ストーリー水泳

競泳 萩野公介 “これが今の自分”

2021-04-08 午後 10:15

男子200メートル個人メドレーと男子800メートルリレーの2種目で東京オリンピックの代表に内定し、今大会の戦いを終えた萩野公介選手。自分の体と心に向き合って下した決断が正しかったことを証明する戦いが始まります。

 

決断 

「4個メは欠場します」
先月16日、長野県東御市で日本選手権に向けた合宿が終わる前日、萩野選手は平井伯昌コーチに、そう伝えました。

不振からの脱却の糸口をつかみかけていた中での決断。みずからの体力、そして心と向き合い「いま、自分が世界と戦える種目」でオリンピック出場をねらうために決めました。

かつて、「400メートル個人メドレーを泳ぐことは、水泳を続けていることと同じくらいの意味を持つ」と話していたほど、思い入れがあった種目を諦め、「全集中」で臨んだ200メートル個人メドレー決勝。
 
 
わずかなリードを保って迎えた最後の50メートルで競り合ったのは、同い年のライバル、瀬戸大也選手でした。

激しく競り合う2人。まず仕掛けたのは萩野選手、残り25メートル付近でギアを上げ、わずかに先行します。

しかし、勝ったのは瀬戸選手でした。残り5メートルからは息継ぎをしない、がむしゃらな泳ぎでゴール板をたたいた2人、萩野選手は0秒02、及びませんでした。

優勝は逃しましたが、2位に入りすでに内定している瀬戸選手に続いて、この種目の残る1つのいすを確保しました。
 
 
「スパートをかけるのがちょっと早かった。競馬で言う“むちを入れる”タイミングがワンテンポ早かった。悔しいけど、でもすごく楽しかった」

ライバルとの最終盤の競り合いを大好きな競馬に例えて振り返った萩野選手の表情は晴れやかでした。
 
 
「力は出し切れた。一時はレースの前に負けていたこともいっぱいあったが、素直に自分が培ってきたものをこの場で出すことができた」

不振に苦しんでいた期間にはできなかった、1つのレースに全力でぶつかれたことへの手応えを口にして、萩野選手は今大会の戦いを終えました。

「100%正しいかわからないけど、それが正しい選択だと思って種目を選んだし、そういう練習をしてきた。これが今の萩野公介。背伸びをしないで、これが自分の実力だと思って泳いでいるので悔いはない。もちろんメダルや1位を目指すが、オリンピックでは何よりも自分という姿を出し切りたい」

決断が正しかったことをこの夏、証明します。

この記事を書いた人

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安留 秀幸 記者

平成22年 NHK入局 北九州局からスポーツニュース部。競泳担当。メダルラッシュが期待される選手たちを追いかけて取材に邁進中。

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萩野 公介

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