ストーリー/陸上
東京五輪は希望であって欲しい マラソン鈴木亜由子選手
2020-06-22 午後 04:41

「オリンピックは、考えるだけで心がわくわくするようなたくさんの方に、もうやっぱり希望であってほしいな」。
東京オリンピックマラソン代表に内定している鈴木亜由子選手の言葉です。
この半年の間、東京オリンピックのマラソンの舞台は東京から札幌になり、さらに大会自体も1年延期が決定と、いろいろありました。新型コロナウイルスの影響で満足のいくトレーニングができない時期も続きました。愛知県豊橋市出身。国立の名古屋大学卒業で「秀才ランナー」とも呼ばれる鈴木選手は、こうした数々の困難をどう乗り越えようとしているのか取材しました。
新型コロナウイルスの影響で思うように行かない日々
不要不急の外出を避ける中、美容院にも行けていなかったという鈴木亜由子選手。練習でも、思うように屋外で走れない日が続きました。
鈴木亜由子選手
トレーニング、知識の集約とか、本当に時間があるときに、またしっかり復習をしようかなというのと、寮でトレーニングしたり、公園でウォーキングしたり、今できる範囲でトレーニングに取り組んでいます。
苦しみながらもマラソン日本代表に内定。大会に向けたやさきに
鈴木亜由子選手 |
世界中で大変厳しい状況が続いていますが、オリンピックは希望だと私は思います。
気持ちを落ち着かせた1冊。意外な本だった!
先が見通せない中、気持ちを落ち着かせる助けになった1冊の本があったそうです。
それは「能に学ぶ『和』の呼吸法」という本でした。
能で行う、ゆっくり深い呼吸を通じて、緊張やストレスとの向き合い方が書かれた、この本。悩んでいた自分を前向きにさせる一節が心に強く残ったと言います。
『こころは波打つ。だからこそ、波打つこころはそのままに、またそれを波打たせる「思ひ」もそのままに』。
鈴木亜由子選手
不安とかストレスとかそういう感情があるのは当然だし、なくならない。なくそうと思わないことが大切だと。今を乗り越える上で参考になった。
1年後の大会へ再始動
鈴木亜由子選手
レースに出て結果を出すのは私なんですけど、でもそこは目に見えている部分ほんの少しの部分であって、孤独な戦いですけど全然孤独じゃないというのは本当にいつも感じています。離れているけれども、やっぱり心はしっかりつながって、あの頑張っているっていうのをやっぱり忘れずに頑張っていきたいなって思います。みなさん、いま大変なときですけれども、みんなで助け合って、そして心はつながっているんだという思いを忘れずに、乗り越えていきましょう。必ずまた笑顔で元気にお会いしましょう。