ストーリー野球

澤村拓一へ 上原浩治からの金言 ボストンの新旧“19番”対談

2021-03-19 午後 0:00

“Koji Uehara” がレッドソックスに(取材者として)カムバック!

サンデースポーツでアメリカ取材中の上原浩治さん。今回訪れたのはフロリダで行われている大リーグ、ボストン・レッドソックスのキャンプ。レッドソックスと言えば上原さんの古巣。そしてこのチームに今シーズン入団したのが澤村拓一投手です。背番号はかつて上原さんがつけた「19番」

上原さんに憧れてきたと言う澤村投手が、語る心の内とは…。

澤村投手の調整は順調?

上原さんがレッドソックスのキャンプ地を訪れたのは3月9日。2013年にチームをワールドチャンピオンに導いた立役者とあって、球団のスタッフなどに行く先々で声をかけられて迎えられました。

 

 

練習中の澤村投手も、上原さんに気が付くとグラウンドからピースサイン。それを見て「いいねえ!」とスマートフォンで写真を撮る上原さん。巨人で共にプレーした後輩が、大リーグでも自分の古巣でプレーするとあって終始笑顔でした。

 

この日、澤村投手は初めてバッターを相手にした実戦練習。その投球を上原さんはスタンドで見守ります。上原さんに今の澤村投手の調整具合を尋ねると。

 

「いいんじゃないんですかね。コントロールにもっと苦労するんじゃないかと思っていたんですけど、順調じゃないでしょうか」

 

 

 

そして練習後に行われたインタビュー。澤村投手は憧れの上原さんがつけていた、「背番号19」のユニフォームで登場しました。

アメリカと日本 感じた指導法の違い

澤村 おはようございます!

 

上原 お疲れ!(ユニフォーム)似合ってるやん!

 

澤村 まあ似合っているか、似合っていないかで言ったら、似合っている方かなと思います。

 

 

上原 何を自分で言うとんねん(笑)!アメリカに来てまだ10日くらいか。今日投げてみてどうやった?

 

澤村 バッターは若い選手でしたけど、初球に自分が「ガっと」力を入れて投げたボールを、初見でバックネット裏へのファールにされました。やっぱり(アメリカのバッターは)まっすぐに強いなと思いましたね。タイミングをずらしたりボールを動かしたりしていかないと、この国の野球では生き残れないと感じています。

 

 

上原 ものすごく力強い球を投げている感じだったし、「やれるんじゃないか」と俺の中では思ったんだけど、自分では自信はある?

 

澤村 いや~、何ともいえないっすね。中間ぐらいです。

 

*****

 

世界最高峰の舞台に挑もうとする澤村投手ですが、この1年はまさに激動の時を過ごしてきました。

 

 

プロ10年目の昨シーズン、巨人では思うようなピッチングができず一時は3軍落ちまで経験。夏にトレードでロッテに移籍しました。するとそこで復調し、リリーフとしてチームのクライマックスシリーズ進出に貢献。そして、オフにフリーエージェントの権利を行使してレッドソックスに入団、夢の大リーグへの切符を手にしたのです。

チームに合流しておよそ2週間。初めての大リーグのキャンプを経験して感じたのは、日米の指導方法の違いだったといいます。

 

*****

 

 

澤村 こっち(アメリカ)の人は、ある程度短所に目をつぶって長所を伸ばしていくという感じがしますね。何か悪いところがあっても、「ここがよかった。だからそこは継続してやってこう」という感じの言い方をしてくれます。ちょっと言い方が悪いですけど、日本は“あら探し”みたいな所があるじゃないですか。例えばフォアボールにしても、日本では「フォアボールを出すな」と言われる感じですけど、アメリカでは「フォアボールを出してしまってもいいけど、そのイニングを最少失点で切り抜ける方法をまず考えよう」というような言い方をしてくれるので、自分が小さくならずに済む。それがプレーに集中できている要因だと思います。

憧れの上原さんのように

大リーグで活躍する上原さんに、プロ入り前から憧れを抱いてきたという澤村投手。その思いは、マウンドに上がるときに流れる登場曲にもあらわれています。Darude の「Sandstorm」。これは上原さんが長年使用してきた曲でした。ワールドシリーズ制覇を果たした2013年も、上原さんはこの曲が流れる中で本拠地フェンウェイパークのマウンドに上がっていたのです。

 

*****

 

 

澤村 僕は(上原さんに)ずっと小さい頃から憧れてきましたからね。登場曲が「Sandstorm」なのも、フェンウェイパークで上原さんがこの曲で登場していたのを見て、真似して使わせてもらってたからですもん。

 

上原 じゃあ今年ボストンで投げるとなったら、登場曲は「Sandstorm」でいくの?

 

澤村 そうしたいと思っています。

 

上原 おー!スタジアムで「Sandstorm」がかかって、ブルペンから走っていって、背番号19が投げる。ホント楽しみやな!

上原が語る 打たれた後のメンタリティ

澤村 今日は上原さんにお聞きしたいことがあるんです。例えば自分が投げて打たれた時、もちろん悔しいし気持ちを切り替えなきゃいけない。そのために自分を“許す”ということは、上原さんの中ではありましたか。

 

 

上原 許すもなにも、それは過ぎた事だからね。まず取り返しがつかない。もちろん反省はするべきやで。でも後悔してたらダメ。俺もアメリカに来て、気持ちの切り替えはすごく大事だなと感じたことだからね。

 

澤村 自分は「前後際断(※)」じゃないですけど、今何をやるべきかにすごく集中できています。

※禅の用語。「過去にとらわれず、未来を憂うことなく、今を生きよ」と言う教え。

 

上原 顔を見たらすごく充実していることがわかるよ。この笑顔。カメラさんも撮ってます?この澤村の笑顔を撮ってあげて下さい。これがもう、全てを物語ってますよ!

 

 

澤村 はい、楽しいです!本当に。

 

上原 今日は忙しい中ありがとう。

 

澤村 ありがとうございました!

 

*****

 

この取材から4日後の3月13日。澤村投手は初めてオープン戦に登板。この日はコントロールに苦しみ、3分の2イニングで3つのフォアボールを出すと言う結果に。

 

 

上原さんはこのピッチングどう見たのか。先輩として辛口(?)の評価をしながらも、澤村投手の挑戦にエールを送りました。

 

「コントロールに苦労していないって言いましたが、その言葉は撤回します!でもこれからいろいろ研究して、まだまだやっていくことがたくさんあると思うので、今後に期待したいと思います」

 

サタデースポーツ/サンデースポーツ

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