ストーリー水泳

競泳 松元克央 日本選手権で思い描くのは世界のライバル

2021-04-02 午後 08:40

成し遂げたい夢があるから、心が折れることはありませんでした。

 

競泳の松元克央選手はコロナ禍の1年を、ただひたすらに東京オリンピックでの金メダル獲得という目標と向き合い、ステップアップにつなげました。

 

オリンピック会場で開かれる日本選手権では世界のライバルたちの姿を思い描きながらレースに臨みます。

コロナ禍でも歩みは止めずに

松元 選手
“こうしておけばよかった”というやり残しが一切ない。

 

競泳界の“カツオ”こと松元克央選手は、3月、日本選手権に向けた最後の強化合宿を終えたあと取材に対して迷い無く言い切りました。

 

ことし1月の国内大会では強化期間にもかかわらず松元選手は得意の男子200メートル自由形で、自身の日本記録を更新。

 

 

その後も、ソウルオリンピックの金メダリスト、鈴木大地さんを育てた名伯楽、鈴木陽二コーチのもと充実したトレーニングを積んできました。

 

去年は、東京オリンピックの延期という異例の事態に直面、さらには新型コロナウイルスの影響で強化スケジュールの変更を余儀なくされた1年間でした。

 

それでも、立ち止まることなく前進し続けることができたわけを聞くと、ある思いを教えてくれました。

松元 選手
オリンピックを迎えたときに“あの時、もっと強化しておけばよかった”と思いたくなかった。そんな状態で目指せるほど金メダルは甘くないと思うので。

世界と戦う魅力に触れて

 

松元選手が世界の頂点を意識し始めるきっかけとなったのが2019年の世界選手権。男子200メートル自由形で日本選手初となるメダル、銀メダルを獲得しました。

 

世界トップクラスの舞台で表彰台に上がる喜びを感じるとともに、世界で勝つことの難しさ、そして、そこに挑む楽しさを肌で感じた瞬間でした。

松元 選手
簡単には勝たせてくれないからこその、おもしろさ、緊張感に打ち勝ちたいし、1回は“てっぺん”をとってみたい。そういう気持ちが芽生えたのも世界を経験したから。世界に挑み続けたい。

磨きをかけた省エネ泳法

 

世界選手権が行われた2019年からここまでの松元選手の成長が目に見えて分かる数字があります。それが腕を回す回数=ストローク数の変化です。

【松元選手のストローク数】

2021年1月  北島杯   

1分45秒13(NR) 26 28 29 32

2019年4月  日本選手権 

1分45秒63     28 31 31 34

 

上が、ことし1月に日本記録を出したレースでの50メートルごとのストローク回数。下が2年前の日本選手権でのストローク回数です。

 

タイムは速くなっているのに、ストローク回数は減少しています。これが、この1年でみっちり練習をこなしたからこそ身につけた泳ぐ速度を落とさずにストローク回数を減らす「楽に速い泳ぎ」でした。


回数が減った分だけ“省エネ”となるため、自身の持ち味である“ラストスパート”に体力を温存できるのです。指導する鈴木コーチはさらなる成長に期待を寄せています。

鈴木 コーチ
レベルが上がっているなという手応えは感じていて、オリンピックのメダル圏内には間違いなくいると思う。日本選手権では日本新記録となる1分44秒台は、ほぼ確実に出る。そのうえで、どこまでいけるか。

“55メートルスパート”

 

省エネ泳法を身につけたことで、レース戦略の幅も広がりました。

 

東京オリンピックに向けて松元選手が日本選手権で試そうとしているのが“55メートルスパート”です。

 

これまでは150メートルをターンしてスパートをかけ始めていましたが、それを、ターン前5メートルからギアを上げるという作戦です。

松元 選手
ターン前に、ちょっと上げるだけでぜんぜんラストの勢いが違ってくる。日本選手権では、オリンピックで戦うようなレースをする。ラストで周りがいなくても練習してきた成果を出したい。

世界レベルを想定して

初めてのオリンピックで勝つことを目標に掲げる松元選手。1発勝負の代表選考会でもイメージするのは、あくまで世界のライバルたちです。

 

松元 選手
海外の選手たちにプレッシャーを与えるようなレースをしたい。日本選手権で不安を感じていたら、オリンピックはもっと不安になってしまう。やってきたことに自信を持って臨みたい。

この記事を書いた人

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安留 秀幸 記者

平成22年 NHK入局 北九州局からスポーツニュース部。競泳担当。メダルラッシュが期待される選手たちを追いかけて取材に邁進中。

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松元 克央

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