ストーリー陸上

陸上 日本選手権 五輪代表をつかむのは誰か?ここに注目!

2021-06-15 午後 03:40

東京オリンピック代表をかけた“一発勝負”の選考会。その開幕が迫っています。これを読めば、すべてが分かる!陸上の日本選手権、その注目ポイントをお伝えします。

五輪切符かけて 105回目の戦い!

 

陸上の日本選手権はその年の日本一を決める大会、ことしで105回目です。特にオリンピックや世界選手権、アジア大会など国際大会がある年にはその代表選考会を兼ねて行われ、ことしの大会では東京オリンピックの切符をかけて熱い戦いが繰り広げられます。

会場:ヤンマースタジアム長居(大阪市)   

期間:6月24日~27日(4日間)

種目:トラック    = 男女の100メートルから5000メートルまでの18種目  

           フィールド= 男女の走り幅跳びや走り高跳び、やり投げなど16種目

 

一定の記録を突破した全国の選手たちが各種目最大3枠となる代表の座をかけて「3位以内」や「オリンピックの参加標準記録」といった内定条件に挑みます。この大会で何人が東京オリンピックの切符をつかむか、注目の4日間です。

どうすれば代表に?

最大3人の内定選手はどう選ばれるのか(去年の日本選手権で田中希実選手が内定済みの女子5000メートルは最大2人)。今大会の成績と参加標準記録、それに世界ランキングで決まりますが、内定の条件は以下の通りです。 

 

①日本選手権での代表内定

 

「3位以内に入ること」かつ「参加標準記録を満たすこと」の2つの条件を満たすことが必要。

 

例えば、すでに参加標準記録を突破している選手が3位以内に入った場合はその場で代表に内定します。今大会で参加標準記録を突破して3位以内に入った場合も基準を満たし内定します。

 

②3位以内に入ったが、参加標準記録を突破できなかった場合

 

日本選手権で3位以内に入った選手が参加標準記録を満たせなかった場合、7月1日に世界陸連から公表される世界ランキングによって代表が決まります。

 

その選手が世界ランキングで上位に入った場合、参加標準記録を突破していなくても代表に選ばれます。

 

③上記に該当しない場合

 

参加標準記録を満たして3位以内に入った選手が出ず、上記の世界ランキングでも代表選手が出なかった場合、日本選手権の4位以下でも参加標準記録を満たした競技者の中から選ばれます。

 

例えば、日本選手権で3位以内に入らなくても、指定された期間内に参加標準記録を満たしていれば代表に選ばれることになります。

 

このほか、日本選手権で3位以内に入らなくても、世界ランキングで上位に入ることで出場資格が得られる場合もあります。

参加標準記録の突破者は?どんな争いに?

次に、参加標準記録を突破している選手(敬称略)を紹介、それぞれの種目の見どころも合わせてお伝えします。(  )内は各選手の「自己ベスト」。各種目の参加標準記録は下記に表あり。

 

【男子100メートル】

 

山縣亮太(9秒95)、サニブラウン アブデル・ハキーム(9秒97)、桐生祥秀、小池祐貴(いずれも9秒98)、多田修平(10秒01)

 

山縣選手、サニブラウン選手、桐生選手、小池選手(左から)

 

「最激戦」と言える種目です。6月に入り山縣選手がサニブラウン選手の日本記録を0秒02更新、4人目の9秒台の選手となりました。

 

多田選手とケンブリッジ飛鳥選手(左から)

 

スタートに絶対的な自信を持つ多田選手は山縣選手と同じレースで10秒01の自己ベストをマーク。桐生選手も同じ大会の予選で追い風選考ながら10秒01をマークしました。10秒03の自己ベストを持つケンブリッジ飛鳥選手も含めて「誰が勝ってもおかしくない」種目です。

 

【男子200メートル】

 

サニブラウン アブデル・ハキーム(20秒08)、小池祐貴(20秒23)

 

サニブラウン選手、小池選手、飯塚選手(左から)

 

日本歴代3位、20秒11が自己ベストの飯塚翔太選手は参加標準記録をまだ突破していませんが、順当であれば、飯塚選手を含めた3人の争いとみられます。現在の日本記録は2003年に末續慎吾選手がマークした20秒03。18年ぶりに新記録が生まれるのかも注目です。

 

【男子110メートルハードル】 

 

金井大旺(13秒16)、高山峻野(13秒25)、泉谷駿介(13秒30)

 

高山選手、金井選手、泉谷選手(左から)

 

金井選手は4月の「織田記念」で日本記録を更新、波に乗っています。代表は、ここ数年この種目のレベルを一気に上げてきた実力者3人による争いが有力です。さらなる日本記録の更新にも期待がかかります。

 

【男子400メートルハードル】  

 

