ストーリー水泳

武田美保が語る!アーティスティックスイミングの魅力と日本代表の実力は?

2021-07-22 午後 0:45

2018年にシンクロナイズドスイミングから名称が変わった、アーティスティックスイミング。今回の東京大会は、名称変更後、初めてのオリンピックです。

 

この競技の魅力と今の日本代表の実力について、元日本代表の武田美保さんに教えていただきました!

 

――アーティスティックスイミングとは、どんな競技ですか?

 

アーティスティックスイミングには、6種目ありますが、東京オリンピックでは、女性2人で演技する「デュエット」と女性8人で演技する「チーム」の2種目が行われます。

 

デュエット日本代表 乾 友紀子選手(左)、吉田 萌選手(右)

 

2種目それぞれ、決められた動きを8つ順番に泳ぐ「テクニカルルーティン」(TR)と、曲に合わせて自由な構成で演技をする「フリールーティン」(FR)があり、その合計得点で順位を競います。

 

「テクニカルルーティン」は、技の完成度が高くて、動きが揃っているかどうか(エレメンツ)、「フリールーティン」は芸術性や表現力スキル(アーティスティックインプレッション)が採点項目の中で重要視されます。

 

高得点につながるのは、やはり高さと難易度です。高さは、水面上に出ている足や上半身が高いほど得点につながります。難易度は、難しい動きや負荷がかかるもの。例えば、倒立であれば片足より両足の方が難易度は高いです。

 

難易度の高い両足の倒立 2021 アーティスティックスイミング 日本選手権

 

――オリンピックでは、演技のどんなところに注目すればいいですか?

 

パワフルさとスピード感ですね。昔は「指先から爪先までピシッと揃っていて綺麗な競技」という印象が強かったと思いますが、最近は、そこにダイナミックさも加わっています。

 

 

例えば、絶対王者のロシアや、それに追随する中国は、演技中の隊形移動の際のパターン変化がとても速い。つまり、ずっと動きっぱなしです。そのためには泳力や体力、技術も相当ないとできません。そういった背景も知ったうえで見てもらえると、より楽しめると思います。

 

2019年世界選手権 ロシア代表

 

もうひとつ注目すると面白いのが、登場の場面です。ここは採点には入りませんが、選手たちは、テーマに沿った水着やメイク、振り付けを準備して、登場してきますから。

 

2021年アーティスティックスイミング日本選手権 日本代表 テーマは「祭り」

 

演技で面白いのは、「チーム」のフリールーティンのリフトです。各国自分たちの特徴を出してきます。オリンピック世界最終予選でいうと、スペインのリフトは面白かったですね。「ダーウィンの進化論」がテーマだったのですが、髪飾りにイグアナのようなトゲがついていたり、生き物をイメージした動きを取り入れたリフトで、とても楽しかったです。

 

東京オリンピック アーティスティックスイミング世界最終予選時のスペイン代表


ーー 気になるのは日本代表です。今、世界の中で、どれくらいの位置にいるのでしょうか?

 

日本は前回のリオデジャネイロオリンピックでメダル圏内に返り咲いたので、世界の認識として「強豪国のひとつ」ではあると思います。ただ、世界的にみて、ロシアと中国が一歩リードしている存在でもあります。

 

「メダル争い」という点でライバルを上げるとしたら、ロシアと中国はもちろんですが、そこにウクライナとイタリアが入ると思います。

 

2年前まで実施されていた世界選手権ではウクライナが3位、日本が4位、イタリアが5位でした。ウクライナとは、これまでも日本と勝ったり負けたりの接戦を繰り広げていたのですが、イタリアは最近ぐんぐん力をつけてきて、予想外に得点が伸びてきている印象があるので視野に入れないといけません。

 

ーー 日本の演技ではどんなところに注目したらよいでしょうか?

 

日本の特徴は同時性です。水中はもちろん、水から消えたり上がったりするタイミング、角度を変えるタイミングも、とにかく全てが揃っています。昔から「水際の処理まで全部揃っている」と言われていたくらいです。日本の練習量は世界でもトップクラス。日頃の練習の成果をぜひ皆さんにも見ていただきたいです。

 

現役時代の武田美保さん(手前) シドニーオリンピックデュエット決勝

 

ーー ズバリ、日本は、メダルを獲得できそうでしょうか?

 


自国開催ですし、期待を込めて「はい」と答えたいです。リフトの強化のためにロシアで「ジャンパー合宿」をしたり、毎日厳しい練習を重ねてきたりと何年間も強化をしてきているので、それが最高の結果に結実してほしいという願いを込めています。もちろん、実力的にもメダルの可能性は十分にありますので、なにがなんでも取ってほしいと思っています!

 

武田美保

アトランタ、シドニー、アテネの3つのオリンピックで、銀・銅合わせて5つのメダルを獲得。オリンピックで獲得したメダル数は、日本女子歴代最多タイ。日本選手権デュエット競技で7連覇。2001年世界水泳福岡大会では、デュエットで堂々の金メダルを獲得した。

 

引退後、テレビ・CM出演、講演、イベントなどシンクロで培った経験を生かし様々なジャンルで活躍している。2013年には、第2次安倍政権下での教育再生実行会議の有識者委員となり、教育改革に携わる。またTOKYO2020大会期間中はアーティスティックスイミングの解説者を務める。

 

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