ストーリー野球

デザイナーが選ぶ! ユニフォーム"おしゃれ"甲子園

2018-08-09 午前 0:00

100回目の甲子園。連日、熱戦が繰り広げられていますが、今回はちょっと視点を変えて「ユニフォーム」に注目してみました!

 

今回ユニフォームの“ファッションチェック”をしてくれたのは、ユニフォームデザイナーの大岩Larry正志さん。東北楽天ゴールデンイーグルスと東京ヤクルトスワローズのユニフォームデザインを手がけ、そのユニフォームが「おしゃれ!」と話題を呼ぶ人物です。

 

 

 

「高校野球は教育の一環。それゆえでしょうか、どのユニフォームも至ってシンプル。しかしシンプルだからこそ、細部を見る楽しみがあります。ユニフォームの細部に宿った個性は、“各校に息づくアイデンティティの具現化”と言っても過言ではないでしょう!」

そう語る大岩さんの視点を借りれば、各校の個性がより鮮明に見えてきます。そのなかでも大岩さんが注目するのは、どの高校のユニフォームなのでしょうか?ユニフォームデザイナーの観点から、6校をピックアップいただきました!

京都・龍谷大平安の「究極のシンプル」

 

「主たる要素は、ゴシック体で刺繍された「HEIAN」の文字のみ!縦横の直線だけで構成された、いわば“究極のシンプル”です。甲子園への出場回数は、全国最多の通算74回目。常連中の常連校ですが、僕が知る限り、ずっとこのデザイン。“鉄人”こと衣笠祥雄選手も、このユニフォームを身にまとい、甲子園の舞台で戦ったひとりです。」

 

「じつは僕も、この高校の卒業生。けれど、けっして手前味噌ではありません!「母校のユニフォームをデザインしたい」という思いの反面、「ずっとこのデザインを守り抜いてほしい」とも思わされる、不変の魅力を感じます。」

南大阪・近大付の「カラーコーディネート」

 

「近大付のユニフォームは、色の組み合わせが秀逸!高校野球と言えば、白色かクリーム色をベースとしたユニフォームが主流ですが、近大付のベースカラーは水色。そこに、えんじ色の校名ロゴを合わせるセンスが、じつにおしゃれですよね。大人っぽさが漂う、洗練されたカラーコーディネートです。」

 

「洗練された印象を強めているのが、水色のカラートーン。鮮やかな水色ではなく、くすみを持たせた淡い水色が、良い仕事をしています。そして注目すべきは、校名ロゴと同色のソックス。えんじ色のソックスがペールトーンの水色を引き締め、絶妙な色の組み合わせを完成させています。」

西愛知・愛工大名電の「鮮やかなパープル」

 

「日本の野球界において、パープルはちょっと異端の色。しかしメジャーリーグにまで視線を広げれば、けっして珍しくはありません。たとえば、マック鈴木選手や松井稼頭央選手が所属したコロラド・ロッキーズのユニフォームもパープルです。」

 

ロッキーズ時代の松井稼頭央選手

 

「愛工大名電も、パープルを用いたユニフォーム。しかも鮮やかな色みが、なんとも目をひくではありませんか!さらに言うと、筆記体で刺繍された校名ロゴも魅力的。レトロな書体がかわいく、街着として十分に通用するデザインです。スポーツミックスのコーディネートに取り入れたら、高校野球のユニフォームだとは、なかなか気づかれないかも…。」

東東京・二松学舎大付の「群を抜くクラシック」

 

「漢字ロゴを用いたユニフォームで注目すべきは、二松学舎大付。多くの学校が横書きを用いるなか、縦書きを採用し、いかにもクラシックなデザインです。しかも校名ロゴの書体がすばらしい!線の一本一本が太く、そのクラシックさたるや、昭和の時代に描かれた野球マンガに登場しそうなほど。」

 

「首まわり・袖・ソックスにも太めのラインを施し、直線の持つインパクトとシンプルな装飾性が、存分に生かされています。二松学舎大付は、東東京の代表校。一般的に、東京という都市はトレンディな印象をもたれますが、二松学舎大付のユニフォームは群を抜いてクラシック。そのギャップが、魅力をより引き立てます。」

これぞ、日本版「サブウェイ・シリーズ」

 

 

「星稜と常葉大菊川の2校に共通するのが、メジャーリーグ風のユニフォームデザイン。メジャーリーグ好きなら、もうおわかりでしょう!ブルーとオレンジから成る星稜はニューヨーク・メッツを、ストライプとデザイン性の高い校名ロゴから構成された常葉大菊川はニューヨーク・ヤンキースを彷彿とさせます。

 

比較してみると…

 

星稜とメッツ

 

常葉大菊川とヤンキース

 

確かに似ていますよね!

 

「どちらもニューヨーク市内に拠点を持ち、互いのスタジアムに地下鉄でアクセス可能なことから、メッツとヤンキースの対決は「サブウェイ・シリーズ」と呼ばれます。これを星陵と常葉大菊川に置き換え、ユニフォームのみを材料に評価すると…黄色みの強いクリーム色の生地に校名ロゴが映え、ポップな印象の星稜に軍配!すみません、完全に僕の独断です(笑)!」

 

「注目するとおもしろいのが、じつはソックス。プロ野球の世界では長いスラックスが一般的となり、目にする機会も少なくなりましたが、たとえばメジャーリーグのボストン・レッドソックスやシカゴ・ホワイトソックスなんて、一説には『選手が着用するソックスの色がチーム名の由来』と言われるほどなんです。」

 

シンプルが基本の高校野球においても、ソックスの色に関しては、いわゆる“遊び心”が見て取れる高校が少なくありません。ちょっぴり派手な色だったり、ロゴに合わせた色のライン使いだったり、まさに千差万別!

 

 

白熱した戦いからいくつものドラマが生まれ、観ているこちらも一喜一憂する甲子園ですが、ぜひ、ユニフォームにも注目してみてください。「この高校のユニフォーム、なんだかおしゃれ!」といったように、新たな楽しみ方が生まれるはずです。

大岩Larry正志

1975年生まれ、滋賀県出身。「野球とデザイン」をテーマに制作活動を続け、2008年に埼玉西武ライオンズの交流戦用ユニフォームをデザイン。以降、2009年に福岡ソフトバンクホークス「鷹の祭典」ユニフォームとグラフィック、2012年から楽天イーグルス夏季用ユニフォームや優勝ロゴ、2015年から東京ヤクルトスワローズのユニフォームやグラフィック、ロゴのデザインを手がける。

関連キーワード

他の記事

人に教えたくなる!スポーツの雑学まとめ

画像alt入ります
                               
もっと見る
 

関連トピックス

最新トピックス

RANKING人気のトピックス

アクセス数の多いコンテンツをランキング形式でお届け!