ストーリー野球

楽天 田中将大投手 8年間の空白を埋めた ある出来事とは?

2021-03-15 午後 08:25

田中 将大 投手

東日本大震災から10年という数字は、何か自分にとって意味のあるタイミングなのではないか。

 

古巣・楽天への復帰会見でこう語っていた田中投手。さっそく、チームを離れていた 8年間の“空白”を埋める、ある出来事があった。

発端は“21万人”熱狂のパレード

 

その発端は8年前の2013年11月24日。楽天の球団初の日本一を祝う、仙台市で行われたパレードだった。

 

 

およそ21万人が見守る中、日本一を記念する特別な旗を持って行進したのが、仙台市消防音楽隊。消火や救助にあたるかたわら、音楽を通じてさまざまな広報活動に取り組んでいる。

 

楽天の晴れ舞台を飾った音楽隊に後日、主力選手たちがサインを書き入れたパレードの旗が贈られ、隊員たちは誇りと励みにしてきた。

 

仙台市消防音楽隊 佐々木健 副隊長

選手たちが日本一になるためには、それぞれ並々ならぬ努力や団結力があったと思います。私たちもくじけそうになったら、この旗を見て、気持ちを入れ直すみたいな、そんな感じで、いつも練習させてもらっています。

田中投手の “8年越しのサイン”

 

旗には、当時の星野仙一監督、大リーグから地元・仙台に帰ってきた斎藤隆投手、「野球の底力」を言葉通り示した嶋基宏選手など、優勝に貢献したメンバーのサインがずらりと並ぶ。

 

しかし、そこに田中将大投手のサインはなかった。24勝無敗という圧倒的な成績を残し、日本一の立役者とも言える存在だったが、よくとしの大リーグ移籍で、タイミングが合わなかったのである。

 

「いつか、田中投手にサインを書いてもらえたら」

 

それが、音楽隊の長年の願いだった。

 

 

その田中投手が、東日本大震災から10年の年に、大リーグから古巣・楽天へ復帰。春のキャンプ中、「今こそ」と思い切った音楽隊の依頼を快く引き受け、旗の上の部分、田中投手のために空けておいたというスペースに力強くペンを走らせた。

 

 

チームを離れていた8年間の“空白”が埋まった瞬間だった。田中投手は、サインとともに音楽隊にビデオメッセージを贈り、その思いを伝えた。

田中 将大 投手

2013年の優勝メンバーが旗にサインを入れていたというのも、僕は知らなかったですし、皆さんが今でも大事にしてくださって、訓練の時にも掲げてくださっているということを全然知らなかったので、びっくりしましたし、やっぱりメンバーとしては、とてもうれしいです。

 

田中投手と音楽隊の思いがつながった今回の出来事。両者の次の願いもひとつ。「日本一」だ。

 

 

仙台市消防音楽隊 佐々木健 副隊長

10年という節目にまさか田中投手が帰ってきてくれるとは思っていなかったですね。震災を風化させてはいけないと思うので、この旗を見て、希望を持って、力強く前に進んでいきたいです。ことしの秋には新しい優勝フラッグでパレードをしたいです。

 

田中 将大 投手

震災から10年というこのタイミングで、こうしてサインを旗に書くことができたのも何かの縁なのかなと思います。また新しい旗を作っていただけるように今シーズン頑張っていきたいです。

この記事を書いた人

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並松 康弘 記者

平成26年NHK入局。新潟局を経て、仙台局で楽天担当3年目。野球は「中学から大リーグまで」幅広く愛する。

 

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