ストーリー卓球

100年に一度の選手!卓球界に現れた怪物 張本智和

2019-01-10 午後 04:26

力強い雄たけびでおなじみの張本智和選手、15歳(2019年1月現在)。

今回の記事は、まだ成長途上ながらもワールドツアーで初優勝を飾った張本選手に迫ったドキュメンタリー「卓球14歳の怪物・張本智和の現在地」(2018年1月放送)をテキスト化しました。

絶望から始まった2017年

2016年に世界ジュニア選手権を制した張本選手。

 

その翌年、将来性を買われ世界選手権代表に推薦されました。

 

 

 

上の写真がその時の様子です。

 

世界選手権の代表に推薦されたというのに、その表情はどこか暗く感じます。理由は、1週間前に行われた全日本選手権で結果を残せなかったことにあります。

 

全日本選手権ジュニアの部に優勝候補として出場した張本選手。しかし、高校2年生と対戦した準々決勝でまさかの敗退。

 

 

「卓球人生で1番の挫折。死にたいくらいの絶望感だった」と当時を振り返ります。

 

その後は練習場には一番に乗り込み、基本練習を繰り返す日々を送ります。「1秒も無駄にしない」というくらいの練習量でした。

水谷選手を制した「バックハンド」「サーブ」

 

そして2017年6月、初めて挑んだ世界選手権。2回戦の相手は、リオオリンピックでシングルス銅メダルを獲得した日本のエース・水谷隼選手でした。

 

この大舞台で水谷選手と初めて対戦することになった張本選手。当時の世界ランキングは、6位の水谷選手に対し、張本選手は69位でした。

 

格上の水谷選手を相手に、水谷選手の得意なラリーに持ち込まれないよう、早めに攻撃を仕掛け、第1ゲームを勝ち取ったのです。

 

 

水谷選手を困らせたのは、張本選手の強力なバックハンド。

 

日本卓球協会 強化本部長 宮﨑義仁さん

 

バックハンドはどの選手でも使いますが、あの速さで何度も連続で威力があり安定して打てるのは、張本選手の持つ強さです。日本卓球協会の宮﨑さんによれば張本選手のバックハンドは世界で3本の指に入るほどうまいそう。

 

そしてもう1つの武器がサーブです。相手が分かりづらいよう回転数をわずかに変えることで、ミスを誘うことができるのです。

元世界ランキング1位のティモ・ボル選手も張本選手のサーブを認めています。

 

 

強力なバックハンドとサーブでついに水谷選手を破った張本選手!

 


その勢いのまま、この大会で史上最年少でのベスト8入りを果たしたのです。

11歳の決意。いつか水谷選手を追い越したい!

 

水谷選手と張本選手が初めて会ったのは2014年、張本選手が11歳の時でした。

 

NHKのある番組の企画で、水谷選手が張本選手の練習場所をサプライズ訪問したのです。

 

 

初めてネットを挟んで打ち合う2人。この時、水谷選手は張本選手のサーブの種類が少ないことに気づきました。

 

 

何本も何本も、サーブの練習をさせる水谷選手。小学生には難しいサーブを教えたのです。

 

そして11歳の張本選手は決意します。いつか水谷選手を追い越したいと。

 

強い覚悟を持って練習に励むこと3年。ついに憧れの水谷選手に勝つことができました!

「メンタル」と「フォアハンド」課題に直面

万事順調に思える張本選手ですが、取材当時はまだ14歳。課題も見えていました。

 

張本選手のコーチは、元トップ選手の父。

 

右:張本選手のコーチでもある父 張本宇(ユウ)さん

 

張本選手は試合中に少しうまくいかなくなると、父への甘えが出てしまい、うまく立て直せなくなる時も。

 

日本代表監督から見ても、それは張本選手の弱さでした。

 

もう1つの課題がフォアハンド。対戦相手に弱点を見抜かれ、試合のペースを握られることもありました。

 

フォアハンドでは振りの大きさに体がついていかず、体勢が崩れてしまいます。卓球は、わずかでも体勢が乱れると、立て直しに時間がかかり、相手についていけなくなってしまうのです。

 

 

克服に必要なのは脚力の強化。体が出来上がりつつある今、筋力トレーニングにも手を抜きません。

 

そして、練習の成果が試される場がやってきます。2017年8月の大会、対戦相手は2か月前にフォアハンドの弱点を見抜かれ、敗れたティモ・ボル選手。

 

特訓の成果が見事に表れ、強いフォアハンドで攻めます。ティモ・ボル選手は「この2か月で急にフォアハンドが強くなった」と驚きました。

 

もう1つの課題であるメンタルコントロールの対策のため、ベンチには父でなく、代表監督が入りました。

 

 

この結果、途中、ピンチの場面でもベンチからの助言を冷静に聞くことができました。

 

張本選手は2か月前に敗れた相手に勝利し、史上最年少でワールドツアー優勝を果たしたのです。

 

まだ中学生の張本選手。

 

体が大きくなる中、周りの環境も大きく変わっていきます。1日1日の練習が確実に力になっているのです。東京オリンピックに向け、張本選手の成長は止まりません!

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