ストーリー野球

阪神・原口文仁「大腸がん手術からの復活」~担当記者が語るキラリと光る活躍シリーズ⑳~

2019-07-20 午後 0:00

ことしのオールスターゲーム。1月に大腸がんの手術をした阪神の原口文仁選手が2試合連続のホームランを打って歴史に名を刻みました。


「死を身近に感じた」というまさにどん底からはい上がり、夢の舞台でのホームラン。復活の過程には矢野監督の支え、そして原口選手の強い意志がありました。

まさかのがん発覚

 

原口選手が大腸がんを公表したのはことし1月。ツイッターに載せた手書きの文章で「昨年末、人間ドックを受診したところガンと診断されました」と告白。

のちのインタビューで、そのときの心境についてこう振り返りました。

 

原口文仁選手

野球をできるかどうかの前に生きていけるかを考えました。

死というものを身近に感じました。

 

昨シーズン、代打で23本のヒットを打って球団記録に並ぶ活躍を見せた原口選手。

さらなる活躍が期待された10年目のシーズン、突然襲いかかった試練でした。

矢野監督の言葉を支えにして

突然のがんの告知に、戸惑いを隠せない原口選手を勇気づける出来事がありました。

告知されたまさにその日、病院を出て1時間もたたないうちに携帯電話に着信がありました。矢野監督からでした。

 

矢野監督(左)と原口選手(右)

原口文仁選手

『待ってるから頑張れ』という言葉をもらいました。

『よっしゃ、ここからもう1回頑張るぞ』という気持ちになりましたし、本当に背中を押してもらった電話でした。

 

原口選手が復帰するまで、矢野監督は励まし続けました。

 

矢野燿大監督

俺はお前を信じているし、フミ(原口文仁選手)自身も自分のこと信じていると思うから。
 
フミがもう1回、タイガースのユニフォームを着てファンに喜ばれるような姿を俺は楽しみに待っている。

 

 

手術の後は低下した体力を取り戻すため必死のリハビリを続けました。歩くことから始めましたが、思うように体が動きません。チームに合流してからも1人、別メニューの練習が続きました。

 

チームに合流し、トレーニングする原口選手(3月7日)

 

それでも家族やファン、そして矢野監督に恩返ししようと、気持ちを奮い立たせました。

1軍復帰 そしてオールスターゲーム出場

ロッテ―阪神 1軍復帰した原口選手(6月4日)

 

6月はじめ。手術からわずか4か月あまりで1軍に復帰。サヨナラヒットを打つなど、その勝負強さは手術前と変わりませんでした。

 

オールスター第1戦 代打で2ラン (7月12日)

 

迎えたオールスターゲーム。出場メンバーに選ばれた時には、「ホームランは狙って打てないので偶然の当たりを期待したい」と話していましたが、東京ドームでの第1戦は代打で出場してツーランホームラン。

 

オールスター第2戦 2試合連続の本塁打 (7月13日)

 

甲子園球場に舞台を移しての第2戦でも、最初の打席で2試合連続のホームラン。縦じまのユニフォームが気持ちよさそうにダイヤモンドを回ると、甲子園球場は大歓声に包まれました。

 

原口文仁選手

2試合連続でホームランを打つことができて、正直なところ自分でも驚いています。

たくさんの歓声をいただきながら甲子園のダイヤモンドを1周することができて、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

 

大腸がん手術からの復活を全国の野球ファンにアピールした原口選手。

矢野監督の言葉に支えられながら、強い意志で逆境を乗り越えた男の姿がそこにありました。

小林達記

大阪放送局 記者 平成26年入局。
神戸局を経て、平成29年から大阪放送局でスポーツを担当。
大学時代は野球部に所属。

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