ストーリーカーリング

カーリング男子世界選手権の見どころ コンサドーレが北京五輪出場に挑む!

2021-04-01 午後 01:19

2月に開催されたカーリング日本選手権の男子は、コンサドーレが3連覇を果たし、実力を見せつけました。そして、4月3日~12日には、カナダ・カルガリーで、2022年北京オリンピックの出場権をかけた世界選手権が開催されます。各国から並みいる強豪が集うなか、上位6チームに入れば北京オリンピック出場が決まります。世界の頂点を決める大会で、コンサドーレはどんな戦いを見せるのか? ライバルとなる世界の強豪チームや注目の選手は?1998年長野オリンピックの出場経験があり、NHKの中継で解説を務める敦賀信人さんに見どころを語っていただきました。

日本選手権から見えた、コンサドーレの強みと課題

決勝トーナメントの常呂ジュニア戦でショットを放つ松村選手

 

ーー 2021年の日本選手権はコンサドーレが3連覇を決めました。まずは大会を振り返って、コンサドーレの戦いはいかがでしたか?

 

総合的に、すべてが良かったと思います。決勝戦は私がコーチを務めている常呂ジュニアとの戦いになりましたが、接戦ではあったものの、コンサドーレはやはり最終的に「勝ち切る力」があると感じました。カーリングは、最後にストーンを投げることができる後攻が有利な競技なのですが、その後攻を持っている時に、相手にチャンスを与えない試合運びは抜群に上手いですね。

 

ーー現状の強みや課題についてはどのように見ていますか?

 

チームの強みは、世界に誇れる個々の技術の高さではないでしょうか。

 

 

リード・阿部晋也選手

冷静で、どんなショットや作戦にも合わせることのできる対応力と、豊富な経験を兼ね備えています。チームの精神的支柱です。

 

 

セカンド・谷田康真(やすまさ)選手

ここぞという時、チームが困っている時に的確なアドバイスができます。また、力強いスイープ力に注目です。

 

 

サード・清水徹郎選手

チームの中で唯一のオリンピック経験者です。「強いチームには強いサードあり」と言われるように、清水選手は国内トップのサードで経験も豊富。チームに勢いをつけてくれます。

 

 

スキップ・松村雄太選手
とにかく投げるのが上手。さまざまなショットを見てきましたが、どんなショットも器用にこなす選手です。現在のチームを引っ張るような「柱」的存在になっていると思います。

 

 

リザーブ・相田晃輔選手
一番年下なのですが、試合以外でもチームを盛り上げたり、ときにはからかわれたりもしながら(笑)、チームの雰囲気の良さに一役買っています。もちろんスキルも高く、昨年阿部選手が体調不良の間は、チームのリードとして出場し、試合後のミーティングやハーフタイム時にチームに駆け寄って戦略やアドバイスを与えていました。


一方で、課題としては細かなミスをなくすことだと思います。今回の日本選手権でも最後の詰めの甘さが何度か見られたので、相手チームやリンクなどの情報収集を徹底して、それを作戦につなげることが大切です。世界にいけば日本選手権以上の試合ばかりなので、ストーン1個だけではなく半個のズレが大きく点数に関わってきますから。

北京オリンピック出場をたぐりよせる戦い方とは?

2019年の世界選手権はスウェーデンが優勝、2020年はコロナの影響で中止に

 

ーー 日本選手権を制し男子日本代表となったコンサドーレは、4月3日(日本時間)からはじまる世界選手権に出場します。今大会は、2022年北京オリンピックにもつながる重要な大会となりますね。

 

そうですね。今大会はカーリング世界一を決めるとともに、2022年北京オリンピックの出場をかけた大会でもあります。オリンピックの出場枠は10枠ですが、そのうち6枠が今大会で決まります。本来であれば昨年と今年、2回の世界選手権の合計ポイントで決まるはずだったのですが、昨シーズンは中止になっているので、今大会のポイントのみで6チームが決まります。まさに一発勝負ですね。

 

ーー昨年、男子は世界選手権への出場権を獲得できなかったので、日本にとっては北京オリンピック出場の可能性が拡がったという見方もできますね。ズバリ、コンサドーレは6位以内に入り、オリンピック出場権を獲得できそうでしょうか?

