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特集 照ノ富士 大関復帰の目安 直近3場所33勝到達 優勝の可能性もある。 気を引き締めて頑張る

相撲 2021年3月26日(金) 午前11:30

「そこ(大関復帰)を目指して、頑張ってきた。ちょっと、夢に近づいたかな」

 

関脇・照ノ富士が9勝目を挙げ、ついに大関昇進の目安とされる直近3場所33勝に到達した。

 

6年前に大関の座につきながらも、ひざのけがや糖尿病などの影響で、一時、序二段まで番付を下げた男が、かつてない形で大関返り咲きを果たそうとしている。

 

 

12日目。玉鷲との一番は持ち味の相撲とはほど遠かった。優勝経験のある実力者の突き押しにずるずると土俵際まで下がり追い込まれる場面も見られた。

 

 

それでもテーピングで固めた両ひざに力を込めてふんばって最後は突き落としてみせた。

 

「精いっぱい臨んで最後に勝ててよかった」

 

絶対に大関昇進の目安、直近3場所33勝にするんだという強い決意が、にじみ出たような白星だった。

 

平幕以下に番付を下げたあとで大関に復帰したケースは昭和52年の魁傑だけ。さらに十両以下となって大関に返り咲いたケースはなく実現すれば史上初めての快挙となる。

 

日本相撲協会の伊勢ヶ濱審判部長は12日目の取組のあと「相撲が全部終わってから」と弟子の照ノ富士の昇進については千秋楽の取組後に判断する考えだ。

 

ただ、この数字はあくまで目安にすぎない。平成18年の雅山(34勝)や平成22年の把瑠都(33勝)のように昇進が見送られた例もある。

 

それでも目安の白星を挙げた照ノ富士。

 

そこ(大関復帰)を目指して、頑張ってきた。ちょっと、夢に近づいたかな。まだ3日残っている。優勝の可能性もある。気を引き締めて頑張る。

 

油断している様子はまったく見られない。かつて照ノ富士は、終わりの見えないリハビリの日々に「正直、辞めようと思った」と引退を考えた時期もあった。

 

今場所は残り三番。前例のない復活劇を何としても決めてほしい。

 

この記事を書いた人

坂梨 宏和 記者

坂梨 宏和 記者

平成21年NHK入局 福岡県出身

長崎局、広島局などを経てスポーツニュース部。プロ野球を担当した後、現在はサッカー担当。

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