ストーリー相撲

大栄翔 "突き押しを極める"

2021-03-23 午後 0:18

「本当に相撲がよくなってきた」と本人も納得の一番だった。

 

大関・正代に対して鋭く当たり、回転のいい突っ張りで腕を伸ばしてどんどん前に出ていく。

 

春場所9日目 大関正代に押し出し

 

大関が「相手の圧力がまさった」と脱帽した理想的な押し相撲だった。

 

大栄翔は7日目から3連勝で完全にみずからの相撲を取り戻してきた。

 

今年の初場所で初優勝した大栄翔(代表撮影)

 

先場所は持ち前の押し相撲で上位を総なめにし初優勝を果たした。小結に戻った今場所は大関挑戦の足がかりとなる場所、どこまで勝ち星を伸ばせるのかが注目された。

 

今場所前「立ち合いで下から上に突き起こすこと」、「突き押しの回転とパワーを両立させること」を意識して稽古を重ねてきたという大栄翔。

 

押し相撲や四つ相撲、さまざまなタイプの関取がいる追手風部屋での稽古で徹底的に突き押しの相撲を貫いてきた。

 

 

しかし、春場所が幕を開けると初日からまさかの4連敗。序盤戦だけを見れば完全に期待を裏切った。

 

それでも大栄翔は自分の相撲から目を背けてはいなかった。星があがらなくとも意識したのは「自分の相撲を取り切る」ことだけ。ひたむきに突き押しで前に出る相撲を取り続けた。

 

春場所5日目 御嶽海に押し出し

 

波に乗ると強いといわれる押し相撲の力士。大栄翔がきっかけをつかんだのは5日目、御嶽海との相撲だった。押し相撲どうしの一番は、立ち合いから大栄翔が圧倒。

「ここから乗っていけるように頑張りたい」取組後のほっとした表情でそう語ったのが印象的だった。

 

 

相撲がかみ合い始めたこの日以降は朝乃山と正代の二大関、それに関脇の隆の勝と実力者を圧倒している。まさに波に乗り始めたといっていいだろう。

 

大栄翔の戦いぶりに、場所前に話していた言葉を思い出した。

突き押しを極めていけば“上”を目指せるんじゃないかと思うようになってきた。

 

 

苦しかった序盤の経験も、突き押しを極め“大関”という地位を勝ちとるための大きな糧になっていくはずだ。

この記事を書いた人

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清水 瑶平 記者

平成20年 NHK入局。熊本局、社会部などを経て、平成28年からスポーツニュース部で格闘技を担当。学生時代はボクシングに打ち込む。

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