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特集 「公務員から関取に」異色の新十両・一山本

相撲 2019年7月5日(金) 午後0:00

北海道岩内町出身の新十両・一山本(いちやまもと)、25歳。大学卒業後は、道内の町役場に就職。しかし、夢を諦め切れず、両親の反対を押し切って角界入りをした異色の力士です。初めて関取として土俵に上がる名古屋場所では、勝ち越しを目指します。

"スー女" たちが早くも注目!

一山本

(両親のためにも)給料をもらえるようにですね、関取になって恩返ししないといけないなあって思っていたので、よかったです。

 

立ち合いからの突き押しが持ち味の一山本。新十両として迎える名古屋場所を前に、早くも注目を集めています。

 

ベテランの “スー女”

手足も長いし、かっこいいし、きっと、私たち“スー女”に、すごい人気が出ると思う。

大学卒業後は"町役場に就職"

小学生時代 (写真 左)

 

相撲を始めたのは、小学2年生の時でした。

 

中央大学時代

 

大学では名門、中央大学の相撲部に所属。幕内で活躍する矢後は後輩です。

 

町役場勤務時代

 

当初は各界入りを考えましたが、大学卒業後は、北海道の福島町役場に就職。教育委員会に配属されました。

 

 

地元では、子どもたちに相撲を指導。基礎から丁寧に教えたと言います。

 

指導を受けた子ども

やさしくて、腰割りとかもちゃんと出来るようになりました。

 

指導を受けた子ども

自分のことをしっかり分かってくれた先生です。目標にしてやっていきたい。

子どもたちと過ごした日々が "決断のきっかけに"

 

子どもたちと一緒に過ごした日々が、角界入りを決断する大きなきっかけになったと言います。

 

一山本

子どもたちが頑張っている姿を見ると、やっぱりまだまだ僕も22、3歳で若かったので。若いから、もう1回、挑戦できると思った。

両親は当初 角界入りに"反対"

安定した公務員からの角界入りの決断を聞いた両親は、当初、反対しました。

 

母:山本恵美子さん 父:勇一さん

ちょっと立ち止まってよく考えてごらんと言ったんですけど、もう、本人が決めてきて。

 

 

新弟子検査の対象年齢が、23歳未満から25歳未満に緩和された新しい規定を最初に受けて角界入りしました。

 

 

新十両で迎える名古屋場所を目前に控えた、6月末。一山本は、親方や兄弟子の指導を受けながら必死に稽古に取り組んでいました。

食べるのも"稽古の一環"!

 

体作りにも力を入れています。この日の目標は、ちゃんこをおかずに、どんぶり5杯の米を食べること。

 

一山本が目指すのは、今より10キロほど重い140キロ台。食べるのも“稽古の一環”と流し込みます。

 

一山本

稽古もつらいですけど、食事が一番つらいですね。ほんと。

"夢を与えられるような"お相撲さんに!

 

関取として初めて挑む、名古屋場所。まずは、勝ち越しを目指します。

一山本

少しずつですね。勝ち越していって、しっかりと番付を上げていければなと思います。

 

 

──目指す力士像は?

一山本

やっぱり、子どもたちに夢を与えられるようなですね。まあ、人気のある、お相撲さんになりたいなあと思います。

 

大相撲名古屋場所は、7月7日に愛知県体育館で初日を迎えます。

細井 拓

平成24年入局 北見、釧路放送局を経て、平成29年から札幌局。プロ野球からサッカー、ウィンタースポーツまで幅広くスポーツ取材を担当。趣味は体を鍛えること。座った姿勢から倒立できます。

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