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特集 好調の遠藤 寡黙な力士が語った言葉 大相撲夏場所

相撲 2021年5月18日(火) 午後10:50

大関に復帰した照ノ富士の独走が続く夏場所。大関・貴景勝とともに2敗で追いかけるのが、平幕の前頭8枚目・遠藤だ。

 

 

10日目は琴ノ若(前頭11枚目)との一番。立ち合いから低く低く、出足を止めずに突き放す。

 

 

23歳のホープを一気に押し出し。平幕の勝ち越し第1号となった。

 

そして取組後には、この男ならではの“注目ポイント”もあった。

 

テレビ中継の勝ち越しインタビューだ。

 

遠藤は角界きっての寡黙な力士で、ふだんは取組後の取材にも、ほとんど応じることはない。話してもひと言、ふた言。

 

だが、この日のインタビューは違った。

 

 

よかったです。しっかり見て、落ち着いて相撲が取れました。精神的にも体とも、うまく付き合えてます。(終盤戦も)変わらず1日、一番、集中していくだけです

 

そう説明した遠藤。さらには、こんな思いも口にした。

コロナ禍で、お客さんもいつもより入場できてないですけど、テレビの向こうで応援して下さる方も大勢いるので、その方たちとか会場にいる人たちもそうですけど、元気出るような相撲を取れるようにやってます

 

インタビュー後、向正面の解説を務めていた舞の海秀平さんが「以前よりも話してくれるようになりましたね」と言及するほどの話しぶり。

 

3場所ぶりに勝ち越した喜びに加え、コロナ禍でも応援してくれるファンヘの思いが、口を開かせたのだろうか。

 

春場所10日目 遠藤が休場 相手の不戦勝を伝える垂れ幕

 

先場所は左足のけがで途中休場し、この1年ではもっとも低い番付で、今場所を迎えていた。

 

師匠の追手風親方は場所前にこう話していた。

 

「順調に回復した。この番付なので、そこそこいけるのでは」

 

 

師匠のことば通り、白星を積み重ねている遠藤。

 

終盤、星2つの差からの逆転劇は容易ではないが、“寡黙な力士の優勝インタビュー”を聞いてみたくはある。

 

 

この記事を書いた人

小野 慎吾 記者

小野 慎吾 記者

平成28年NHK入局。岐阜局を経て、2019年8月からスポーツニュース部で格闘技(大相撲、ボクシングなど)を担当。前職はスポーツ紙記者。

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