安部孝駿、黒川和樹(いずれも48秒68)、山内大夢(48秒84)、豊田将樹(48秒87)

 

安部選手、黒川選手、山内選手、豊田選手(左から)

 

国際大会でも実績がある安部選手の「1強」と見られていた中、5月にオリンピック本番と同じ国立競技場で行われたテスト大会で、黒川選手、山内選手、豊田選手の3人が参加標準記録を突破、一気に「群雄割拠」の様相を呈してきました。

 

【男子3000メートル障害】

 
三浦龍司(8分17秒46)

 

 

大学2年生の三浦選手は、5月の国立競技場でのテスト大会で18年ぶりに日本記録を更新し参加標準記録を突破。

 

山口選手と阪口選手(左から)

 

同じレースでは、山口浩勢選手(8分22秒39)と阪口竜平選手(8分23秒93)も参加標準記録に近いタイムをマークし代表争いに名乗りを上げています。

 

【男子走り幅跳び】    


城山正太郎(8メートル40センチ)、橋岡優輝(8メートル32センチ)、津波響樹(8メートル23センチ)

 

城山選手、橋岡選手、津波選手(左から)

 

日本歴代1位、2位、4位の3人が記録を突破済みですが、特に調子を上げているのが橋岡選手です。直前の6月の大会では8メートル23センチで優勝、2回目の参加標準記録突破となりました。一方、日本記録保持者の城山選手は同じ大会で7メートル35センチの12位にとどまりました。大一番で復調なるかも注目です。

 

【女子5000メートル】 


新谷仁美(14分55秒83)、廣中璃梨佳(14分59秒37)、【内定】田中希実(15分0秒01)

 

新谷選手、廣中選手、田中選手(左から)

 

すでに内定している田中選手を除く残り2枠をめぐる争いです。新谷選手と廣中選手は10000メートルですでに代表に内定し、2種目目の内定を狙います。

 

2人の自己ベストは有効期間外のレースですが、歴代2位と3位の好記録です。有効期間内に参加標準記録を突破済みで3位以内に入ればその場で内定します。このほかにも国立競技場でのテスト大会3位で参加標準記録突破まであと2秒弱まで迫った萩谷楓選手や、日本選手権で優勝経験がある鍋島莉奈選手といった実力者が割って入る可能性もあります。

 

【女子やり投げ】  


北口榛花(66メートル)

 

 

参加標準記録を唯一、突破している日本記録保持者の北口選手が記録では頭一つリードしています。

 

 

ただ、去年の日本選手権で北口選手を逆転で破ったのが佐藤友佳選手。自己ベストは歴代3位の62メートル88センチです。このほかにも自己ベストが60メートル超える選手が複数いて、記録と勝負の行方から目が離せません。

注目種目は、ほかにも!

まだ参加標準記録を突破している選手がいない種目でも注目種目がめじろ押しです。

 

【女子100メートルハードル】

 

寺田選手と青木選手(左から)

 

ことし4月まで12秒97だった日本記録は現在12秒87、一気に0秒1も縮まりました。寺田明日香選手がみずからの記録を4月と6月1日に相次いで更新すると、青木益未選手が6月6日の大会でそれに並びました。参加標準記録の12秒84まで、あと100分の3秒です。

 

【男子走り高跳び】

 

戸邉選手、真野選手、衛藤選手(左から)

 

参加標準記録は2メートル33センチ。戸邉直人選手は2メートル35センチの日本記録を自己ベストに持ち、十分達成可能な記録です。このほか、去年の日本選手権を制した真野友博選手の自己ベストは2メートル31センチ、衛藤昂選手の自己ベストは2メートル30センチです。

 

【男子やり投げ】

 

新井選手とディーン元気選手(左から)

 

参加標準記録は85メートル。自己ベストが唯一、上回っているのがリオデジャネイロオリンピック代表の新井涼平選手で86メートル83センチです。その新井選手と同学年でライバルとして長年争ってきたのがロンドンオリンピック代表のディーン元気選手、自己ベストは84メートル28センチです。

 

このほかにも、ことし4月に82メートル52センチの自己ベストをマークした小南拓人選手など、80メートルを超える投てきをしたことがある選手が複数います。東京オリンピックを勝ち取るビッグスローが見られるのか、楽しみです。

 

 

この記事を書いた人

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佐藤 滋 記者

スポーツニュース部記者。平成15年 NHK入局。札幌局・山形局を経て現所属。途中1年間はネットワーク報道部に所属。オリンピック取材は、ソチ・リオデジャネイロ・ピョンチャンの3大会を経験。自身は小学3年から大学まで野球一筋。

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小林 達記 記者

平成26年NHK入局。神戸局、大阪局を経て、スポーツニュース部。陸上担当。大学では野球部に所属。中学時代は陸上も経験。

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