 

2019年の世界選手権で4位、現在の世界ランキングが6位なので順当に行けば獲得できると思っています。ただ、一昨シーズンから今回まで世界のチームと戦う機会がなかったので、他国がどのくらい力をつけてきているか分かりにくいといった懸念があります。コンサドーレが北京オリンピック出場を決めるためには、予選を突破し6位に入ることが条件です。今回は14チーム出場するので、ボーダーはだいたい9勝4敗か8勝5敗。9勝すれば予選を突破し、決勝トーナメントに出場できると思いますので、その数字を積み上げることが必要だと思います。

 

2019年の世界選手権 3位決定戦、コンサドーレは惜しくもスイスに敗れた

 

ーーそのためにはどのような戦い方が必要だと考えますか?

 

世界選手権なのでもちろん強い国が多いわけですが、とにかく出だしが大事です。最初の数試合でトントンと勝って勢いをつけるのが精神的にも重要になってくるのではないでしょうか。現在のコンサドーレは全勝できるほどの実力を持っています。一方で、全敗してしまう可能性もある。それくらい今回の世界選手権は拮抗しています。だからこそ、出だしで勢いをつけられるかどうかが大事になってくると思います。日本選手権では、「国内では絶対に負けられない」「連覇すればオリンピック日本代表に決定する」というのが若干重荷になっていたので、国外に出ることで思い切ったプレーができるはずです。

コンサドーレが挑む世界の強豪国とは?イチオシの選手は?

世界選手権に向けて公開練習に臨むコンサドーレ

 

ーー 例年とは違った事態に混戦が予想される世界選手権ですが、敦賀さんから見てどのような大会になりそうでしょうか?

 

強豪と言われるカナダとスウェーデンが2強を占め、それ以外は大混戦になるのではないでしょうか。なかでも今回一番怖いのは中国です。男女ともに、一昨年からスウェーデンの元世界チャンピオンをコーチに就けて国内から出ずに練習を行っています。例年なら、日本は世界戦の前にパシフィックアジアでアジア・オセアニア地区の力を見ることができていたのですが、昨年は中止になったので中国、韓国がどれくらい力を付けているかが分かりません。今回の世界戦でいきなり戦うことになるのでとても怖い存在ですね。

 

ーー とくに注目して欲しいのはどの試合でしょうか?

 

初戦がドイツで、カナダ、スイス、アメリカ、イタリアと試合が続きます。どのチームも強いので見逃せないのですが、とくに注目してほしいのはカナダとの戦いですね。実は、日本はカナダチームを理想としていて、強化合宿も常にカナダに行き、カナダの練習や技術を取り入れているという側面があるんです。そういった理想としている国のチームを倒すと大きな自信になりますよね。しかも2戦目なので、その後への勢いをつける重要な戦いになるかと思います。

 

ーー カーリング初心者に見て欲しい、注目の選手はいますか?

 

スウェーデンのスキップ、ニクラス・エディン選手

 

もちろんコンサドーレの選手なのですが、日本以外で言うとスウェーデンのスキップ、ニクラス・エディン選手です。スウェーデンはオリンピックや世界選手権で数多くのメダルを獲っていて、常に上位3チームに入っています。だからスキップ以外の3人も投げるのが上手なのですが、エディン選手のすごい所は、色々なところから石を飛ばしてくるところ。常に「魅せるゲーム」をするんです。呼び名をつけるとしたら「カーリング界のエンターテイナー」といったところでしょうか。動きが大きく迫力があって、中継を見ていてとても面白いと思うのでぜひ注目して欲しいですね。

 


北京オリンピック出場がかかる、重要な今年の世界選手権。NHKでは、4月3日から始まる試合の様子を毎日中継するほか、特設サイトでは日本戦を中心にライブスコアを公開します。ぜひお楽しみに!

 

敦賀信人

1977年11月3日生まれ、北海道常呂町出身。中学2年生の時にカーリングを始めた。1996年から1999年までの日本選手権4連覇を達成。1998年に開催された長野オリンピックでは、日本代表の主将を務めチームを5位に導く。その後の2010年から2012年までの日本選手権3連覇。現在はジュニア選手の育成やテレビ等での試合解説を積極的におこないカーリングの普及活動に尽力。

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