷や強風などの危ない天候でない限り、雨天決行。1セット21点で2セット先取したほうが勝利です。

 

ただし、3セット目は15点。デュースの場合は2点差がつくまで行います。両チームの点数合計が7の倍数になった時にコートチェンジとなります。(ただし、3セット目は15点マッチのため、5点でコートチェンジ)

 

2019年 ビーチバレー 世界選手権 男子

 

バレーボールも、ビーチバレーも、3回以内のタッチで、相手コートに返球しないといけません。

 

ただし、ビーチバレーでは、ブロックも1回のタッチにカウントされます。バレーボールでは、ブロックのためにボールに触っても、タッチにはカウントされないので、これは大きな差です。

コートやボールの大きさは?

コートのサイズは、ビーチバレーのほうが、バレーボールより、やや小さいです。

 

ボールの大きさは、ほぼ同じですが、ビーチバレーのほうが空気圧が低い。空気圧が低いと、スピードがなくなるので、強打のサービスエースや強打のスパイクの得点が減ります。

 

球速が少しゆっくりになることで、レシーブのコントロールはしやすく、また、コントロールショットが打ちやすいので、コートの空いている場所を狙って、ボールを落としやすくなります。

 

2019年の欧州選手権のコート

ビーチバレーでは「風下」が有利!

ビーチバレーは、圧倒的に風下が有利なので、風下を「GOOD(グッド)サイド」、風上を「BAD(バッド)サイド」と呼びます。

 

なぜかというと、アタックやサーブを風下から打った時には「ギリギリアウトかも?」というボールが、向かい風で戻ってきて、ボールが入ることがある。

 

一方で、風上から打った時には、追い風に乗ってアウトになることも。対戦しているチームのうち、どちらが風上で、どちらが風下かわかれば、より楽しめると思います。

 

2019年の欧州選手権 トスを上げるノルウェー代表

2人制だからこその「駆け引き」や「戦略」とは?

ビーチバレーの面白さは、駆け引きにあります。1チーム2人でのプレーには戦略が不可欠です。

 

例えば、守備の時に、1人がブロックにいったら、レシーバーは1人になってしまう。つまり、ものすごく広いコートを1人で守らなければいけない。

 

そこで、例えば、守備の時に「ずっとクロスのラインを守っていてストレート側は空けておき、相手の攻撃の瞬間にストレートの方向に走る」といった駆け引きをします。

 

2016年 リオ五輪 ビーチバレー 女子 選手がサインを出す

 

駆け引きは、選手が出すサインで決まるので、サインに注目すると、グッとおもしろく感じると思います。

 

実は、サインは2つか3つ程度しかないので、すぐにわかります。例えば、「1を出したらストレートをブロック」「2を出したらクロス側にブロックするために飛ぶ」といった意味があります。

東京オリンピックに挑む 日本代表は?

体格差が大きく影響するスポーツなので背が低い日本は、なかなか、世界の上位には食い込めません。そんな中で、日本が素晴らしいのは、しつこい守備です。

 

2018年アジア大会で銀メダルを獲得した村上(左)・石井(右)ペア

 

女子の代表、石井美樹・村上めぐみは、守備が良ければ、上位進出の可能性も見えてきます。


村上が身長1メートル65センチと小柄で、ブロックにつかれてしまいがちなので、攻撃の時のコントロールショットをうまく使えるかどうかが大事になってくると思います。

 

男子の代表は、白鳥勝浩と石島雄介。ベテランの白鳥が、どれだけ後ろで相手にプレッシャーをかけられるか。

 

日本代表 白鳥勝浩選手(左) 石島雄介選手(右)

 

駆け引きで、いかに相手にスパイクを打たせて、石島がブロックできるかが重要です。


勝つためにはサーブが大事。サーブを効果的に使って、相手にいいトスを上げさせないこと。そうすれば、どんなに相手にパワーがあっても、遠いところから打ってくるボールは取れるので、勝機が見えてきます。

 

メダルは難しいと思いますが、オリンピックは、メダルだけじゃない。2008年の北京オリンピックの時には、男子の朝日健太郎・白鳥勝浩ペアが、格上のオランダに勝った。

 

左:白鳥勝浩選手 右:朝日健太郎選手

 

私はその時すごく感動して、「メダルは大事だけど、ひとつ勝つだけでもこんなに感動できちゃうんだ」というくらい楽しかった。だから、1勝でも2勝でも勝つことを期待して見てもらえたら嬉しいです。

 

現在の強豪は、男女ともにブラジル、アメリカ。男子はここにヨーロッパが入ってきて、女子はドイツも強い。ちなみに、男子の世界ランキング1位はノルウェーです。(2021年6月現在)

オリンピックでは、ビーチバレーのテレビ観戦を!

 

2012年のロンドンオリンピックではイギリス王室の主要儀式が行われる施設を特別に会場にしてビーチバレーが行われました。そのくらい、世界的には人気のスポーツですし、東京オリンピックでは、ぜひテレビ観戦して、魅力を感じてもらいたいです。

 

ビーチバレーは、今、日本では、1980年代くらいの、まだ人気がなかった頃のサッカーみたいなポジション。きっといずれ強くなって人気が出るはずです。そのために僕も会長としてがんばります!今のうちからビーチバレーを見ておくと日本が強くなったときに「昔から見てたよ」って、自慢できるかもしれないですよ(笑)

川合 俊一

ロサンゼルス五輪、ソウル五輪の2大会にバレーボール日本代表として出場。日本人初のプロビーチバレーボール選手。日本ビーチバレーボール連盟会長。

 

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